レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)を実施する上で、スクラムからよりソフトウェア開発に特化したXPに開発手法を変更、定着しつつあった矢先に、AIの進化が急加速して瞬く間に普及しました。
業界的にもAI活用が急務になっており、自社でも生産性の向上のため、XPとAIの共存ではなく共創が必要になりました。
※ スクラムからXPへの移行背景
2024年初めに、レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)をメインで動く組織を編成。
システム改善は事業的な不確実性が少ないため、スクラムよりソフトウェア開発に特化したXPに移行した。
本セッションでは、XPを実施している開発チームにどうやってAIを普及・定着させ、目標として掲げている開発生産性2.5倍の実現に向けて動いたかをみなさんに共有します。
XPの有名なプラクティスであるペアプロやTDDにおいて、AIの恩恵を受けやすい部分と受けにくい部分に対して、それぞれにどう向き合って、どう改善していったか、
やめる or 続けるの意思決定をしていったのか、を赤裸々に紹介していきます。
異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まるチームを、どうすれば一つの方向に進ませられるのか。
本セッションでは、“仕組みづくり”と“対話の設計”によって、チームが自走し始めるまでのプロセスを、EMとしての意思決定を軸に紹介します。
最初の一歩は、「まずは型を守る」こと。一定のリズムでミーティングを重ね、チームの状態を定点観測しました。
その結果、課題が可視化され、メンバー自身が改善を提案するように変化します。
やがて“ルールを守る”段階から、“自分たちで仕組みを育てる”段階へと進化。
このセッションでは、成長実感を持てるチームを育てるためのアプローチ──定例の運用、アンケートの活用、文化を継続させる工夫──を共有します。
テクニックではなく、マネージャーとして「どう関わるか」に焦点を当てたリアルな実践知をお届けします。
●アウトライン(発表の流れ)
① 文化の異なる組織がひとつになる──混沌のスタートライン
異なる価値観・ルールを持つメンバーが合流し、開発の足並みが揃わない混沌を前に「秩序づくり」が必要だと判断した状況。
② “型”が生む秩序──スクラム導入で整う共通リズム
共通言語と対話の機会を作るために“型”としてスクラムを導入し、異文化の融合とコミュニケーション活性を実現した判断。
③ 自律を生む目標設定──組織課題を個の挑戦に翻訳する
組織課題を分解し、メンバー個人の目標に紐づけることで、各自が主体的に課題解決へ動き始める仕組みを整えたプロセス。
④ 定点観測で状態をつかむ──アンケートと対話の循環
アンケートで心理状態と課題を可視化し、EM主導の対話を通じて改善サイクルを回し続け、文化が更新される状態をつくった継続運用。
⑤ 文化をつなぐオンボーディング──回り続ける組織へのアップデート
価値観・型・改善のリズムをオンボーディングとして仕組化し、新メンバーが文化の担い手となる“続く組織”を実現した最終段階。
梶川 琢馬 私たちは、プロダクト開発をより一貫した形で進めたいという課題から「全員がプロダクトエンジニアとして動ける状態をつくる」という方針を掲げました。
技術領域ではなく、価値に向き合う単位で動けるチームを目指した形です。
ただし、役割をそろえるだけではチームは変わりません。
肩書きや担当範囲を動かしても、日々の流れや連携の仕組みがそのままなら行動はほとんど変化しません。
私たちは、人ではなく構造を変える必要があると判断しました。
コードの設計を見直すように、チームの境界や依存関係を整理し、情報の流れを整えました。
意思決定の範囲を明確にし、プロダクト単位で完結できる形へ移行しています。
フロントエンドとバックエンドの分断をなくし、企画と開発が同じループで動ける土台も用意しました。
