毛利修人 ◼︎概要
AIは開発を劇的に効率化し、エンジニアを解放すると期待されました。
しかし、開発現場の現実はどうでしょう?
AIがもたらす「超高速な開発」という要求は、既存の開発手法やマネジメント構造と衝突し、大きな混乱を生みました。単純作業が減った代わりに、人間には大量の意思決定や認知負荷の増大といった「AI疲れ」が蔓延しています。 開発を楽にするはずが、なぜ私たちはこれほど疲弊しているのでしょうか。
本セッションは、この「AI疲れ」の発生源を理解し、 AIとの適切なチーミングを模索した私たちのリアルな失敗と葛藤を共有する物語です。
私たちは、AIが期待された成果を生まず組織が疲弊した過程を詳細に分析し、その経験から一つの結論に辿り着きました。それは、組織の成長フェーズに合わせてAIへの権限委譲レベルをカスタムすることです。
セッションでは、初期の混乱期から成熟期に至るまでのフェーズごとの具体的な戦術を事例とともにお伝えします。AIに振り回されずにその真価を引き出し、自律的に成長できる開発組織を築くための実践的な戦略を提供します。
◼︎Learning Outcome
・ AI疲れを乗り越えた先に、組織にどのような戦略的変化が必要だったかを理解できる
・ 組織の成長フェーズに応じたマネジメントポリシー設計指針と権限委譲レベルを戦略的に策定できる
・ AIを単なるツールとしてではなく、チームの一員として位置づけるための基本的な心構えと原則を理解できる
◼︎Target Audience
・ AI疲れしている方
・ 開発手法に振り回されてしまっている悩みのある方
・ エンジニアリングマネージャーやスクラムマスターをされている方
概要
EM就任から半年、正社員ゼロ・業務委託のみのチームで、私は多くの「教科書通りにいかない」課題に直面しました。
例えば:
・1on1の頻度や深さをどう設計するか
・評価制度やキャリアパスが使えない中でのモチベーション管理
・「チーム」としてのエンゲージメントをどう作るか
・限られた稼働時間の中での信頼関係構築
正社員前提のマネジメント手法が通用せず、失敗も多くありましたが、半年間の試行錯誤を通じて、いくつかの手応えと学びを得ました。
本トークでは、以下のような実践と学びを共有します。
・業務委託メンバーとの関係構築で意識したこと
・契約の枠内でできるコミュニケーション設計
・うまくいった施策、うまくいかなかった施策
・この経験から学んだ「雇用形態を超えるマネジメント」の考え方
完成された成功事例ではなく、現在進行形の試行錯誤を共有することで、同じような状況にいる方や、これからEMになる方の参考になれば幸いです。
Learning Outcome
【対象聴衆】
・業務委託やフリーランスを含むチームをマネジメントする方
・リモート/分散型チームのマネージャー
・これからEMになる方、EM1-2年目の方
【得られるもの】
・業務委託チームのマネジメントで直面する課題と対処の実例
・限られた関係性の中でのコミュニケーション設計のヒント
・試行錯誤から見えてきた「雇用形態を超える」マネジメントの考え方
・「完璧じゃなくても、できることから始める」EM実践例
AI が設計や提案まで担う時代に、エンジニアに求められる力は「正確さ」ではなく「曖昧さの中で意味を構築する力」へと変化しています。
私は当初、スキルマップを拡張し育成を試みましたが、知識を積み上げても成長が止まる瞬間を何度も見ました。
丁寧に説明しても理解されない、文脈が抜けて誤った行動になる──そんな経験から、育成は“スキルの付与”ではなく“思考の構造そのもの”を扱うべきだと気づきました。
試行錯誤の末に辿り着いたのが「理解」「模倣」「認知耐性」の3軸モデルです。
これは性格やスキルではなく、人がどのように理解し、再現し、曖昧さに耐えながら考えるかという“認知の使い方”を捉えるフレームです。
特に一見エンジニアリングと無関係に見える「認知耐性」が、AI時代における判断力と創造性の核にあると分かりました。
本セッションでは、育成がうまくいかなかった理由、3軸の発見、チームで行った分類・観察・トレーニングの実践を共有し、AI時代に必要な「考える力」をどう育てるかを解説します。
・スキルでは説明できない「思考の違い」を3軸で捉える視点が得られる
・3軸モデルを用いた育成・支援・対話デザインのヒントを持ち帰れる
・AI時代に必要な「曖昧さを扱う力」「意味を構築する力」の育て方を理解できる
・育成やコミュニケーションの難しさを感じているエンジニアリングマネージャー/リーダー
・スキル中心の育成に限界を感じている方
・AIと共に“学習する組織”をつくりたいリーダー
相馬 恭平 業務委託メンバーとの協業において、こんな不安や課題を感じていませんか?
