2024年5月1日以降、AppleはApp Storeへの提出におけるプライバシー要件をアップデートしました。
アプリ本体ではプライバシーマニフェストの追加が必要になり、これに加えてサードパーティーSDKではコード署名も必要になります。
プライバシー要件のアップデートは、すべてのiOSエンジニアにとって重要なトピックと言えます。
ただ、必要な対応についての情報は少なく、各社や個人でどのように対応しているかは掴みづらい状態です。
そこで本セッションでは、ヤプリで5月1日までに進めた実際の対応と、その後の運用体制を紹介していきます!
具体的には以下の内容をお話しします。
プライバシーマニフェストとは?というところからスタートし、一般的なユースケースでの対応フローを理解した後、最後にプラットフォームでの運用体制を知っていただければと思います。
実践事例を通して、ご自身のアプリではどういった対応が必要なのかや、今後どのような運用フローとするかを検討する一助となること間違いなしです!
こんなお困りごとはございませんか?
・ 『サーバー、ネットワークの障害でアプリが使えなくなる』
・ 『現場のWi-Fiが弱く、アプリがサクサク使えない』
・ 『施設が混雑した際にネットが遅くなり、現場の業務に支障がある』
・ 『災害時に備えたいが、ハードウェア追加はコストが合わない』
Dittoは、インターネットなしでの快適なデータ同期を実現するSDKです。
自動的にメッシュネットワークを構築し、データを中継します。
また分散していてもデータがコンフリクトしない仕組みを持っています。
レストランのような、通信が売上に直結する場所、
飛行機などの、インターネットが不安定な場所での活用が増えてきています。
このセッションでは、Dittoの仕組みと使い方について詳しく紹介します。
ウェルスナビは「働く世代に豊かさを」というミッションのもと、自動で資産運用を行うロボアドバイザーサービスを提供しています。
私たちの開発組織はアジャイル開発体制を採用しており、迅速かつ効率的にサービスを提供するための組織作りを進めています。
また、ロボアドバイザーサービスにとどまらず、働く世代の幅広いお金の悩みを中立的な立場からオンラインで解決する総合アドバイザリー・プラットフォーム(MAP: Money Advisory Platform)の開発にも取り組んでいます。
資産運用に特化した一つの「サービス」から、お金の悩みを解決できる「プラットフォーム」にしていくために、モバイルアプリとして必要なことは何か。
サイボウズではkintone、 サイボウズ Office、 Garoonの3アプリを主に開発しています。
これらのアプリは開発開始時期によって利用技術がまちまちで、認証機能など共通の機能であってもそれぞれで再実装していました。
そこで、サイボウズ Officeアプリの開発時に蓄積した経験に基づいて、共通部分をSwift Concurrencyやswift-async-algorithmsを活用した共有のSwift Packageにすることにしました。
抽象度を高めることで複数プロダクトに適用できる、機能の境界が明確な複数のPackageができました。
コードが8000行削減されたり、RxSwift/UIKitからSwiftUIへの置き換えを加速したり、それぞれのプロダクトでの課題解決が進んでいます。
この取り組みの中でWKWebViewをSwiftUIでラップするOSSも生まれました。
このトークでは、以下のトピックでサイボウズでの取り組みを紹介します。
このトークが複数アプリでの共通化、単一アプリでのマルチパッケージ境界設計、共有コードの運用の助けとなれば幸いです。
登壇者: kntk, koher, niw, omochimetaru, まつじ
Swiftの次期バージョンであるSwift 6は、開発者にとって大きな変革をもたらします。特に注目すべきは、Swift ConcurrencyのStrict Concurrencyチェックによる完全なデータ競合の防止です。これにより、コードの安全性が大幅に向上し、開発効率も向上します。また、他にもコードの品質を高めるアップデートがいくつも存在します。
しかし、アップデートをするためには、コードの変更が必要となる可能性があり、「どう対応すればいいのか?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
このセッションでは、座談会形式で、以下のテーマについて登壇者ならびに参加者の皆さんと一緒に考えていきます:
Swift 6はオプトイン方式であり、正式リリース後すぐに対応する必要はありません。しかし、今後導入される新機能を活用するためにも、早めに対策を考えておくのはいかがでしょうか?