小さな改善を続けられる構造へ組み替えた形です。
取り組みを進める中で、マネジメントの役割も変わりました。
「どう動かすか」を決めるのではなく、「どういう構造なら自然に動けるか」を設計する側へと比重が移っていきました。
このセッションでは、全員プロダクトエンジニア化を支えた構造設計の実践と、そこから得た視点を共有します。
対象:
得られること:
a1yama マトリクス組織では、サーバーサイドのEMとして横断的な技術課題や基盤整備を担っていても、メンバーは日々の事業部プロジェクトを中心に動いています。
1on1を通して事業部側の状況は把握できているし、メンバーとの関係も良好で、みんな前向きに仕事をしている。
それでも、サーバーサイドとして取り組みたい改善や、横断的に解くべき技術課題が思うように進まない──そんな状況が静かに積み重なっていく。
事業部の優先度も正しいし、現場のプロジェクトが重たいのも理解している。
ただ同時に、サーバーサイドとして未来を守るために取り組むべき課題は明確に存在している。
両方の“正しさ”の間で、どのように改善を進めていけば良いのか。そこにマトリクスならではの難しさがある。
このトークでは、
マトリクス組織では、縦の動き(事業部)と横の動き(サーバーサイド)が必ず揺れます。
その“揺れ”をどのように扱い、改善を継続できる体制をどう設計するか。
その考え方と実践を共有します。
Genki Sano 私たちの開発組織では、目的別チーム構造のもとでEM(エンジニアリングマネージャー)を独自ロールとして運用していました。
EMは複数チームを束ねる立場として、もともと組織変更や配置計画にも深く関与していましたが、会社制度上の正式な「マネージャー」ではなかったため、評価や人事決定といった権限を十分に持てませんでした。
そのため、EMが責任を果たすには、制度上のマネージャーを兼任する必要があり、兼任による追加業務が負荷となって EMを増やしにくい構造 になっていました。
この問題を解消するために導入したのが、 職能別マトリクス組織 です。
職能軸を明確に持たせることで、EMを会社制度上のマネージャー枠組みに接続し、形式的な兼任を不要にしました。
現在は、四半期ほど運用を経て、 新たにEMを追加任命しやすい体制 が動き始めています。
本セッションでは、
を具体的に共有します。
EMが現場と制度のあいだで、どのように動けば組織を前に進められるのか、今も模索を続けている実践をお話しします。
Genki Sano 「EMって何してるのか、よく分からない」
そんな声をきっかけに、私たちは “EM同士の雑談を垂れ流す社内ラジオ” を始めてみました。
隔週の社内勉強会のあとに15分だけ実施。スケジュールを先に決めて締切駆動にして、事前準備はトークテーマを考えるだけ。録画や集客は既存の勉強会の仕組みに乗せる。など、 運用負荷を極力増やさない設計 にしました。
アンケートや特別な編集もせず、 「続けることを最優先」 に継続しています。
まだ始めて3ヶ月ほどで、明確な効果は見えていません。
それでも、EMが何を考えているのか、どう意思決定しているのかを少しでも伝えられる手段として、価値を感じ始めています。
このセッションでは、 “透明性を仕組みではなく、日々の発信の積み重ねで育てる” という視点のもと、社内ラジオを通じて見えてきた運営の工夫・違和感・気づきを率直に共有します。
「成果が出る前の試行錯誤」を通じて、 EMの透明性をどう増幅していけるか を皆さんと考えたいです。
とりい いわゆるパラシュート人事のような形で既存組織にジョインしたEMが直面する代表的な課題として「コードベースの理解不足」「事業ドメイン理解不足」「既存メンバーとの信頼関係不足」が挙げられます。
私はEM候補として中途入社した自社Webプロダクト開発企業で、上記課題を解消する一環として社内問い合わせ窓口対応を継続してきました。
問い合わせ調査と対応を重ねる中で個人レベルでの上記課題の解消だけでなく、開発組織やプロダクトレベルへEMとしての貢献領域を広げられることが実感としてわかってきました。
