セッション(20分)

プラットフォームエンジニアリングはじめました

ueokande 上岡 真也

インフラエンジニア、DevOps エンジニア、SRE、そしてプラットフォームエンジニア──企業によって呼び方は違えど、会社としてその役割を担うチームやエンジニアが存在しています。サイボウズにも、製品開発が利用する開発環境や、お客様に提供する本番環境の基盤を支えるチームがあります。私たちはその開発、運用、保守、そして信頼性向上に力を注いできました。

開発組織全体に目を配ると、以前から気付いていた課題がありました。複雑な開発フロー、属人化した作業、長いビルド時間など。これらは“なんとなく困っている”状態として常に存在していました。問題を認識しながらも、プラットフォーム側で体系的に解決する文化が十分に根付いていなかったのです。そこで私たちは、プラットフォームを「利用する側」への価値提供を意識することで、組織全体の開発生産性が向上すると考えました。

2025年に、チーム内外でその考え方を共有できるように、自分たちの部署を「プラットフォームエンジニアリング」と名を改めました。では「プラットフォームエンジニアリング」の役割は一体何なのでしょうか。それは事業フェーズ、組織規模、アーキテクチャによって様々な形があると考えています。サイボウズでも、自分たちとしてのプラットフォームエンジニアリングを言語化し、自分たちの状況にあった方法で問題解決してきました。またプラットフォームエンジニアリングの文化形成や開発組織のパフォーマンス向上に取り組んできました。

本セッションでは、EMとしてプラットフォームエンジニアリングの役割を定義し、どのような活動や仕組みを通じて文化を形作ってきたのか。そのプロセスと、そこで得られた気づきや学びをお話しします。

Learning Outcome

対象となる聴衆

  • プラットフォームエンジニア、SRE、インフラエンジニア
  • EM・テックリード・基盤チームのリーダー

得られるもの

  • 開発組織で発生していた課題とその解決方法
  • プラットフォームエンジニアリング文化を形成するためのサイボウズの取り組み
1
セッション(20分)

自律型組織の真実:『甘い自走』を捨てて導いた、EMによる戦略的組織変革

neozeonic masayasu-sano

概要

「自律自走型組織」は理想ですが、単に自由を与えるだけの「甘い自走」は、責任の不明確さや意思決定の停滞といった構造的な問題を引き起こし、最終的にチームの生産性を低下させ、事業の足を引っ張ります。
私自身、この「甘い自走」の失敗により、組織の士気と成果が著しく悪化する危機を経験しました。
その経験から得た最大の教訓は、「自律とは自由ではなく、EMが設計する明確な枠組みと責任がセットで存在して初めて成立する」という真実です。

今回は、この「甘い自走」を捨て、自律型組織を再構築するために組織に導入した独自のマネジメントポリシーをお話しします。
様々な試行錯誤の上での取り組みがもたらした、市場投入速度の向上や開発コスト削減といった具体的な事業成果、そして現場での実践方法を、痛みを伴う失敗例を交えてお話しします。

アジェンダ

  1. 「甘い自走」が招いた失敗
    1. 自律型組織における課題と失敗事例(現状確認と課題の分析)
  2. 自律型組織の再定義
    1. 自律型組織の課題解決に向けた新たな枠組み(新しい方針や枠組みの共有)
  3. 自律型組織を実現する戦略
    1. 成功に導くための具体的アプローチ(具体的な実行計画)
  4. 成果
    1. 目指す成果と期待される未来像(期待される成果の明確化と共有)

Learning Outcome

対象の聴衆

  • 自律型組織を構築したい、しているエンジニアリングマネージャー(EM)。
  • 組織構築に課題を感じているリーダー層。
  • チームや組織への関与を強めて事業貢献に繋げたいと考えているプロジェクトマネージャー。

聴衆が得られるもの

  • 自律型組織の本質を理解する
    • 「自律」とは単なる自由ではなく、組織の仕組みと責任設計であること
  • 独自の戦略的プロトコル
    • 自律を駆動させるための実践的なマネジメントポリシー
  • 事業価値への接続
    • 変革が開発リードタイムの短縮や技術的負債解消、開発生産性向上といった具体的な事業成果
セッション(20分)

組織の『沈黙の負債』を暴け:EMによるドキュメント戦略と、意思決定コストの黒字化

neozeonic masayasu-sano

概要

ドキュメントは単なる情報共有ツールではなく、組織全体の生産性や競争力を支える「資産」です。
でも多くの組織ではドキュメントが軽視され、まともな管理がされないまま散在し更新されることもなく陳腐化し、日の目を浴びることなくいずれ闇に葬られます。
その結果、プロジェクトの遅延や技術的負債の温床となり、最終的には組織全体足枷となった挙句に士気や成果に悪影響を及ぼします。
EMとしての経験を通じて、私は何度もそのような問題に直面してきました。
その中で、ドキュメントを「組織の最重要資産」として再定義し、とにかく全てを文字に書き起こし(かっこよく言えば運用ルールを構築することで)、プロジェクトの円滑な管理進行や新規参画メンバーのオンボーディング期間短縮、4Keysなど開発生産性指標の向上といった結果に繋げてきました。
今回は、ドキュメントを活用できていない組織が抱えるリスクを明確にし、ドキュメントを中心とした組織運営がどのように技術的負債を解消しつつ組織の生産性を高め、事業貢献できるかを実践的なアプローチや失敗例を交えてお話ししようと思います。