「会社間の文化・責任者の違いで、コミュニケーションが分断されがち…」
「契約形態による制約で、詳細な指示や関与が難しく、チーム連携や情報共有に支障が出がち…」
本セッションでは、楽天カードにおける実体験に基づき、業務委託メンバーを巻き込んだスクラムで直面する具体的な課題を深掘りします。そして、それらを乗り越え、一体感のあるスクラムチームを築く実践的なアプローチをご紹介します。
楽天カードでは以下の具体的なチームビルディング施策を実施しました。
「なりたいチーム」のビジョン共有:
全員でディスカッションを行い、「どんなチームになりたいか」という共通の目標意識を醸成。
価値観の相互理解促進:
バリューズカードを用いたワークショップを通じて、お互いの仕事観や大切にしている価値観を深く理解し、心理的安全性を高める。
チームの個性と一体感の醸成:
チーム名を自分たちで決定することで、チームへの帰属意識と一体感を醸成。
偶発的なコミュニケーションの創出:
毎日座席をくじ引きで決定する「シャッフル座席」を導入し、ランダムなメンバーとの交流機会を意図的に創出。
非公式な交流の場の提供:
定期的なチームでのランチや飲み会により、仕事以外の親睦を深め、信頼関係を構築。
これらの多角的な取り組みの結果、チームには以下のようなポジティブな変化が生まれました。
「対等な関係」の構築: 契約形態や所属会社の違いを超え、チームの目標達成に向けた対等な関係が築けました。
スクラムの新たな可能性の発見: スクラムが持つ「自律的な開発」を促す特性は、むしろ業務委託メンバーを含む多様なチーム構成において、その真価を発揮しやすいという新たな気づきを得ました。
本セッションでご紹介するような「偽装請負リスクへの適切な向き合い方」という前提知識と、「意図的なチームビルディング」を組み合わせることで、それらの壁を乗り越え一体感のある、自律的なスクラムチームを築くことができます。
Learning Outcome
対象聴衆
チームビルディングや組織文化の醸成に携わる方
スクラム導入を検討している方
得られるもの
契約形態の壁を越えた一体感のあるチーム構築方法
レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)を実施する上で、スクラムからよりソフトウェア開発に特化したXPに開発手法を変更、定着しつつあった矢先に、AIの進化が急加速して瞬く間に普及しました。
業界的にもAI活用が急務になっており、自社でも生産性の向上のため、XPとAIの共存ではなく共創が必要になりました。
※ スクラムからXPへの移行背景
2024年初めに、レガシー改善(クラウド移行、リアーキテクチャ)をメインで動く組織を編成。
システム改善は事業的な不確実性が少ないため、スクラムよりソフトウェア開発に特化したXPに移行した。
本セッションでは、XPを実施している開発チームにどうやってAIを普及・定着させ、目標として掲げている開発生産性2.5倍の実現に向けて動いたかをみなさんに共有します。
XPの有名なプラクティスであるペアプロやTDDにおいて、AIの恩恵を受けやすい部分と受けにくい部分に対して、それぞれにどう向き合って、どう改善していったか、
やめる or 続けるの意思決定をしていったのか、を赤裸々に紹介していきます。
異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まるチームを、どうすれば一つの方向に進ませられるのか。
本セッションでは、“仕組みづくり”と“対話の設計”によって、チームが自走し始めるまでのプロセスを、EMとしての意思決定を軸に紹介します。
最初の一歩は、「まずは型を守る」こと。一定のリズムでミーティングを重ね、チームの状態を定点観測しました。
その結果、課題が可視化され、メンバー自身が改善を提案するように変化します。
やがて“ルールを守る”段階から、“自分たちで仕組みを育てる”段階へと進化。
このセッションでは、成長実感を持てるチームを育てるためのアプローチ──定例の運用、アンケートの活用、文化を継続させる工夫──を共有します。