これまで累計数百件の問い合わせに対応してきた約2年間の経験から、本セッションでは以下気づきを共有することで、参加者の学びや行動のきっかけにつなげられたらと考えています。
めもり〜 メンバーとコミュニケーションをするたびに「バランスが大事」「上が言っているから」と曖昧なことを言っていませんか。
また,相手の発言を "自分の感覚や感情で" 否定したりしていませんか。
「言語化」は開発組織で合理的な意思決定をする上で最も重要です。私たちは普段,ロジックを積み上げてプロダクトを作っています。
しかし,マネージャーというロールを担った途端にロジックがうまく形成できないといった悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
マネージャーを長期間担っている方でも,曖昧な表現であったり,それこそ感情的なコミュニケーションの取り方になってしまっている方も見受けられます。
マネジメントは色が出やすいロールでもありますが,一貫して言えるのは,マネジメントの役割はスループットの最大化だと私は考えています。
スループットを最大化するためには,会社・事業の仕組みを理解し,言語化してメンバーに伝えていく必要があります。
本セッションでは,開発組織において合理的な意思決定をするための考え方から言語化まで解説します。
HonMarkHunt 一言でEMといっても、そのあり方や求められることは組織によって大きく異なります。
私は2025年1月からSREチームのEMを務めています。
SREチームは直接的なプロダクト開発から距離があり、チーム内に中長期の開発方針を決めるPdM(プロダクトマネージャー)が存在しません。
PdMがいないチームでは、「何を優先すべきか」「自分たちは何のために存在しているのか」を自分たちで定義する必要があります。
こうしたチームはSREに限らず、QA・データ基盤・Platform Engineering・セキュリティ・MLなど、プロダクトを支える領域に広く存在します。
私たちのチームもまさにその状況でした。日々の改善や運用タスクをこなしながら、「意味がないわけではないが、事業にどう貢献できているのか実感できない」という課題を抱えていました。
こうしたチームでは、EM自身が“プロダクトマネジメント的な役割”を担う必要があると気づきました。
チームのMissionを再定義し、業務をカテゴリごとに整理し、バックログを事業価値の視点で見直す、などの試行錯誤を通じて、少しずつ「自分たちの仕事の意味」をチーム全員で再定義していきました。
本セッションでは、PdM不在のチームのEMが事業価値と向き合うために行った具体的な工夫と、その中での失敗・気づきをお話しさせていただきます。
ShinoP/しのぴー スクラムマスター(SM)/アジャイルコーチ(AC)からエンジニアリングマネージャー(EM)へのキャリアパスは、まだ少数派だと感じます。
本セッションでは、登壇者がSM/ACからEMへとキャリアを移行した実体験をお話しします。
企業の急成長期において、SMとして一つのチームにコミットするだけでは事業全体に大きな影響を与えられないと感じ、より大きな影響力を持って事業に貢献するためEMになることを決意しました。
EMとしての1年間の経験を通じて、EMには「確固たる定義がない」という現実でした。SM時代に培ったサーバントリーダーシップが、必ずしもEMとして全ての状況で最適解とは限らないこと 、そしてチームの状況に応じて事業価値や顧客価値に貢献するために不足している部分を補う「何でもやる」姿勢の必要性を痛感しました。
本セッションでは、従来のプロセス改善といった得意分野が活かせない状況下で、事業価値や顧客価値に貢献するための別の「武器」を持つ必要性を感じた経緯や、チームの状況に応じて自らが適応し、足りない部分を補う「チームにとって必要なこと、事業にとって必要なことは何でもやる」という、より広範囲な「何でもやる」姿勢こそが、真のエンジニアリングマネージャーに求められる立ち振る舞いであると結論付けます。