アジェンダ

  1. 「書かない組織」のリスクと課題(現状把握)
  2. ドキュメントの再定義:単なる記録から「最重要資産」へ(価値の共有)
  3. 戦略的ドキュメント・ポリシーの設計と実践(計画と実践)
  4. ドキュメントがもたらす具体的な事業成果(成果の共有)
  5. AI時代におけるドキュメント運用の未来(未来の展望)

Learning Outcome

対象の聴衆

  • 課題(属人化、遅延、情報共有不足)を組織戦略として解消したいEM
  • プロジェクトの根本課題を解決して事業貢献に繋げたいプロジェクトマネージャー
  • チームや組織の生産性を向上させるための実践的な方法を模索しているリーダー

聴衆が得られるもの

  • ドキュメントの価値を再認識する視点
  • 独自のドキュメント・ポリシー設計
  • 事業価値への接続
セッション(20分)

EMとスクラムマスターは、席ではなく手を取り合う 〜組織の変化の中で見えてきた、EMとスクラムマスターの連携のありかた〜

kigh 太田 絵一郎

■概要
本セッションでは、EMとスクラムマスターが連携して貢献を高めていくために、実際に考え、取り組んだことをご紹介します。

私たちはより良いプロダクト開発組織を目指し、過去5年以上にわたって、大きな組織の変化を進めてきました。
具体的には、プロダクトやメンバーの増加とともに、EMやチームリーダー不在のフラットな組織から、組織を階層化し、EMやリーダーのロールを定義・配置する形へ移行しました。

すると、以前からチームで活動していたスクラムマスターの立ち位置が変化してきました。従来、スクラムマスターは、チームの自己管理、チームビルディング、メンバーのモチベーションといったテーマに主体的に取り組んできました。これらのテーマが、EMロールの責務にも含まれる形で期待されるようになりました。つまり、EMとスクラムマスターの役割が重なってきたのです。そうすると、メンバーによっては「EMがいれば、スクラムマスターは不要なのでは?」と感じる人も出てきました。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

私たちは、EMとスクラムマスターは競合して席を取り合うのではなく、協力して手を取り合うことで、一緒に開発組織をより良くしていける役割だと考えています。実際に、EM/リーダーとスクラムマスターとで密に連携することで、価値提供のボトルネックの検知と対応、チームメンバーのスキルアップといった課題に、より効果的に取り組むことができています。

EMとスクラムマスター2人それぞれの目線から、取り組みと得られた成果について、ご紹介します。

■Learning Outcome
スクラムマスターがいる、または置こうとしているエンジニアリング組織のEM:
・スクラムマスターをどのように頼り、連携すると良いか
・スクラムマスターの貢献をどのようにマネジメント・支援すると良いか

スクラムマスター:
・EMがいる組織で、スクラムマスターとしてどのように動くとバリューを出せるか
・EMとうまく連携していく方法

1
セッション(20分)

リファラル採用ことはじめ ― EMが最初の一歩を踏み出し、組織全体に文化として根づかせるまで

naopr naopr

「自分は知り合いが少ないから、リファラル採用はできないな……」
そう思っていませんか?

あるいは、あなた自身は積極的にリファラル採用をしているのに、他のエンジニアが全く動かない。
そんな状況に悩んでいませんか?

私は2年前、メガベンチャーからスタートアップに転職し、初めてエンジニア採用の現場責任者を務めました。
人的・金銭的リソース、そして会社の知名度の面で大手企業に敵わない状況の中、
「この環境で成果を出せる採用手法は何か?」を考え抜いた結果、リファラル採用に行き着きました。

本セッションでは、それまで積極的にリファラル採用をやってこなかった私が、
毎月3件ペースで候補者にお会いし、そのうち約半数に選考に進んでもらえるようになった具体的な「はじめの一歩」をお伝えします。
さらに、自身の行動だけでなく組織全体にリファラル採用を文化として根づかせるために行った取り組みについて、
成功・失敗の両面から具体的にお話しします。

アジェンダ(予定)

  • 自身がリファラル採用を行うためにやったこと
    • 「受動」から「能動」への意識の切り替え
    • SNSやブログでの情報発信
    • 声をかけたい候補者リストの作成
    • 継続的な会食の実施
  • 組織全体にリファラル採用を広げるためにやったこと
    • リファラル会食制度の言語化とアップデート
    • 各メンバーの候補者リスト化支援
    • オンボーディングへの組み込み
    • 継続的な社内発信
    • カジュアル面談の実施マニュアル整備と引き継ぎ
  • リファラル採用を行った効果と学び
    • リファラル会食数・応募数・採用数の変化
    • 入社に至らなかった候補者のファン化