このセッションが、Swift 6へのスムーズな移行に向けて、皆さんの疑問や不安を解消する一助となることを願っています。
Appleプラットフォームのファイル共有にはSMBプロトコルが利用されています。しかし、ファイルが非常に多いフォルダを開く際に接続が不安定になるなどの問題があります。OSに含まれるライブラリの不具合なので対処は難しいですが、SMBファイル共有を自分で実装すれば問題を根本的に解決でき、快適なファイルブラウジングが実現できます。
SMBファイル共有を実装すると一口に言っても何から始めたらいいかわからない方も多いでしょう。SMBプロトコルはHTTP通信ではなく、URLSessionは使えません。データ構造もJSONなどのなじみのある形式ではありません。
難しそうですが、実は道具が違うだけで通信はHTTPではなくTCPソケットを、データ構造はJSONのデコード/エンコードのかわりにバイナリのシリアライズ/デシリアライズを用いるだけです。TCPソケット通信を理解すると、Bitcoinやメールなど、他の通信プロトコルの実装にも簡単に応用できます。
この講演ではSwiftでTCPソケット通信を行う場合の複数の選択肢の比較、プロトコルに従ったバイナリのシリアライズ/デシリアライズの方法など、SMBクライアントを実装する手順について解説します。最終的にiOSとmacOSの両方で動作し、音楽や動画ファイルをストリーミング再生できる、速くて使いやすいネットワークファイルブラウザを作成します。
iOS 15から導入されたStoreKit2はアプリ内課金の実装を大幅に簡略化できます。オファー機能や複数のプラン提供を行いやすくするために導入・移行を検討している方は多いのではないでしょうか。
ただし課金機能がアプリで完結しない場合、StoreKit2と様々な基盤を連携する必要があります。たとえば有料機能の認証・認可API、課金ユーザー分析、iOSアプリ内課金以外の決済手段が挙げられます。
そのためのバックエンド構築にはApp Store Server APIやApp Store Server NotificationsというApple提供の仕組みが使えます。近年バージョン2といえる抜本的な改善がなされ、アプリ内課金の状態を自社サービスから詳細に分析できるようになりました。
本セッションでは、日本経済新聞社の電子版アプリで提供するサブスクリプションをStoreKit2ベースでフルリプレースして得た知見を紹介します。各種ツールの仕様・アプリ内課金全体の仕組みを理解、クライアントからバックエンドまでどのような手順で安全にアップデートしていくか注意点を確認しつつ解説します。クライアントだけでは把握しづらかった課金状態をAPIで把握したTipsも紹介していきます。
このトークを通して、参加者は自社のシステムにアプリ内課金を連携するための実践的な仕様を理解することができるでしょう。
WWDC23で発表されたMergeable Libraryは、Static/Dynamicに続く新たなライブラリの形式です。
これまで、依存関係にStatic Libraryを利用することで、アプリの起動高速化や、バイナリサイズの圧縮などのユーザー体験を改善する手法が知られていました。
その一方で、この手法はDynamic Libraryのもたらす開発体験とのトレードオフになってしまう部分もありました。
Mergeable Libraryを使うことで、それらの良いとこどりができるのです!
このトークではMergeable Libraryを使った、新しいプロジェクト構成がもたらすメリットと導入のヒントをお伝えします。以下のようなトピックが含まれます。
新たな仕組みを学び、開発者・ユーザー体験の両立を目指しましょう!
iPhoneやApple Watchからクレジットカードやイベントチケットなどを簡単に利用できるようになるAppleウォレット。
Appleウォレットにイベントのチケットを登録すると受付時のQRコード提示が楽になりますが、Appleウォレットに対応しているならGoogleウォレットにも対応していて欲しいですよね・・・?
筆者は昨年末にiOSDC Japanが運営に使用しているWebシステム「fortee(フォルテ)」のAppleウォレット・Googleウォレット連携を実装しました。
つまり、今年からiOSDCではAppleウォレット・Googleウォレットにチケットを保存できます・・・!
この発表では、その実装経験を元にAppleウォレット・Googleウォレットにチケットを保存する方法を解説します。
実装方法から本番運用を始めるために必要な準備、比較して分かる両者の類似点や相違点などなど、チケットが皆さんの端末に保存されるまでには色々な要素が詰まっています。
この発表を聞いてウォレットの世界に飛び込んでみませんか?