対象の聴衆
その人たちが得られるもの
げん 「EMポジションでの転職が初めて」— 私が身構えていたのは、「お手並み拝見」という見えない壁でした。
しかし、その不安は杞憂に終わります。
なぜか? 分析して見えたのは、単なる運ではなく、新任の私と「受け入れ側」の行動が噛み合った「協奏」でした。
私(新任EM)が意識したことは 「リスペクト」と「アクセル調整」です。
まず、転職者が陥りがちな「前の職場との違いを、今の職場の課題としてしまう」ことを避けるため、徹底的に「過去の意思決定へのリスペクト」に注力し、信頼の土台を築きました。
同時に、自身の理想とのGAPに対しては「踏みすぎか?もっと踏むべきか?」と、自らアクセルの踏み具合をチューニング。周囲にフィードバックを求め、最適な速度を探り続けました。
受入れ側が意識していた(であろう)ことは絶妙な「期待値調整」と「戦略的チャレンジマネジメント」です。
「期待はしているが焦らなくて良い」と伝えつつ、"期待していない"と誤解される難易度の低すぎるタスクも、"パニックになる"緊急度の高すぎるタスクも避ける。
私を信頼し、「重要だが緊急ではない」絶妙なアサインメントを任せることで、早期に「アウトプット」を出す機会を創出してくれました。
本セッションは、この体験を再現性ある仕組みとして棚卸ししたものです。「自分が受け入れる側になった時に活かしたい」、このオンボーディングの協奏モデルを20分に凝縮してお話しします。
shunsuke 複数ドメインの並行開発が進む中で、チームの認識齟齬とリリース効率の低下に直面しました。 EMとして、私は「Project / People / Technical」を横断しながら、チームの理解と実装をつなぐ構造の再設計に取り組みました。
当時のチームは、各人が別タスクを進める“リソース効率”型の進め方に陥り、さらに新規ドメインのキャッチアップとリリースが並走していました。 認識ズレや手戻りが増え、チーム全体の学習速度とアジリティが低下していました。 この混乱を抑えるため、PdM・QA・実装担当・レビュアー全員で行うタスク分解セッションを導入。 FigJam上で受け入れ条件・要件・実装方針・テスト観点を整理し、1つのPBIを全員で分解して理解を揃えました。
当初は不確実性を最速で減らすための対応でしたが、振り返るとこれは、チームが課題を認識し、理解し、判断できる構造をつくる試行でもありました。
PdMは実装難易度を肌感で掴み、エンジニアはWHYを踏まえた実装を行い、QAは仕様不足に気づけるようになりました。 短期的にはスプリントが安定し、レビューや再実装に伴う手戻りが減少しました。
一方で知識や判断軸の非対称性は依然として残り、「どこまで同期し、どこから任せるのか」という構造設計の境界に今も模索が続いています。
本セッションでは、リソース効率の罠を超え、チーム状態に合わせてフロー効率と学習構造を再設計する実践を紹介します。
以下のブログに記載した実践の振り返りを踏まえ、そこからさらに見えてきた課題と仮説を共有します。
https://tech.up-sider.com/entry/20251003_card-division
対象:
得られること:
向田英雄 ▼概要
2025年3月、私は上場スタートアップ株式会社Rebaseに初の外部ディレクターとして参画しました。前任者は共同創業者で元CTO。技術力が高く組織から信頼される10歳年下のリーダーです。30名で上場を成し遂げ、入社時には45名に成長した組織。この継承に臨むにあたり、私は3つのミッションを定義しました。
・創業取締役元CTOからのスムーズな引き継ぎを実現すること
・外部ディレクター初事例として会社に成功体験をもたらすこと
・自部門だけでなく全社視点で価値を創造すること
エンジニア出身でEM・VPoE、事業責任者、プロダクトマネジメントなど約20年のキャリアを持っていますが、外部参画の壁は高かったです。
第1階層:組織の歴史を最大限尊重する(最初の3ヶ月)