想定リスナー

  • リファラル採用を「やった方がいい」と思いつつ、まだ踏み出せていないEM・採用担当
  • 組織としてリファラル採用を推進したいが、どこから始めるべきか悩んでいるEM・採用担当

得られる学び

  • 明日から自分でもリファラル採用を始められる、具体的なアクションとマインドセット
  • 組織全体にリファラル採用を根づかせるための、制度設計・コミュニケーション・巻き込み方の実践知
2
セッション(20分)

「AI疲れ」していませんか? 超高速開発の要求と組織の摩擦を乗り越える戦略

shutoto25 毛利修人

◼︎概要
AIは開発を劇的に効率化し、エンジニアを解放すると期待されました。
しかし、開発現場の現実はどうでしょう?

AIがもたらす「超高速な開発」という要求は、既存の開発手法やマネジメント構造と衝突し、大きな混乱を生みました。単純作業が減った代わりに、人間には大量の意思決定や認知負荷の増大といった「AI疲れ」が蔓延しています。 開発を楽にするはずが、なぜ私たちはこれほど疲弊しているのでしょうか。

本セッションは、この「AI疲れ」の発生源を理解し、 AIとの適切なチーミングを模索した私たちのリアルな失敗と葛藤を共有する物語です。
私たちは、AIが期待された成果を生まず組織が疲弊した過程を詳細に分析し、その経験から一つの結論に辿り着きました。それは、組織の成長フェーズに合わせてAIへの権限委譲レベルをカスタムすることです。

セッションでは、初期の混乱期から成熟期に至るまでのフェーズごとの具体的な戦術を事例とともにお伝えします。AIに振り回されずにその真価を引き出し、自律的に成長できる開発組織を築くための実践的な戦略を提供します。

◼︎Learning Outcome
・ AI疲れを乗り越えた先に、組織にどのような戦略的変化が必要だったかを理解できる
・ 組織の成長フェーズに応じたマネジメントポリシー設計指針と権限委譲レベルを戦略的に策定できる
・ AIを単なるツールとしてではなく、チームの一員として位置づけるための基本的な心構えと原則を理解できる

◼︎Target Audience
・ AI疲れしている方
・ 開発手法に振り回されてしまっている悩みのある方
・ エンジニアリングマネージャーやスクラムマスターをされている方

1
セッション(20分)

組織崩壊と向き合う技術〜2度の崩壊から得た再生の実践知〜

yamagenii 山元亮典

概要

組織は突然壊れるように見えますが、実際には静かなズレが積み重なり、外部環境の変化や内部の負荷によって一気に表面化します。私はこれまでに2度の組織崩壊を経験しました。1度目はメンバーとして、25名の会社が翌月16名へ縮小する現場に立ち会い、期待役割の曖昧さや採用基準の揺れが組織を不安定にするプロセスを体感しました。

2度目は開発部門の責任者として、より大規模な構造的揺らぎに直面します。外部環境による事業の見直し、急成長期特有の役割・権限設計の不整合、そして組織が大きくなるにつれて起こりやすい認識ギャップの増幅が集積し、結果として約60名の組織が30名規模へ縮小する変化を経験しました。これは特定の誰かの問題ではなく、成長企業で広く起こり得る構造的課題です。

再建の転換点となったのは、制度の刷新よりもコミュニケーションの再設計でした。1on1・定例・意思決定プロセスの透明化、違和感を安全に共有できる場づくりなど、対話の質と量を変える取り組みが組織の再生を後押ししました。また混乱期には「頭では理解しているのに心がついてこない」瞬間が訪れます。その時に私を支えたのは、正解探しより本音で対話し続ける姿勢でした。

本トークでは、崩壊の予兆、構造的要因、再生プロセス、そして混乱期の心の扱い方まで、普遍的に応用できる組織を立て直す技術を共有します。

アウトライン

静かに進行する組織崩壊
メンバーとして体験した初期崩壊(25名→16名)
責任者として直面した大規模な揺らぎ(60名→30名)
再生の鍵──コミュニケーションの再設計
混乱期のリーダーシップと心の扱い方
再生後の“強い組織”が持つ特徴

Learning Outcome(対象の聴衆と、その人たちが得られるもの)

ターゲット

スタートアップ/成長企業の経営者・VPoE・EM
組織が縮小フェーズに入り不安がある責任者
混乱期で心が揺れているマネージャー

このトークから得られる学び

成長企業で起こりがちな役割・権限設計の落とし穴
規模拡大と認識ギャップが引き起こす構造課題
リーダーの心が揺れる時のメンタルマネジメント
崩壊後の再生プロセスと、強い組織に共通する特徴

9
セッション(20分)

正社員ゼロからのチームビルディング - 業務委託メンバーとのマネジメント実践記

平倉 尭明

概要
EM就任から半年、正社員ゼロ・業務委託のみのチームで、私は多くの「教科書通りにいかない」課題に直面しました。
例えば:
・1on1の頻度や深さをどう設計するか
・評価制度やキャリアパスが使えない中でのモチベーション管理
・「チーム」としてのエンゲージメントをどう作るか
・限られた稼働時間の中での信頼関係構築

