上岡 真也
ueokande
インフラエンジニア、DevOps エンジニア、SRE、そしてプラットフォームエンジニア──企業によって呼び方は違えど、会社としてその役割を担うチームやエンジニアが存在しています。サイボウズにも、製品開発が利用する開発環境や、お客様に提供する本番環境の基盤を支えるチームがあります。私たちはその開発、運用、保守、そして信頼性向上に力を注いできました。
開発組織全体に目を配ると、以前から気付いていた課題がありました。複雑な開発フロー、属人化した作業、長いビルド時間など。これらは“なんとなく困っている”状態として常に存在していました。問題を認識しながらも、プラットフォーム側で体系的に解決する文化が十分に根付いていなかったのです。そこで私たちは、プラットフォームを「利用する側」への価値提供を意識することで、組織全体の開発生産性が向上すると考えました。
2025年に、チーム内外でその考え方を共有できるように、自分たちの部署を「プラットフォームエンジニアリング」と名を改めました。では「プラットフォームエンジニアリング」の役割は一体何なのでしょうか。それは事業フェーズ、組織規模、アーキテクチャによって様々な形があると考えています。サイボウズでも、自分たちとしてのプラットフォームエンジニアリングを言語化し、自分たちの状況にあった方法で問題解決してきました。またプラットフォームエンジニアリングの文化形成や開発組織のパフォーマンス向上に取り組んできました。
本セッションでは、EMとしてプラットフォームエンジニアリングの役割を定義し、どのような活動や仕組みを通じて文化を形作ってきたのか。そのプロセスと、そこで得られた気づきや学びをお話しします。