テクニックではなく、マネージャーとして「どう関わるか」に焦点を当てたリアルな実践知をお届けします。
●アウトライン(発表の流れ)
① 文化の異なる組織がひとつになる──混沌のスタートライン
異なる価値観・ルールを持つメンバーが合流し、開発の足並みが揃わない混沌を前に「秩序づくり」が必要だと判断した状況。
② “型”が生む秩序──スクラム導入で整う共通リズム
共通言語と対話の機会を作るために“型”としてスクラムを導入し、異文化の融合とコミュニケーション活性を実現した判断。
③ 自律を生む目標設定──組織課題を個の挑戦に翻訳する
組織課題を分解し、メンバー個人の目標に紐づけることで、各自が主体的に課題解決へ動き始める仕組みを整えたプロセス。
④ 定点観測で状態をつかむ──アンケートと対話の循環
アンケートで心理状態と課題を可視化し、EM主導の対話を通じて改善サイクルを回し続け、文化が更新される状態をつくった継続運用。
⑤ 文化をつなぐオンボーディング──回り続ける組織へのアップデート
価値観・型・改善のリズムをオンボーディングとして仕組化し、新メンバーが文化の担い手となる“続く組織”を実現した最終段階。
梶川 琢馬 私たちは、プロダクト開発をより一貫した形で進めたいという課題から「全員がプロダクトエンジニアとして動ける状態をつくる」という方針を掲げました。
技術領域ではなく、価値に向き合う単位で動けるチームを目指した形です。
ただし、役割をそろえるだけではチームは変わりません。
肩書きや担当範囲を動かしても、日々の流れや連携の仕組みがそのままなら行動はほとんど変化しません。
私たちは、人ではなく構造を変える必要があると判断しました。
コードの設計を見直すように、チームの境界や依存関係を整理し、情報の流れを整えました。
意思決定の範囲を明確にし、プロダクト単位で完結できる形へ移行しています。
フロントエンドとバックエンドの分断をなくし、企画と開発が同じループで動ける土台も用意しました。
小さな改善を続けられる構造へ組み替えた形です。
取り組みを進める中で、マネジメントの役割も変わりました。
「どう動かすか」を決めるのではなく、「どういう構造なら自然に動けるか」を設計する側へと比重が移っていきました。
このセッションでは、全員プロダクトエンジニア化を支えた構造設計の実践と、そこから得た視点を共有します。
対象:
得られること:
a1yama マトリクス組織では、サーバーサイドのEMとして横断的な技術課題や基盤整備を担っていても、メンバーは日々の事業部プロジェクトを中心に動いています。
1on1を通して事業部側の状況は把握できているし、メンバーとの関係も良好で、みんな前向きに仕事をしている。
それでも、サーバーサイドとして取り組みたい改善や、横断的に解くべき技術課題が思うように進まない──そんな状況が静かに積み重なっていく。
事業部の優先度も正しいし、現場のプロジェクトが重たいのも理解している。
ただ同時に、サーバーサイドとして未来を守るために取り組むべき課題は明確に存在している。
両方の“正しさ”の間で、どのように改善を進めていけば良いのか。そこにマトリクスならではの難しさがある。
このトークでは、
マトリクス組織では、縦の動き(事業部)と横の動き(サーバーサイド)が必ず揺れます。
その“揺れ”をどのように扱い、改善を継続できる体制をどう設計するか。
その考え方と実践を共有します。
Genki Sano 私たちの開発組織では、目的別チーム構造のもとでEM(エンジニアリングマネージャー)を独自ロールとして運用していました。
EMは複数チームを束ねる立場として、もともと組織変更や配置計画にも深く関与していましたが、会社制度上の正式な「マネージャー」ではなかったため、評価や人事決定といった権限を十分に持てませんでした。
そのため、EMが責任を果たすには、制度上のマネージャーを兼任する必要があり、兼任による追加業務が負荷となって EMを増やしにくい構造 になっていました。
この問題を解消するために導入したのが、 職能別マトリクス組織 です。
職能軸を明確に持たせることで、EMを会社制度上のマネージャー枠組みに接続し、形式的な兼任を不要にしました。