正社員前提のマネジメント手法が通用せず、失敗も多くありましたが、半年間の試行錯誤を通じて、いくつかの手応えと学びを得ました。
本トークでは、以下のような実践と学びを共有します。
・業務委託メンバーとの関係構築で意識したこと
・契約の枠内でできるコミュニケーション設計
・うまくいった施策、うまくいかなかった施策
・この経験から学んだ「雇用形態を超えるマネジメント」の考え方

完成された成功事例ではなく、現在進行形の試行錯誤を共有することで、同じような状況にいる方や、これからEMになる方の参考になれば幸いです。

Learning Outcome
【対象聴衆】
・業務委託やフリーランスを含むチームをマネジメントする方
・リモート/分散型チームのマネージャー
・これからEMになる方、EM1-2年目の方

【得られるもの】
・業務委託チームのマネジメントで直面する課題と対処の実例
・限られた関係性の中でのコミュニケーション設計のヒント
・試行錯誤から見えてきた「雇用形態を超える」マネジメントの考え方
・「完璧じゃなくても、できることから始める」EM実践例

セッション(20分)

契約形態を超えた一体感!楽天カードが挑む、業務委託メンバーと創る自律型チーム

soma_dsa 相馬 恭平

業務委託メンバーとの協業において、こんな不安や課題を感じていませんか?
「会社間の文化・責任者の違いで、コミュニケーションが分断されがち…」
「契約形態による制約で、詳細な指示や関与が難しく、チーム連携や情報共有に支障が出がち…」

本セッションでは、楽天カードにおける実体験に基づき、業務委託メンバーを巻き込んだスクラムで直面する具体的な課題を深掘りします。そして、それらを乗り越え、一体感のあるスクラムチームを築く実践的なアプローチをご紹介します。

楽天カードでは以下の具体的なチームビルディング施策を実施しました。
「なりたいチーム」のビジョン共有:
 全員でディスカッションを行い、「どんなチームになりたいか」という共通の目標意識を醸成。
価値観の相互理解促進:
 バリューズカードを用いたワークショップを通じて、お互いの仕事観や大切にしている価値観を深く理解し、心理的安全性を高める。
チームの個性と一体感の醸成:
 チーム名を自分たちで決定することで、チームへの帰属意識と一体感を醸成。
偶発的なコミュニケーションの創出:
 毎日座席をくじ引きで決定する「シャッフル座席」を導入し、ランダムなメンバーとの交流機会を意図的に創出。
非公式な交流の場の提供:
 定期的なチームでのランチや飲み会により、仕事以外の親睦を深め、信頼関係を構築。

これらの多角的な取り組みの結果、チームには以下のようなポジティブな変化が生まれました。
「対等な関係」の構築: 契約形態や所属会社の違いを超え、チームの目標達成に向けた対等な関係が築けました。
スクラムの新たな可能性の発見: スクラムが持つ「自律的な開発」を促す特性は、むしろ業務委託メンバーを含む多様なチーム構成において、その真価を発揮しやすいという新たな気づきを得ました。

本セッションでご紹介するような「偽装請負リスクへの適切な向き合い方」という前提知識と、「意図的なチームビルディング」を組み合わせることで、それらの壁を乗り越え一体感のある、自律的なスクラムチームを築くことができます。

Learning Outcome
対象聴衆
チームビルディングや組織文化の醸成に携わる方
スクラム導入を検討している方

得られるもの
契約形態の壁を越えた一体感のあるチーム構築方法

8
セッション(20分)

AI時代におけるアジャイル文化の再構築:XP x AIのコラボレーションで生産性を2.5倍を目指す

tomoda naoto

概要

背景

レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)を実施する上で、スクラムからよりソフトウェア開発に特化したXPに開発手法を変更、定着しつつあった矢先に、AIの進化が急加速して瞬く間に普及しました。
業界的にもAI活用が急務になっており、自社でも生産性の向上のため、XPとAIの共存ではなく共創が必要になりました。

※ スクラムからXPへの移行背景
2024年初めに、レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)をメインで動く組織を編成。
システム改善は事業的な不確実性が少ないため、スクラムよりソフトウェア開発に特化したXPに移行した。

内容

本セッションでは、XPを実施している開発チームにどうやってAIを普及・定着させ、目標として掲げている開発生産性2.5倍の実現に向けて動いたかをみなさんに共有します。
XPの有名なプラクティスであるペアプロやTDDにおいて、AIの恩恵を受けやすい部分と受けにくい部分に対して、それぞれにどう向き合って、どう改善していったか、
やめる or 続けるの意思決定をしていったのか、を赤裸々に紹介していきます。

Learning Outcome(対象の聴衆と、その人たちが得られるもの)

