レギュラートーク(20分)

Swift Beyond iOS - 小型ゲーム機 Playdate 開発ガイド

akkiee76 Akihiko Sato

SwiftはもともとiOSを中心に発展してきた言語ですが、最近ではその適用範囲が広がり、小型ゲーム機「Playdate」でも活用できるようになりました。

本セッションでは、白黒ディスプレイと物理ボタン、手回しクランクを備えたミニマルなゲーム機「Playdate」を題材に、その開発手法をご紹介します。Appleが新たに公開した「swift-playdate-examples」を活用することで、Swiftを用いてPlaydate向けのゲームを開発する環境が整いつつあります。

開発環境の構築手順を解説し、制約の多いデバイスで直面する独自の課題を取り上げながら、シンプルなゲームを作成するプロセスを共有します。さらに、リソース制限下でのSwift開発に役立つ実践的なヒントをお伝えし、実際にSwiftで制作したPlaydateゲームをデモします。

クリエイティブコーディングやゲーム開発に興味がある方、そしてSwiftの新たな可能性を探りたい方に向けて、iOSアプリの枠を超えたSwiftの魅力を、遊び心あふれる視点でお届けします。

【セッショントピック予定】

  • swift-playdate-examples の概要
  • Swift製ゲームをPlaydateで動かすための構築手順
  • クランクや物理ボタンによるインタラクション設計
  • リソース制限下でのゲーム開発における工夫とテクニック
  • 制約された環境だからこそ見える Swift の柔軟性と強み
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レギュラートーク(20分)

あなたのアプリ、栄養不足かも?Accessibility Nutrition Labelsで始めるアクセシビリティ健康診断

ynoseda 野瀬田 裕樹

「このアプリ、自分に使える?」
そんな問いに応えるのが、WWDC25で発表されたAccessibility Nutrition Labelsです。
これはVoiceOverやSufficient Contrast、Captionsなどに対応しているかどうかが食品の栄養成分表示のようにラベル形式で表示されるもので、ユーザーはアプリのダウンロード前に自分に合ったアプリかどうかを判断できるようになります。

開発者はApp Store Connect上でアプリのアクセシビリティ機能対応状況について登録でき、その内容がAccessibility Nutrition Labelsとして表示されます。
今後このラベル表示は新規アプリやアップデート時に必須化される予定で、Appleは明確な評価基準や申告手順をガイドラインとして公開しています。
たとえばSufficient ContrastはWCAGの推奨コントラスト比(4.5:1以上)を満たしているかなど、項目ごとに具体的な条件が示されています。

このトークでは、Accessibility Nutrition Labelsの概要や各項目の評価基準を整理した上で、iOSアプリでこれらの基準をどのように満たすか、具体的な実装例を交えて紹介します。
VoiceOver対応のための accessibilityLabel や accessibilityHint、Dynamic TypeやReduce Motionといったシステム設定への対応などの実装方法に加え、XcodeのAccessibility Inspectorを活用した検証手法も解説します。

アクセシビリティは一部のユーザーのためだけの機能ではなく、誰もが恩恵を受けられる設計原則です。
このトークを通じて、あなたのアプリの「アクセシビリティ健康診断」を始めてみませんか?

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レギュラートーク(20分)

SwiftUI時代のスクショ保護〜セキュアなViewの作り方〜

Lmssync ビスター

スクリーンショットや画面収録、画面共有などによって、ユーザーの機密情報が意図せず漏洩するリスクは、モバイルアプリにおける重要な課題です。特に、パスワードやクレジットカード番号、決済バーコード、有料コンテンツなど「画面には表示したいが、スクリーンショットには映したくない情報」のニーズは年々高まっています。

本トークでは、SwiftUIアプリにおいてこれらの情報を保護するための、セキュアなViewの構築法を紹介します。対象コンテンツの表示にUIKitを経由せず、SwiftUIのみで完結する実装により、状態管理やアニメーションとの整合性を保ちつつ、安全性と保守性を両立するSwiftUIらしいアプローチ方法を具体例と共に解説します。

トーク内容
⚪︎実際の利用事例
⚪︎スクリーンショットからの保護の必要性と課題
⚪︎従来取られたきたアプローチ
⚫︎どういった仕組みで実現されているのか
⚫︎SwiftUIでどう対応するか
⚪︎これを応用したUIの構築

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レギュラートーク(20分)

今こそ学ぶApp Intentsの総復習:未来を切り拓くその可能性

touyou_dev 藤井陽介

2022年に公開されたApp Intentsですが、皆さんはもう活用されていますでしょうか?