「SwiftってAppleデバイスでしか動かないじゃん?」
そう言われ続け10年、しかし現状は大きく異なります。
Swiftは現在、LinuxやWindowsのような他OSでも動作することに加えて、組み込み機器での利用を想定した軽量なバージョンも提供されています。
つまりSwiftは多種多様な環境で実行できるポテンシャルを秘めているのです。
そして、それはゲームボーイアドバンス(以降、GBA)のようなレガシーなデバイスも例外ではありません。
GBA開発は誰でも手軽に実行環境を用意できるという魅力があります。
今年4月からApp Storeでのエミュレータ配布が認められたのは記憶に新しいかと思います。
しかし、GBA向けに開発をするにはいくつかの工夫が必要です。
GBA向けにコンパイルの設定をしたり、リンク時に参照できないシンボルの解決をする等、開発環境を整えるのにも一手間かかります。
本セッションでは、SwiftのプログラムをGBAで動作するようにコンパイルする方法を解説します。また、Swift Packageを使った開発環境構築、BreakPointの貼り方等のデバッグ方法、および具体的なプログラム例も併せて紹介します。
このセッションを通じてGBAの開発環境を構築する方法や、swiftcやEmbedded Swiftについての知識を得ることができます。
2015年にサービスを開始したTVerは現在では月間4.5億回再生を超える大きなサービスに成長しました。
TVerのiOSアプリ開発における生産性と品質をさらに向上させ組織やプロダクトをスケール可能にするための取り組みとして、2024年度からはiOSアプリのリアーキテクチャに取り組んでいます。
本セッションでは、多くのユーザー/ステークホルダーを抱えるTVerアプリにおいてどのように事業リスクを最小化しながらリアーキテクチャプロジェクトを推進しているかについて紹介します。
<現在のアーキテクチャと目指すアーキテクチャ、その採用背景について>
・SPMを用いたマルチモジュール化
・UIKitからSwiftUIへの移行
・Design Systemの導入
<リスクを最小化するための戦略について>
・モジュールごとの段階的なリリース
・Feature Flagを用いた開放率のコントロール
・iOSのversion戦略
これまで主にWebサイトやWebアプリのデザインをしてきた私は、業務でiOSアプリをデザインするにあたり、エンジニアと「iOSアプリらしいデザイン」について議論する機会がありました。しかし私には「iOSアプリらしさ」とは何か理解できず、戸惑いを感じました。ただiOSのパーツを使うだけではiOSらしくはならず、見た目だけの問題ではないようです。
そこで私は、iOSアプリらしいデザインを分析し言語化することにしました。さまざまなアプリを観察し、Human Interface Guidelinesを読み込むことで、iOSアプリ特有の特徴があることに気づきました。
例えば、アニメーションを使用してわかりやすいインターフェースを提供し、タッチジェスチャーの活用で操作感を向上させることなどが挙げられます。これらの特徴を理解することで、見た目だけでなく、操作性やユーザー体験全体を通じてiOSらしいデザインを実現できます。
この登壇では以下の内容をお伝えします。
iOSらしいデザインを理解し、実践することで、アプリをより魅力的にしていきましょう!
私たちのチームでは来たるべき超巨大アプリの開発に備え、向こう5年間は大規模なリファクタリングを必要としない堅牢な設計を目指してPoCを去年から開始しました。
PureなSwiftUIが全面的に採用され、基盤となるアプリアーキテクチャはどうするべきかという議論も重ねました。
本セッションではあまり聞き馴染みのないアーキテクチャである「MV State Pattern」について視覚的に分かりやすく解説しつつ、以下のポイントに的を絞ってお話しします。
【ポイント】
・MV State Patternとは
・なぜ採用したのか
・SwiftUIとの親和性
・実際の使用感はどうなのか
これらの知見が今後アプリアーキテクチャを考える皆さんの意思決定の一助となれば幸いです。
iPhoneの進化により、位置測定技術は著しく向上しています。
GPSをはじめ、Wi-Fi、Bluetooth、そしてLiDARを利用した位置測定機能が搭載されています。 しかし、GPSは屋内で正確に計測することが難しく、Bluetoothは事前に機器の設置が必要です。LiDARなどの深度センサーはレーザー光を飛ばして反射光を計測するため、センサーを常に外部に向けておく必要があります。
今回は、これらの外部信号を用いずに、iPhone内蔵のジャイロセンサーと加速度センサーのみを使用して位置測定と距離測定を行う方法についてお話しします。 具体的には、xyz方向の3軸加速度データと3軸角速度データを用いて位置測定を行います。
このトークでは、以下の内容について詳しく説明します。
特に測定誤差に関する部分では、実際に計測をしたところ、大きな測定誤差が発生して大変苦戦しました。 どのような誤差が発生したか、そしてそれにどのように対処したかについて具体的な事例を交えて説明します。 これにより、同様の技術を利用しようと考えている方々にとって有益な情報を提供できると思います。
永続化されたデータの保護は、現代のiOSアプリ開発において必要不可欠な要素です。
しかし、Appleが提供する永続化フレームワークであるCore Dataは標準でデータの暗号化を提供しません。
また、Core Dataのデータ暗号化には、「データベース全体を暗号化する方法(SQLCipher)」や「保存するデータを個別に暗号化する方法(CryptoKit)」があります。