対象の聴衆

  • 既存の開発スタンスを、AI活用でさらに最適化したいと悩んでいる人
  • 組織のAI向き合いについて悩んでいる方
    • 導入検証
    • 文化定着
  • AIが組織に与える影響について知見や事例の情報がほしい人

得られるもの(持ち帰ってほしいもの)

  • アジャイル(XP) x AIで生産性を向上させるヒント
  • AIの普及などの組織の変化点にどう対応していったかという知見や学び
  • 組織へのAI導入で困ったことやつまづいた失敗事例
1
セッション(20分)

型から文化へ──チームが自走しはじめる瞬間をつくるマネジメント

加藤祐也

異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まるチームを、どうすれば一つの方向に進ませられるのか。
本セッションでは、“仕組みづくり”と“対話の設計”によって、チームが自走し始めるまでのプロセスを、EMとしての意思決定を軸に紹介します。

最初の一歩は、「まずは型を守る」こと。一定のリズムでミーティングを重ね、チームの状態を定点観測しました。
その結果、課題が可視化され、メンバー自身が改善を提案するように変化します。
やがて“ルールを守る”段階から、“自分たちで仕組みを育てる”段階へと進化。

このセッションでは、成長実感を持てるチームを育てるためのアプローチ──定例の運用、アンケートの活用、文化を継続させる工夫──を共有します。
テクニックではなく、マネージャーとして「どう関わるか」に焦点を当てたリアルな実践知をお届けします。

●アウトライン(発表の流れ)

① 文化の異なる組織がひとつになる──混沌のスタートライン
異なる価値観・ルールを持つメンバーが合流し、開発の足並みが揃わない混沌を前に「秩序づくり」が必要だと判断した状況。

② “型”が生む秩序──スクラム導入で整う共通リズム
共通言語と対話の機会を作るために“型”としてスクラムを導入し、異文化の融合とコミュニケーション活性を実現した判断。

③ 自律を生む目標設定──組織課題を個の挑戦に翻訳する
組織課題を分解し、メンバー個人の目標に紐づけることで、各自が主体的に課題解決へ動き始める仕組みを整えたプロセス。

④ 定点観測で状態をつかむ──アンケートと対話の循環
アンケートで心理状態と課題を可視化し、EM主導の対話を通じて改善サイクルを回し続け、文化が更新される状態をつくった継続運用。

⑤ 文化をつなぐオンボーディング──回り続ける組織へのアップデート
価値観・型・改善のリズムをオンボーディングとして仕組化し、新メンバーが文化の担い手となる“続く組織”を実現した最終段階。

8
セッション(20分)

肩書きではなく構造。「全員プロダクトエンジニア」への道

kajitack 梶川 琢馬

概要

私たちは、プロダクト開発をより一貫した形で進めたいという課題から「全員がプロダクトエンジニアとして動ける状態をつくる」という方針を掲げました。
技術領域ではなく、価値に向き合う単位で動けるチームを目指した形です。

ただし、役割をそろえるだけではチームは変わりません。
肩書きや担当範囲を動かしても、日々の流れや連携の仕組みがそのままなら行動はほとんど変化しません。

私たちは、人ではなく構造を変える必要があると判断しました。
コードの設計を見直すように、チームの境界や依存関係を整理し、情報の流れを整えました。
意思決定の範囲を明確にし、プロダクト単位で完結できる形へ移行しています。
フロントエンドとバックエンドの分断をなくし、企画と開発が同じループで動ける土台も用意しました。
小さな改善を続けられる構造へ組み替えた形です。

取り組みを進める中で、マネジメントの役割も変わりました。
「どう動かすか」を決めるのではなく、「どういう構造なら自然に動けるか」を設計する側へと比重が移っていきました。

このセッションでは、全員プロダクトエンジニア化を支えた構造設計の実践と、そこから得た視点を共有します。

Learning Outcome

対象:

  • エンジニアリングマネージャーとして、組織の成果を技術と結びつけたい方
  • チームの動きが事業の動きと噛み合っていないと感じている方
  • 「マネジメント=人の管理」から抜け出し、構造的にチームを設計したい方

得られること:

  • マネジメントを構造設計として捉え直し、事業と技術のつながりを強化するためのヒント
  • 役割変更で組織が動かない理由を理解し、構造的な課題を見抜く視点
  • チームの境界や依存関係を整理し、自律的に動ける環境をつくるための方法
4
セッション(20分)

マトリクス組織でのEMの苦悩

xxx_a1_xxx a1yama

トーク概要

マトリクス組織では、サーバーサイドのEMとして横断的な技術課題や基盤整備を担っていても、メンバーは日々の事業部プロジェクトを中心に動いています。
1on1を通して事業部側の状況は把握できているし、メンバーとの関係も良好で、みんな前向きに仕事をしている。
それでも、サーバーサイドとして取り組みたい改善や、横断的に解くべき技術課題が思うように進まない──そんな状況が静かに積み重なっていく。