現在は、四半期ほど運用を経て、 新たにEMを追加任命しやすい体制 が動き始めています。
本セッションでは、
を具体的に共有します。
EMが現場と制度のあいだで、どのように動けば組織を前に進められるのか、今も模索を続けている実践をお話しします。
Genki Sano 「EMって何してるのか、よく分からない」
そんな声をきっかけに、私たちは “EM同士の雑談を垂れ流す社内ラジオ” を始めてみました。
隔週の社内勉強会のあとに15分だけ実施。スケジュールを先に決めて締切駆動にして、事前準備はトークテーマを考えるだけ。録画や集客は既存の勉強会の仕組みに乗せる。など、 運用負荷を極力増やさない設計 にしました。
アンケートや特別な編集もせず、 「続けることを最優先」 に継続しています。
まだ始めて3ヶ月ほどで、明確な効果は見えていません。
それでも、EMが何を考えているのか、どう意思決定しているのかを少しでも伝えられる手段として、価値を感じ始めています。
このセッションでは、 “透明性を仕組みではなく、日々の発信の積み重ねで育てる” という視点のもと、社内ラジオを通じて見えてきた運営の工夫・違和感・気づきを率直に共有します。
「成果が出る前の試行錯誤」を通じて、 EMの透明性をどう増幅していけるか を皆さんと考えたいです。
とりい いわゆるパラシュート人事のような形で既存組織にジョインしたEMが直面する代表的な課題として「コードベースの理解不足」「事業ドメイン理解不足」「既存メンバーとの信頼関係不足」が挙げられます。
私はEM候補として中途入社した自社Webプロダクト開発企業で、上記課題を解消する一環として社内問い合わせ窓口対応を継続してきました。
問い合わせ調査と対応を重ねる中で個人レベルでの上記課題の解消だけでなく、開発組織やプロダクトレベルへEMとしての貢献領域を広げられることが実感としてわかってきました。
これまで累計数百件の問い合わせに対応してきた約2年間の経験から、本セッションでは以下気づきを共有することで、参加者の学びや行動のきっかけにつなげられたらと考えています。
めもり〜 メンバーとコミュニケーションをするたびに「バランスが大事」「上が言っているから」と曖昧なことを言っていませんか。
また,相手の発言を "自分の感覚や感情で" 否定したりしていませんか。
「言語化」は開発組織で合理的な意思決定をする上で最も重要です。私たちは普段,ロジックを積み上げてプロダクトを作っています。
しかし,マネージャーというロールを担った途端にロジックがうまく形成できないといった悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
マネージャーを長期間担っている方でも,曖昧な表現であったり,それこそ感情的なコミュニケーションの取り方になってしまっている方も見受けられます。
マネジメントは色が出やすいロールでもありますが,一貫して言えるのは,マネジメントの役割はスループットの最大化だと私は考えています。
スループットを最大化するためには,会社・事業の仕組みを理解し,言語化してメンバーに伝えていく必要があります。
本セッションでは,開発組織において合理的な意思決定をするための考え方から言語化まで解説します。
HonMarkHunt 一言でEMといっても、そのあり方や求められることは組織によって大きく異なります。
私は2025年1月からSREチームのEMを務めています。
SREチームは直接的なプロダクト開発から距離があり、チーム内に中長期の開発方針を決めるPdM(プロダクトマネージャー)が存在しません。
PdMがいないチームでは、「何を優先すべきか」「自分たちは何のために存在しているのか」を自分たちで定義する必要があります。
こうしたチームはSREに限らず、QA・データ基盤・Platform Engineering・セキュリティ・MLなど、プロダクトを支える領域に広く存在します。
私たちのチームもまさにその状況でした。日々の改善や運用タスクをこなしながら、「意味がないわけではないが、事業にどう貢献できているのか実感できない」という課題を抱えていました。