最初の3ヶ月は変革を起こさないと決め、社員の80%と1on1を実施。前任者との週次1on1も提案し、「まず理解する」ことで課題の質を高めることを重視しました。
第2階層:見えない課題を発見し先手を打つ(4〜6ヶ月)
事業責任者経験を活かし、事業計画から未来の課題を予測。PMやCXチームとの連携を少しずつ深め、水面下で自部門メンバーのキャリアなどもヒアリング。未来の体制変更に向け準備を進めました。
第3階層:信頼を基盤に変革を実行する(7〜12ヶ月)
下期開始時には、エンジニアリング部門12名の大幅な体制変更を実施。幸いにもメンバーからの大きな抵抗はなく、「なぜこの変更が必要か」を理解してもらえたように感じます。
このトークでは、外部参画の最初の1年で私が直面した課題、試行錯誤、失敗と小さな前進を率直にお話しします。
▼対象の聴衆
・外部から参画したが組織に溶け込めず苦戦しているエンジニアリングマネージャー
・組織変更や体制変更に抵抗を感じ、実行できずにいるリーダー
・上場後の成長ステージで組織課題に直面しているリーダー
▼その人たちが得られるもの
・「ヒトに興味を持つ」ことから始まる信頼構築の実践手法 - 社員の80%と1on1を実施した具体的アプローチと傾聴
・外部参画者が最初の1年で成果を出すための取り組み - 信頼ゼロから体制変更実施までの具体的ロードマップ
・エンジニア×事業責任者×PMの3視点を統合した連携術 - 技術・事業・プロダクトを繋ぐ具体的な取り組み
本セッションでは、生成AI機能を開発するチームとタブレットアプリを開発するチームで直面した課題について、我々が試行錯誤したアプローチや学びについて紹介します。
生成AIを活用した新機能開発プロジェクトが発足し、社内でメンバーを集めて生成AIチームを立ち上げました。
チームとして活動を進める中で、いくつか課題がありました:
社内に生成AIを専門とするエンジニアが不在で、一からキャッチアップする必要があった
最初はkintoneをデータソースとしたRAGの機能を提供するために、自分が主導してPoCを作ったり設計をしてチームに展開しました。
それと並行してLLMに関する知識のキャッチアップをチーム皆で進めつつ、機能開発を進めていきました。
属人化していて、自分含む特定のメンバーが抜けると業務が回らなくなるリスクがあった
OJT方式で併走することで、後任を育成するところを進めました。
こうしたことで移譲が上手くいったのもあり、組織化して堅牢な体制を作ることができました。
kintoneと連携できるタブレットアプリ開発のプロジェクトが発足しました。
モバイルチームの課題として、
開発速度が遅い→Webチームの方が価値提供が早い→機能開発の経験が積めない→開発速度が遅い...の負のスパイラルに陥っていて、周囲からも信頼が得られていない状況が続いていました。
チームとしても、利用できるAPIが整備されていないことや、UI/UXデザイナーが不在なことが要因で遅くなっていると他責なマインドになっていました。
開発速度が遅くなっている要因を特定するため、メンバーへのヒアリングや実際の開発現場の観察を通じて情報収集を行いました。
その結果、メンバー間のスキル差とAPI整備の不足という2つの課題が浮かび上がったため、まずはこれらの改善に着手しました。
特にモバイル開発において、APIが十分に整備されていないという問題がありました。そこで、共通インターフェースの設計方針やチーム内のコミュニケーション方法を決定し、開発環境を整えていきました。
こうした施策を実施した結果、徐々にメンバーの意識が他責から自責へと変わっていく変化が見られました。
井田 献一朗 ■ 概要
本セッションでは、「会議名」や「アンケートの問い方」の改善事例を通して、言葉がもたらす変化と、言葉をデザインするという考え方を紹介します。
言葉ひとつで、人の感じ方や行動は大きく変わります。
上司から来る「ご相談」というスケジュール、Slackでの「ちょっといいですか?」──その一言を見ただけで、なんとなく身構えてしまうことはありませんか?