事業部の優先度も正しいし、現場のプロジェクトが重たいのも理解している。
ただ同時に、サーバーサイドとして未来を守るために取り組むべき課題は明確に存在している。
両方の“正しさ”の間で、どのように改善を進めていけば良いのか。そこにマトリクスならではの難しさがある。

このトークでは、

  • メンバーは動いているのに、サーバーサイドの横断課題だけが後回しになる構造
  • 事業部中心の動きの中で、技術的な改善が進みにくい背景
  • EMとして軸をどう持ち、どうすればサーバーサイドの基盤整備を前に進められるのか
    といった点について、実際の現場で起きている状況をベースにお話しします。

マトリクス組織では、縦の動き(事業部)と横の動き(サーバーサイド)が必ず揺れます。
その“揺れ”をどのように扱い、改善を継続できる体制をどう設計するか。
その考え方と実践を共有します。

対象となる聴衆

  • メンバーが事業部プロジェクトに多くの時間を使う環境で、サーバーサイドの改善が進まず悩んでいるEM
  • 日々の1on1で状況を把握できているのに、横断課題へのアクションにつなげづらいと感じている方
  • プロダクト側のスピードと、サーバーサイドとしての中長期的改善のバランスに悩むマネージャー
  • マトリクス組織で“縦と横”の動きがぶつかる構造に関心があるエンジニアリングリーダー

このトークから得られる学び

  • サーバーサイドの横断課題が進みにくくなる、マトリクス構造ならではの理由を理解できる
  • メンバーの負荷を増やさずに横断的な改善を進めるためのアプローチ
  • 事業部の動きを尊重しながら、サーバーサイドとして必要な改善をどう組み込むか
  • EM自身が判断軸を整え、改善を継続的に前に進めるための具体的な視点
  • マトリクス構造を前提にサーバーサイドの基盤を育て続けるための考え方
4
セッション(20分)

EMを機能させる仕組みを探して ─ マトリクス組織で見えた変化と現実

sanogemaru Genki Sano

概要

私たちの開発組織では、目的別チーム構造のもとでEM(エンジニアリングマネージャー)を独自ロールとして運用していました。
EMは複数チームを束ねる立場として、もともと組織変更や配置計画にも深く関与していましたが、会社制度上の正式な「マネージャー」ではなかったため、評価や人事決定といった権限を十分に持てませんでした。

そのため、EMが責任を果たすには、制度上のマネージャーを兼任する必要があり、兼任による追加業務が負荷となって EMを増やしにくい構造 になっていました。

この問題を解消するために導入したのが、 職能別マトリクス組織 です。
職能軸を明確に持たせることで、EMを会社制度上のマネージャー枠組みに接続し、形式的な兼任を不要にしました。
現在は、四半期ほど運用を経て、 新たにEMを追加任命しやすい体制 が動き始めています。

本セッションでは、

  • 制度の外にあったEMロールを、制度の内側へ位置づけ直すまでのプロセス
  • その中で整理した権限設計・責任範囲・評価体制の具体例
  • 制度変更後の運用で見えてきた変化と、新たに発生した課題

を具体的に共有します。

EMが現場と制度のあいだで、どのように動けば組織を前に進められるのか、今も模索を続けている実践をお話しします。

Learning Outcome

対象:

  • 複数チームを見ているEM、または制度設計・組織設計にも関わる立場のマネージャー

得られるもの:

  • EMの役割を制度上の位置づけに接続するための現実的ステップを学べる
  • EMを拡張可能にする構造設計と運用上の工夫を理解できる
  • マトリクス化による権限整理と現場運用のリアルな課題を学べる
1
セッション(20分)

EMの透明性をどう作るか ─ 社内ラジオを始めて見えてきたこと

sanogemaru Genki Sano

概要

「EMって何してるのか、よく分からない」
そんな声をきっかけに、私たちは “EM同士の雑談を垂れ流す社内ラジオ” を始めてみました。

隔週の社内勉強会のあとに15分だけ実施。スケジュールを先に決めて締切駆動にして、事前準備はトークテーマを考えるだけ。録画や集客は既存の勉強会の仕組みに乗せる。など、 運用負荷を極力増やさない設計 にしました。
アンケートや特別な編集もせず、 「続けることを最優先」 に継続しています。

まだ始めて3ヶ月ほどで、明確な効果は見えていません。
それでも、EMが何を考えているのか、どう意思決定しているのかを少しでも伝えられる手段として、価値を感じ始めています。

このセッションでは、 “透明性を仕組みではなく、日々の発信の積み重ねで育てる” という視点のもと、社内ラジオを通じて見えてきた運営の工夫・違和感・気づきを率直に共有します。
「成果が出る前の試行錯誤」を通じて、 EMの透明性をどう増幅していけるか を皆さんと考えたいです。

Learning Outcome

対象:

  • チームやメンバーとの情報共有・信頼形成に悩むマネージャー

得られるもの:

  • EMが透明性を高めるための“無理なく続ける”仕組み設計を学べる
  • 成果が見えない段階でも実践を続けるための考え方を得られる
  • 透明性は、仕組みよりも“日々の発信”の積み重ねで育つという視点を持ち帰れる
2
セッション(20分)