こうしたチームでは、EM自身が“プロダクトマネジメント的な役割”を担う必要があると気づきました。
チームのMissionを再定義し、業務をカテゴリごとに整理し、バックログを事業価値の視点で見直す、などの試行錯誤を通じて、少しずつ「自分たちの仕事の意味」をチーム全員で再定義していきました。
本セッションでは、PdM不在のチームのEMが事業価値と向き合うために行った具体的な工夫と、その中での失敗・気づきをお話しさせていただきます。
ShinoP/しのぴー スクラムマスター(SM)/アジャイルコーチ(AC)からエンジニアリングマネージャー(EM)へのキャリアパスは、まだ少数派だと感じます。
本セッションでは、登壇者がSM/ACからEMへとキャリアを移行した実体験をお話しします。
企業の急成長期において、SMとして一つのチームにコミットするだけでは事業全体に大きな影響を与えられないと感じ、より大きな影響力を持って事業に貢献するためEMになることを決意しました。
EMとしての1年間の経験を通じて、EMには「確固たる定義がない」という現実でした。SM時代に培ったサーバントリーダーシップが、必ずしもEMとして全ての状況で最適解とは限らないこと 、そしてチームの状況に応じて事業価値や顧客価値に貢献するために不足している部分を補う「何でもやる」姿勢の必要性を痛感しました。
本セッションでは、従来のプロセス改善といった得意分野が活かせない状況下で、事業価値や顧客価値に貢献するための別の「武器」を持つ必要性を感じた経緯や、チームの状況に応じて自らが適応し、足りない部分を補う「チームにとって必要なこと、事業にとって必要なことは何でもやる」という、より広範囲な「何でもやる」姿勢こそが、真のエンジニアリングマネージャーに求められる立ち振る舞いであると結論付けます。
対象の聴衆
その人たちが得られるもの
げん 「EMポジションでの転職が初めて」— 私が身構えていたのは、「お手並み拝見」という見えない壁でした。
しかし、その不安は杞憂に終わります。
なぜか? 分析して見えたのは、単なる運ではなく、新任の私と「受け入れ側」の行動が噛み合った「協奏」でした。
私(新任EM)が意識したことは 「リスペクト」と「アクセル調整」です。
まず、転職者が陥りがちな「前の職場との違いを、今の職場の課題としてしまう」ことを避けるため、徹底的に「過去の意思決定へのリスペクト」に注力し、信頼の土台を築きました。
同時に、自身の理想とのGAPに対しては「踏みすぎか?もっと踏むべきか?」と、自らアクセルの踏み具合をチューニング。周囲にフィードバックを求め、最適な速度を探り続けました。
受入れ側が意識していた(であろう)ことは絶妙な「期待値調整」と「戦略的チャレンジマネジメント」です。
「期待はしているが焦らなくて良い」と伝えつつ、"期待していない"と誤解される難易度の低すぎるタスクも、"パニックになる"緊急度の高すぎるタスクも避ける。
私を信頼し、「重要だが緊急ではない」絶妙なアサインメントを任せることで、早期に「アウトプット」を出す機会を創出してくれました。
本セッションは、この体験を再現性ある仕組みとして棚卸ししたものです。「自分が受け入れる側になった時に活かしたい」、このオンボーディングの協奏モデルを20分に凝縮してお話しします。
shunsuke 複数ドメインの並行開発が進む中で、チームの認識齟齬とリリース効率の低下に直面しました。 EMとして、私は「Project / People / Technical」を横断しながら、チームの理解と実装をつなぐ構造の再設計に取り組みました。
当時のチームは、各人が別タスクを進める“リソース効率”型の進め方に陥り、さらに新規ドメインのキャッチアップとリリースが並走していました。 認識ズレや手戻りが増え、チーム全体の学習速度とアジリティが低下していました。 この混乱を抑えるため、PdM・QA・実装担当・レビュアー全員で行うタスク分解セッションを導入。 FigJam上で受け入れ条件・要件・実装方針・テスト観点を整理し、1つのPBIを全員で分解して理解を揃えました。