この“言葉がつくる空気”は、個人のやり取りだけでなく、組織の中にもあります。会議やイベントの名前、アンケートの質問文など、そこで使われる言葉が、場の雰囲気や関係性を無意識のうちに形づくっています。
そうした組織の中の言葉を見直す中で、「全体定例」や「休憩時間」の名前を変えたらどうなるのかを試してみました。たったそれだけのことでも、形式的な報告の場だった定例が、対話が生まれる場へと少しずつ変わっていったのです。
プログラミングで変数名にこだわるのと同じように、会議体という“プログラム”の名前や設計を見直すことで、チーム文化や心理的安全性は大きく変わります。
これらの事例を通じて、“言葉をデザインする”という考え方をどのように組織づくりへ応用できるのか。ポジティブな要素を増やし、前向きな対話を生むための小さな工夫とヒントを紹介します。
■ アウトライン
・言葉がつくる印象と空気──「ご相談」が与える心理的影響
・全体定例の名前を変えた理由
・アンケートの問い方を変える
・言葉をデザインするという考え方
・言葉を変えると文化が変わる
■ このトークから得られる学び
・言葉の選び方が人の心理や行動に与える影響を理解できる
・質問やアンケートの設計によって、チームの心理的安全性を高める方法を学べる
・言葉をデザインすることが、組織づくりの重要な手段であると気づける
■ ターゲット
・チーム運営や組織文化づくりに関心のあるエンジニア、マネージャー
・勉強会・定例会・社内イベントを企画・運営している方
・言葉やコミュニケーションの力でチームをより良くしたいと考える方
■ 予備知識
・特別な前提知識は不要
・チームビルディングなどの経験があると理解が深まる
・自分のチームや会議の「名前」「伝え方」「聞き方」を見直してみたい方におすすめ
スミ ◻︎概要
コーチングは、答えを与えるものではなく、その人の中にある“願い”や“感情”を探究し、言語化していく時間です。
AIが多くの問いに即座に答えを出せるようになった今も、「自分は何を望み、なぜそう感じるのか」という内面の理解は、自分で設計するしかありません。
人が自律的に行動するためには、外からの指示ではなく、自分の内側から湧き上がる動機(内発的動機づけ)が不可欠です。
コーチングは、その内発的な動機を明らかにし、感情・思考・行動をつなぐ構造を整理する対話の手法です。
本セッションでは、ライフコーチングの観点から、日常のモヤモヤやイライラといった感情をデータとして扱い、自分の行動を再設計するプロセスを紹介します。
コーチングを特別なスキルではなく、“思考と感情の関係性を構造的に理解し、内発的に行動するための設計アプローチ”として捉え直すきっかけになれば嬉しいです。
◻︎Outline / Structure of the Talk(予定)
◻︎Prerequisites for Attendees
・ 自分やチームの感情・思考・行動の関係を振り返る意欲がある方
・ コーチングや内省の経験がなくても問題ありません
◻︎Learning Outcome(対象の聴衆 / 得られるもの)
対象の聴衆:
・ エンジニアリングマネージャー、リーダー、PdMなど、チームの自律的成長を支援する立場の方
・ 「内発的動機づけ」や「自律的行動」に関心があり、実践へのヒントを探している方
・ コーチングを、日常の対話や思考整理の手法として取り入れたい方
得られるもの:
・ 感情・思考・行動の関係を振り返り、内側にある動機を見つめ直すきっかけ
・ 無意識の構造(願い→感情→思考→行動)への理解を深める視点
・ コーチングを“内省を支える設計的な対話”として捉えるためのヒント
・ モヤモヤや違和感を、成長や変化のサインとして扱う小さな気づき
瀬尾 敦生 私は某企業でエンジニアをしてる傍ら、副業として弓削商船高専で教員を務めています。
今年度は学生たちと全国高専プログラミングコンテスト(プロコン)に挑戦しました。
プロコンは半年という短い期間で、アイデア発想から実装、ユーザテストまでを進めるプロジェクトです。
参加した学生は合計12名。経験も知識もまちまちで、評価制度・意思決定フローも未整備。
教員として学生エンジニアと関わる中で意識したのは、「どうすれば学生が最後までやりきれるか」という点でした。