このトークでは、それぞれのメリット/デメリットを比較した上で、Core Dataにおけるデータの暗号化手法とその選定方法について詳しく紹介します。
参加者は以下の内容を学ぶことができます。
このトークを通して、「Core Data」の暗号化に必要なナレッジや各利点について理解を深めて頂ければ幸いです。
Apple Vision Proで空間ビデオを見るのは、まるでその場にいるかのようなリアルで素晴らしい体験です。この空間ビデオの記録にはMV-HEVC(Multiview High Efficiency Video Coding)という規格が用いられています。「Multiview」とは左右の目それぞれのフレームを指し、視差まで再現できるため、平面的なディスプレイにはないリアルさを感じられるようになっています。
では、どのように撮影を行えば良いのでしょうか?配信時に注意すべき点は?さらに、Vision Pro以外のユーザーにはどのように対応するのでしょうか?本トークではこれらの疑問に答えつつ、MV-HEVCに焦点を当て、この規格を理解し、空間ビデオの持つポテンシャルと具体的な活用方法について考察します。
規格自体のリリースは2014年と古く、両目の視差を利用した立体視に関してはさらに前から研究が行われており、ステレオスコピック動画の撮影のコツや、どんな表現に向いているのかについてはそれらを参考にできます。AVFoundationとVideoToolboxのAPIを使って2台のカメラで撮った動画から空間ビデオを作成する方法も紹介します。
このトークが、空間ビデオを活用した新しい魅力的な体験を構築する一助となれば、非常に嬉しく思います。
みなさん、UIWindowというクラスについてご存知でしょうか。
グローバルに画面最前面に要素を表示するHUD(Head up display)の実装を行う際などにUIWindowを用いることがよくあります。しかし、通常の開発で直接触ることは少ないためUIWindowについてあまりよく理解せずに使われていることも多いのではないでしょうか。
例えばUIWindowにおける表示順はUIViewのsubViewsにおける表示順などとは少し異なっているため注意が必要です。 isKeyWindow
がtrueなUIWindowが最前面であると思われたり、 UIApplication.shared.windows
の順番がUIWindowの表示順であると思われたりしがちですがどちらも間違っています。
また、複数のUIWindowを表示している際のステータスバーの挙動にも一癖あります。特定の画面でステータスバーを非表示にしたいようなケースでUIWindowの特性をちゃんと把握していないと意図した挙動を実現できないことがあります。
このトークではUIWindowがどういうものなのか、UISceneやUIViewとの関係性を踏まえて話しつつ、UIWindowの表示に関する挙動や利用する際の注意点について紹介します。
5月に発表されたように、Appleウォレットでマイナンバーカードを利用できるよう準備が進められています。
このトークでは、iPhoneにマイナンバーカードを搭載する際に重要となる以下の点について詳しく解説します。
これらの規格についての理解を深めるとともに、関連するAPIや実装方法についても紹介します。
このトークを通じて、iPhoneでのマイナンバーカードの利用に関する技術的な知識を習得し、
実際の開発や実装に役立てたり、デジタル身分証明書の未来を想像するきっかけになれば幸いです。
CPUにはSIMDと呼ばれる、一つのCPU命令で複数の値を演算できる高速演算機能が存在し
画像・動画・音声処理などパフォーマンスが求められるシーンで広く活用することができます。
実はSwiftにもSIMDがStandard Libraryに存在しており、VisionOS開発にも用いるRealityKitでも必要になることがあります。
このトークでは、SwiftのSIMDの利用方法を解説し、
パフォーマンスが求められるシーンでSIMDを利用できるようになったり
RealityKitなどでSIMD出てきた際に恐れず正しく使えるようになることを目指します。
具体的には以下のトピックを取り扱います。
・SIMDの基本的な型と役割
・SIMDの演算子と用途
SIMD自体の概要も説明しますのでSIMDを知らない人でも理解できる内容にしています。
また、SwiftのSIMDの設計アプローチも同時に解説することでSIMDへの理解を深めます。
Swiftは演算子オーバーロードやジェネリクスなどを活用し、C++などのSIMDに比べ簡潔にSIMDを利用することができます。
iOS/iPadOS向けにアプリ開発を行う際に、「ViewController」を意識しないことはほぼないのではないでしょうか?
iOS 2.0の「UIViewController」を皮切りに、様々なViewControllerが提供されてきました。
私たちはこれらを実装し、カスタマイズして利用してきたかと思います。
では、これまでどれだけのViewControllerが登場し、どのような機能が実装可能になったのでしょうか?
このセッションでは、これまでに登場したViewControllerを機能紹介とサンプルコードとともに振り返ります。
想定する方々:
・iOS/iPadOS、それら以外のプラットフォーム向けアプリ開発・企画者
ゴール:
・知らなかったViewControllerを知り、今後の参考にできる
・提供できる画面・機能の概要を把握できる
アジェンダ:
※対象は「UIViewController」または「UINavigationController」を継承したクラス