当初は不確実性を最速で減らすための対応でしたが、振り返るとこれは、チームが課題を認識し、理解し、判断できる構造をつくる試行でもありました。
PdMは実装難易度を肌感で掴み、エンジニアはWHYを踏まえた実装を行い、QAは仕様不足に気づけるようになりました。 短期的にはスプリントが安定し、レビューや再実装に伴う手戻りが減少しました。
一方で知識や判断軸の非対称性は依然として残り、「どこまで同期し、どこから任せるのか」という構造設計の境界に今も模索が続いています。
本セッションでは、リソース効率の罠を超え、チーム状態に合わせてフロー効率と学習構造を再設計する実践を紹介します。
以下のブログに記載した実践の振り返りを踏まえ、そこからさらに見えてきた課題と仮説を共有します。
https://tech.up-sider.com/entry/20251003_card-division
対象:
得られること:
松館 大輝 デジタル庁は設立から5年目を迎えました。
中央省庁にありながら官民融合のチームとして、デジタル政策を推進し、数々のサービスや仕組みを生み出してきました。
私もその一員としてデジタル庁の立ち上げから携わり、これまでの専門性に固執せずにさまざまな領域の担務に関わりながらデジタル庁のエンジニアとしてのあるべき姿を模索してきました。
私が現在ユニット長を務めるエンジニアユニットには、民間から参画したソフトウェアエンジニアが所属しており、デザイナー、プロダクトマネージャーたちと調達では実現できないスピードと専門性で社会的インパクトのある課題に挑戦しています。
このトークでは、行政組織という特殊な環境で立ち上げからエンジニアが活躍できるようになるまでを振り返り、内製開発への取り掛かりと実践を紹介します。
「iPhoneのマイナンバーカード」や「マイナンバーカード対面確認アプリ」などの内製開発の事例における振る舞いや開発におけるアプローチも紹介しながら4年間の試行錯誤を共有します。
組織の成長とともにこの4年間で私自身の振る舞いや態度がどのように変わっていったのかも見どころのひとつです。
民間組織のEMと呼ばれるポジションとの違いから、行政組織におけるEMの役割を定義してみたいと思います。
対象: 特に行政・公共領域に興味がある現在EM/VPoE、TL、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーの方、その他将来EMと呼ばれるロールになってみたい全ての方々
• 新しい行政組織における内製開発の最初の一歩
• 官民融合組織における民間専門人材の振る舞いから、専門領域の違う方々との協業の仕方
• 既存の調達中心の開発にどのように内製開発を両立させていくか進め方やアプローチ
• エンジニア上がりのEMがマネジメントを進めるうえでのコツ
• 行政と民間組織のEM目線での違いと振る舞い方
高原 宏(piro) EMConf JP 2025 で『マネージャー全員でマネジメントポリシーを作った』話をさせていただいた際は、EM 同志での経験知と探究テーマの共有を試みました。
ところが協賛案内資料で前回参加者の「職種」分布をみると、もちろん EM が最多でしたが、その半数以上も「エンジニア」の方々が参加されていたと分かりました!そしてそれ以外の様々な役割で開発組織に関わっている方々も大勢!!
つまり、前回の EMConf JP に集まった 1/3 以上が、『自分は今 EM じゃないけど EM 向けの話を聞きに来た』方々だったのです(そんな志の高い皆さんを “Next EM” と呼んでみます)。
ならば、これだけ多くの “Next EM” が集う機会を生かすことができないか?
→“Next EM”な皆さんの関心事を知る場にしたい
→“Next EM”な皆さん同志がお互いを認識し合い、繫がれる場にしたい
さらに、“現役EM” を含む “先輩EM” の皆さんもこの場に集まってくださるならば・・
→“Next EM”な皆さんに“先輩EM”からヒントを贈れる場にしたい
→“Next EM”な皆さんそれぞれの関心事に寄り添えるメンター的な“先輩EM”と出逢える場になると最高じゃないか?