中途入社EMが社内問い合わせの窓口対応で築く信頼と組織価値

hirot_san とりい

いわゆるパラシュート人事のような形で既存組織にジョインしたEMが直面する代表的な課題として「コードベースの理解不足」「事業ドメイン理解不足」「既存メンバーとの信頼関係不足」が挙げられます。

私はEM候補として中途入社した自社Webプロダクト開発企業で、上記課題を解消する一環として社内問い合わせ窓口対応を継続してきました。
問い合わせ調査と対応を重ねる中で個人レベルでの上記課題の解消だけでなく、開発組織やプロダクトレベルへEMとしての貢献領域を広げられることが実感としてわかってきました。

これまで累計数百件の問い合わせに対応してきた約2年間の経験から、本セッションでは以下気づきを共有することで、参加者の学びや行動のきっかけにつなげられたらと考えています。

  1. チームへと広げる。信頼を築く窓口対応の実践
    • 初動返信を徹底する
    • 緊急度と重要度を判断する軸を磨く
  2. プロダクトへと広げる。統計データからの改善プロセス構築
    • 問い合わせの傾向と頻度を把握する
    • 優先度に応じた改修プロセス構築とタスクの見える化
  3. 組織へと広げる。顧客志向醸成に向けての展望
    • 社内業務と問い合わせ先に存在するユーザーを理解する
    • EMの隣接領域としてCRE業務を捉える挑戦

対象の聴衆

  • 専任CRE組織がない環境で自社プロダクトを開発するEM
  • 中途入社・異動でEMポジションに就いた方
  • プレイング要素を委譲する中で、新たな選択肢を模索するEM

Learning Outcome

  • 社内問い合わせ窓口対応からチーム内外との信頼関係を構築する具体的手法
  • 問い合わせ調査を介して、プロダクトの安定運用に貢献する方法
  • 問い合わせ対応の構造化を通して、顧客志向を組織へ広げるためのヒント
セッション(20分)

開発組織における合理的な意思決定 〜感情や曖昧さにどう立ち向かうか〜

m3m0r7 めもり〜

概要

メンバーとコミュニケーションをするたびに「バランスが大事」「上が言っているから」と曖昧なことを言っていませんか。
また,相手の発言を "自分の感覚や感情で" 否定したりしていませんか。

「言語化」は開発組織で合理的な意思決定をする上で最も重要です。私たちは普段,ロジックを積み上げてプロダクトを作っています。
しかし,マネージャーというロールを担った途端にロジックがうまく形成できないといった悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。

マネージャーを長期間担っている方でも,曖昧な表現であったり,それこそ感情的なコミュニケーションの取り方になってしまっている方も見受けられます。

マネジメントは色が出やすいロールでもありますが,一貫して言えるのは,マネジメントの役割はスループットの最大化だと私は考えています。
スループットを最大化するためには,会社・事業の仕組みを理解し,言語化してメンバーに伝えていく必要があります。

本セッションでは,開発組織において合理的な意思決定をするための考え方から言語化まで解説します。

Learning Outcome

対象の聴衆

  • エンジニアリングマネージャー,VPoE,CTOなどマネジメント職を担っている方
  • 言語化に悩みを持たれている方

得られるもの

  • 明日から実践で使える合理的な意思決定の方法
  • 対メンバーに対して納得度合いを上げるコミュニケーション・言語化の方法
2
セッション(20分)

PdM不在のチームのEMが挑んだ、事業価値を生み出すための組織づくり

HonMarkHunt HonMarkHunt

概要

一言でEMといっても、そのあり方や求められることは組織によって大きく異なります。
私は2025年1月からSREチームのEMを務めています。
SREチームは直接的なプロダクト開発から距離があり、チーム内に中長期の開発方針を決めるPdM(プロダクトマネージャー)が存在しません。

PdMがいないチームでは、「何を優先すべきか」「自分たちは何のために存在しているのか」を自分たちで定義する必要があります。
こうしたチームはSREに限らず、QA・データ基盤・Platform Engineering・セキュリティ・MLなど、プロダクトを支える領域に広く存在します。

私たちのチームもまさにその状況でした。日々の改善や運用タスクをこなしながら、「意味がないわけではないが、事業にどう貢献できているのか実感できない」という課題を抱えていました。

こうしたチームでは、EM自身が“プロダクトマネジメント的な役割”を担う必要があると気づきました。
チームのMissionを再定義し、業務をカテゴリごとに整理し、バックログを事業価値の視点で見直す、などの試行錯誤を通じて、少しずつ「自分たちの仕事の意味」をチーム全員で再定義していきました。

本セッションでは、PdM不在のチームのEMが事業価値と向き合うために行った具体的な工夫と、その中での失敗・気づきをお話しさせていただきます。

Learning Outcomes(聴衆が得られること)

