大事なことはプロコンが教えてくれた ─ 学生チームに半年でアイデア発想から実装、ユーザテストまでやりきってもらうために実践したマネジメント by 瀬尾 敦生

Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

大事なことはプロコンが教えてくれた ─ 学生チームに半年でアイデア発想から実装、ユーザテストまでやりきってもらうために実践したマネジメント

atsuki_seo 瀬尾 敦生 atsuki_seo

私は某企業でエンジニアをしてる傍ら、副業として弓削商船高専で教員を務めています。
今年度は学生たちと全国高専プログラミングコンテスト(プロコン)に挑戦しました。

プロコンは半年という短い期間で、アイデア発想から実装、ユーザテストまでを進めるプロジェクトです。

参加した学生は合計12名。経験も知識もまちまちで、評価制度・意思決定フローも未整備。
教員として学生エンジニアと関わる中で意識したのは、「どうすれば学生が最後までやりきれるか」という点でした。

プロジェクト初期は、開発スケジュール策定・実行を学生に任せました。
その上で、私は全体方針を示し、進め方や優先度を一緒に整理しながら進行を支援しました。
報告の場では成果だけでなく、進まない理由や迷いも共有してもらうようにし、失敗を責めずに次の行動へつなげる会話を心がけました。

プロジェクト中盤 ~ 終盤の開発現場では不具合で進まない開発の不満・ストレスを報告する子、何も話さない子など多様なパターンの学生がいました。
進捗が滞るときはあえて時間を置いたり、短時間の面談で方向を整理したりと、学生が自分の意思で動けるような関わり方を試しました。
結果として、学生たちは期限ぎりぎりまで試行錯誤を重ね、最終発表を自信を持ってやり遂げました。

この経験から、「マネジメントとは指示を出すことだけでなく、チームが自分たちで動ける環境を整えること」だと実感しました。

このセッションでは、教育現場・コンテスト・半年で開発~評価までやり切る必要ありという特殊な条件下で行ったチーム運営を題材に、メンバーにやりきってもらうための環境設計・動機づけの方法について紹介します。
学校教育に限らず、インターンや若手育成など“教えながら進める”場面に役立つ考え方を共有します。

■ Target Audience

  • 若手エンジニアの育成やインターン指導を担当しているエンジニアリングマネージャー・リーダー
  • チームメンバーの自走を促したいマネージャー
  • 学生向けエンジニアリング教育・育成の現場に興味のある方

■ Learning Outcome

  • マネージャー1年目の悩み、苦悩のリアル
  • 学生や若手メンバーの動機づけを支える観察とコミュニケーションの実践例
  • 教育現場から学べる、チームの“自走”を引き出す方法