・・などとイメージが膨らんじゃいました。
そのような場を、いろいろな角度から問いかけをさせていただいたり、燃料になる情報を示させていただいたりして実現したいと思います。
そして参加者の皆さんにも能動的に場づくりに加わっていただける、創発的なワークショップやタウンミーティングのような場づくりを試みたいと思います。
Learning Outcome:
for “Next EM”
・エンジニアリングマネジメントに関心のある仲間の存在を知れる
・エンジニアリングマネジメントについて他者の関心事を知れる
・EM を目指す/担うにあたってのヒントを得られる
(→次に探究するテーマが見つかって新しい扉が開くようだと最高です)
for “先輩EM”
・“Next EM” が考えていることを知れる
・自身のエンジニアリングマネジメントを客観的に見直す気付きを得られる
・(マネージャーのなり手が少ない組織も多いなか)未来の EM の成長を支援する材料を得られる
※他社の仲間と共同登壇を検討しています
向田英雄 ▼概要
2025年3月、私は上場スタートアップ株式会社Rebaseに初の外部ディレクターとして参画しました。前任者は共同創業者で元CTO。技術力が高く組織から信頼される10歳年下のリーダーです。30名で上場を成し遂げ、入社時には45名に成長した組織。この継承に臨むにあたり、私は3つのミッションを定義しました。
・創業取締役元CTOからのスムーズな引き継ぎを実現すること
・外部ディレクター初事例として会社に成功体験をもたらすこと
・自部門だけでなく全社視点で価値を創造すること
エンジニア出身でEM・VPoE、事業責任者、プロダクトマネジメントなど約20年のキャリアを持っていますが、外部参画の壁は高かったです。
第1階層:組織の歴史を最大限尊重する(最初の3ヶ月)
最初の3ヶ月は変革を起こさないと決め、社員の80%と1on1を実施。前任者との週次1on1も提案し、「まず理解する」ことで課題の質を高めることを重視しました。
第2階層:見えない課題を発見し先手を打つ(4〜6ヶ月)
事業責任者経験を活かし、事業計画から未来の課題を予測。PMやCXチームとの連携を少しずつ深め、水面下で自部門メンバーのキャリアなどもヒアリング。未来の体制変更に向け準備を進めました。
第3階層:信頼を基盤に変革を実行する(7〜12ヶ月)
下期開始時には、エンジニアリング部門12名の大幅な体制変更を実施。幸いにもメンバーからの大きな抵抗はなく、「なぜこの変更が必要か」を理解してもらえたように感じます。
このトークでは、外部参画の最初の1年で私が直面した課題、試行錯誤、失敗と小さな前進を率直にお話しします。
▼対象の聴衆
・外部から参画したが組織に溶け込めず苦戦しているエンジニアリングマネージャー
・組織変更や体制変更に抵抗を感じ、実行できずにいるリーダー
・上場後の成長ステージで組織課題に直面しているリーダー
▼その人たちが得られるもの
・「ヒトに興味を持つ」ことから始まる信頼構築の実践手法 - 社員の80%と1on1を実施した具体的アプローチと傾聴
・外部参画者が最初の1年で成果を出すための取り組み - 信頼ゼロから体制変更実施までの具体的ロードマップ
・エンジニア×事業責任者×PMの3視点を統合した連携術 - 技術・事業・プロダクトを繋ぐ具体的な取り組み
naopr 現職に1人目のEMとして入社してから2年が経ちました。
当時、エンジニアは10名ほどで、CTOと私の2人でEMの役割を分担していました。
しかし、エンジニアが20名を超え私のレポートラインが15名ほどになった頃から、
採用・育成・組織運営のすべてが中途半端になり、私自身がボトルネックとなってしまいました。
そこで2人目EMの採用を検討し始めたものの、いくつもの壁に直面しました。
たとえば次のような論点です。
加えて、私自身が1人目EMとして多岐にわたる業務を担っていたため、
どの業務を2人目EMに委譲し、どのように責任を分担すべきかという点にも大きく悩みました。
本セッションでは、
「1人目EMしかいない組織が、どうやって次のEMを迎え入れ、活躍できる体制を作るか」
をテーマに、実際に私が経験した検討・採用・業務設計・立ち上げまでの具体的なプロセスをお話しします。
アジェンダ(予定)
想定リスナー
得られる学び