プロジェクト初期は、開発スケジュール策定・実行を学生に任せました。
その上で、私は全体方針を示し、進め方や優先度を一緒に整理しながら進行を支援しました。
報告の場では成果だけでなく、進まない理由や迷いも共有してもらうようにし、失敗を責めずに次の行動へつなげる会話を心がけました。
プロジェクト中盤 ~ 終盤の開発現場では不具合で進まない開発の不満・ストレスを報告する子、何も話さない子など多様なパターンの学生がいました。
進捗が滞るときはあえて時間を置いたり、短時間の面談で方向を整理したりと、学生が自分の意思で動けるような関わり方を試しました。
結果として、学生たちは期限ぎりぎりまで試行錯誤を重ね、最終発表を自信を持ってやり遂げました。
この経験から、「マネジメントとは指示を出すことだけでなく、チームが自分たちで動ける環境を整えること」だと実感しました。
このセッションでは、教育現場・コンテスト・半年で開発~評価までやり切る必要ありという特殊な条件下で行ったチーム運営を題材に、メンバーにやりきってもらうための環境設計・動機づけの方法について紹介します。
学校教育に限らず、インターンや若手育成など“教えながら進める”場面に役立つ考え方を共有します。
■ Target Audience
■ Learning Outcome
さく 入社までは空白だった事業のエンジニア1号として入社し3年経過した時点でありがたいことにチームとしてメンバーを増員とともにEMというポジションを頂き1年経過しました。
その中であった苦労した点や今振り返るとみたいな話をしようと考えています。
例えば
マネージャとしての能力は才能でしょうか?
人的リソース管理、技術管理、スケジュール管理などさまざまな管理を一手に引き受けるEMというロールですが、
マネジメントとして人を動かして何かを為すということが本質であると考えています。
これを実践している人を見たときに才能や性格が向いていると思ったことはないでしょうか?
私もキャリアの上でいくつかのロールを経験した背景があるので、
仕事をしていて「GNSNさんの性格だからできてると思います」と言われたことが何度かあります。
私自身1年前までは自分の言動や、意識していることを把握したことはなかったですが、
EMがEMとしてのロールを体現してもらえるように他のEMに自分のノウハウを提供しなければいけないと感じ言語化をすることにしました。
その中でやはりマネジメント能力は才能ではなく、努力や経験で向上させられる技術であると改めて感じました。
ノウハウをただ伝えるだけでは実践に至ることができない方もいらっしゃると思いましたので、
それを実際に実践してもらうために行ったこと、それぞれの理解に繋げるための機会づくりについて
EMとしての生き方、失敗と学びを交えてお話ししたいと思います
EMを作っていきたいと思われる組織構築をミッションとしている方
組織を拡大していくスタートアップの方
マネジメントに挑戦される方
EMというロールに興味がある方
人を動かすために必要になるマインドや要素について
急激にチームが増加するときに気をつけることについて
マネジメント能力の教育方法について
■概要:
Webエンジニアとして開発経験はあるものの、HRTech SaaSであるカオナビやメルカリの会計システムのPdMとして7年以上PdMをやって、
昨今の開発現場からは遠ざかっていましたが、EMとして軸足をスイッチしたことでPdMとの違いや被っている点、
PdMを経験したEMだからこそチーム改善、エンジニアのエンゲージメント改善で意識した点などを中心に話をしたいと思います。
あくまで当社、当チームの例ではありますが、PdM視点のEM事例を共有出来れば幸いです。
・PdMの役割
・EMの役割
・チームの最初の状況
・Wevoxの数値
・改善の導入
・チームはその後どうなったか?
・Wevoxの数値
・改善はつづく
・更なる改善の着手
■Learning Outcome:
キャリアに悩んでいる人にPdMの次のキャリアとしてEMというキャリアを提示。
ピープルマネジメント、エンジニアのエンゲージメント、仕事へのアトラクトを高めることに課題を感じている人に事例を共有。