  • PdM不在のチームが自律的に事業価値とつながるアプローチの実例を知る
  • プロダクトマネジメントの思考をチーム内に育てた実例
  • 事業貢献、広くいうと「自分たちの仕事の意味」を再発見するまでのリアルなプロセスと苦労を知ることで、自分のチームでの変化のヒントを得られる
3
セッション(20分)

サーバントリーダーシップに「何を足すか」 〜事業価値を最大化するために”何でもやった”1年間〜

marupopu ShinoP/しのぴー

概要

スクラムマスター(SM)/アジャイルコーチ(AC)からエンジニアリングマネージャー(EM)へのキャリアパスは、まだ少数派だと感じます。
本セッションでは、登壇者がSM/ACからEMへとキャリアを移行した実体験をお話しします。
企業の急成長期において、SMとして一つのチームにコミットするだけでは事業全体に大きな影響を与えられないと感じ、より大きな影響力を持って事業に貢献するためEMになることを決意しました。
EMとしての1年間の経験を通じて、EMには「確固たる定義がない」という現実でした。SM時代に培ったサーバントリーダーシップが、必ずしもEMとして全ての状況で最適解とは限らないこと 、そしてチームの状況に応じて事業価値や顧客価値に貢献するために不足している部分を補う「何でもやる」姿勢の必要性を痛感しました。
本セッションでは、従来のプロセス改善といった得意分野が活かせない状況下で、事業価値や顧客価値に貢献するための別の「武器」を持つ必要性を感じた経緯や、チームの状況に応じて自らが適応し、足りない部分を補う「チームにとって必要なこと、事業にとって必要なことは何でもやる」という、より広範囲な「何でもやる」姿勢こそが、真のエンジニアリングマネージャーに求められる立ち振る舞いであると結論付けます。

Learning Outcome

対象の聴衆

  • これからエンジニアリングマネージャー(EM)を目指そうとしている方
    • スクラムマスターやアジャイルコーチからEMへのキャリアチェンジを検討している方
  • エンジニアなど、他のロールからEMへのキャリアチェンジを検討している方
  • 現役のEMで、自身の役割や立ち振る舞いについて他の事例を知りたい方

その人たちが得られるもの

  • SM/ACからEMという、まだ一般的ではないキャリアパスの実例
  • EMの役割に「確固たる定義がない」中で、事業やチームの状況に応じてどう価値貢献していくかの視点
  • サーバントリーダーシップがEMの現場でどのように機能し、またどのような限界があったかという実例
  • EMとして事業価値に貢献するため、自身の得意分野(プロセスマネジメントなど)以外で「何でもやる」必要性に直面した際の具体的な行動例
3
セッション(20分)

「お手並み拝見」を「協奏」に変える。 新任EMと受入れ側の90日オンボーディング戦略

gen87mugi げん

「概要」

「EMポジションでの転職が初めて」— 私が身構えていたのは、「お手並み拝見」という見えない壁でした。
しかし、その不安は杞憂に終わります。
なぜか? 分析して見えたのは、単なる運ではなく、新任の私と「受け入れ側」の行動が噛み合った「協奏」でした。
私(新任EM)が意識したことは 「リスペクト」と「アクセル調整」です。
まず、転職者が陥りがちな「前の職場との違いを、今の職場の課題としてしまう」ことを避けるため、徹底的に「過去の意思決定へのリスペクト」に注力し、信頼の土台を築きました。
同時に、自身の理想とのGAPに対しては「踏みすぎか?もっと踏むべきか?」と、自らアクセルの踏み具合をチューニング。周囲にフィードバックを求め、最適な速度を探り続けました。
受入れ側が意識していた(であろう)ことは絶妙な「期待値調整」と「戦略的チャレンジマネジメント」です。
「期待はしているが焦らなくて良い」と伝えつつ、"期待していない"と誤解される難易度の低すぎるタスクも、"パニックになる"緊急度の高すぎるタスクも避ける。
私を信頼し、「重要だが緊急ではない」絶妙なアサインメントを任せることで、早期に「アウトプット」を出す機会を創出してくれました。
本セッションは、この体験を再現性ある仕組みとして棚卸ししたものです。「自分が受け入れる側になった時に活かしたい」、このオンボーディングの協奏モデルを20分に凝縮してお話しします。

「Learning Outcome」

対象の聴衆

  • (特に重要) 新しいEMをチームに受け入れ、その立ち上がりを支援したいマネージャーやメンバー
  • EMポジションで初めて転職し、どう価値発揮すべきか悩んでいる方
  • エンジニアからEMへのキャリアチェンジを目指す方

    その人たちが得られるもの

  • 新任EMが「お手並み拝見」の壁を越えるために、「受入れ側」が仕掛けるべき「絶妙な期待値調整」と、"簡単すぎず・緊急すぎない"「戦略的チャレンジマネジメント」の手法
  • 新任EMが信頼を獲得するために、「本人が」実践すべき「過去へのリスペクト」と「フィードバックを活用したアクセル調整」という具体的な行動
  • 新任EMと受入れ側の「すれ違い」を防ぎ、「協奏」を生み出すための、最初の90日間のオンボーディング設計図
5