最近のmacOS TahoeではSpotlightからの活用が可能になり、App Intentsの用途は着実に広がっています。しかし、カンファレンスや実際のアプリケーションで話題になることは、まだ少ないと感じます。

本トークでは、まずApp Intentsの概要とその基本的な利用方法を振り返ります。
その後、App Intentsに対応することでAppleエコシステムがどのように発展していくのかを考察します。

現在、MCPやモデル性能における大競争が繰り広げられていますが、Appleファンである我々はAI時代にどのように向き合っていくべきなのでしょうか?
このトークを通じて、その考え方の一例を皆さんと共有できれば幸いです。

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レギュラートーク(20分)

なぜスマホアプリからDXを始めたのか?

dotrikun Hiroshi Shikata

2021年、東急株式会社は内製開発組織「URBAN HACKS」を立ち上げました。URBAN HACKSは最初期からモバイルアプリエンジニアを戦略的に採用し、アプリを起点としたDXに取り組んできました。

本セッションでは、iOSDC2022のLT『鉄道アプリを支えるテクノロジー』で紹介した東急線アプリのフルリニューアルの裏側を振り返りながら、「なぜスマホアプリからDXを始めたのか?」という問いを改めて掘り下げていきます。

リニューアルを表面的なアプリの改善だけで終わらせないため、デザインや機能を刷新するだけでなく、それをきっかけにどのように組織のマインドや風土を変革していったのか。現場からDXを駆動させるプロセスと、その中でアプリが果たした役割について、実践を通じて得たリアルな学びを共有します。

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レギュラートーク(20分)

LLM時代の必修科目: xcrunで加速するiOS開発

fumiya_kume Kuu (Kume Fumiya)

「CursorでSwiftコード生成→Xcodeに切り替えてビルド→エラー確認→また戻って...」

AIを活用した開発ツールで効率化したはずなのに、 Xcodeの操作で結局時間を失っていませんか?
実は、AIツールからxcrunコマンドを活用すれば、IDE間の切り替えを減らしつつ開発できます。

本セッションでは、LLM時代の新しい開発フローを実例とともに紹介します。

【解決する課題】
・AIツールとXcodeを頻繁に行き来する煩雑さを解消します。
・GUIからしかできないと思っていた操作をAIに実行させます。
・AIが生成したコードの即座の動作確認ができます。

【実演内容案】

  • なぜ今xcrun/CLIが重要なのか
  • CLI/AI開発ツールから呼び出せるコマンド群
  • xcodebuild:AIツール内でビルド、テストの実行等々
  • simctl: iOS Simulatorのコントロール等々
  • AIツールと組み合わせて開発する実例を紹介

LLM時代を活用する、古くて新しい開発知識を身につけましょう!

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レギュラートーク(20分)

あなたの知らない「動画広告」の世界 〜実装して理解する動画広告のしくみ〜

ukitaka_ ukitaka

このセッションでは、皆さんが日々使っているYouTubeやTVerなどで流れる動画広告について、それらがどのような規格に基づいて配信/挿入されているかを簡単なiOSアプリ実装のデモを交えながら説明します。

HTTP Live Streaming (HLS)での動画配信をベースとして、
・ 広告の基本的な配信方式であるCSAI(クライアントサイド広告挿入)とSSAI(サーバーサイド広告挿入)についての説明
・ VMAP/VASTといったような「いつ/どんな広告を配信し、計測するか」の規格の説明
・ SCTE-104/35など放送技術との連携について説明
などを行いつつ、普段はGoogle IMA SDKなどの広告SDKにブラックボックス化されている処理を実際にiOSアプリ/Swiftのコードとして実際書いて動かしてみます。

このトークを通じて、普段ブラックボックスになりがちな動画広告SDKの内部動作を理解し、より高度な動画プレイヤーの実装や、広告関連の問題のデバッグに役立つ知識を身につけることができます。
動画配信サービスの開発に携わる方はもちろん、AVFoundationを使った動画再生の実装に興味がある方にもおすすめです。

対象者:
動画サービスに関わっている方
AVFoundationの基礎知識がある方
動画広告の仕組みに興味がある方

キーワード:AVFoundation, HLS, 動画広告, VMAP, VAST, SCTE-35, Google IMA SDK

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レギュラートーク(20分)

visionOSでつくる空間体験:ハンドトラッキングの基礎と応用

TAAT626 TAAT

Apple Vision Proの登場により、visionOSを活用した新しい空間体験の可能性が大きく広がっています。
中でも注目されているのが、高精度なハンドトラッキングとハンドジェスチャーによる直感的な操作体験です。

ハンドトラッキングを活用すれば、たとえば、手に追従してオブジェクトや情報を表示したり、手だけでスペースシップを操縦することができます。
さらに、ハンドジェスチャーでモンスターを召喚したり、手から魔法を撃つことだってできます!

また、SwiftUIでお馴染みのGestureを使えば、3Dオブジェクトを空間内で移動・回転・拡大縮小させるといった操作も、驚くほど簡単に実現できます。

本トークでは、visionOSにおけるハンドトラッキングとハンドジェスチャーの基礎的なAPIの使い方から、個人開発やハッカソンで実際に作成したアプリの事例を交えながら、実践的な活用法を解説します。

visionOSのハンドトラッキングやハンドジェスチャーを活用して、新しい空間体験を創っていきましょう!

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レギュラートーク(20分)

SwiftUI × Metalで実現する多彩なトランジション

rizumi_jp izumi

Viewの表示・非表示といった状態変化の際にトランジションによる視覚効果を加えることで、
UIの変化をユーザーに自然に伝えやすくなり、アプリケーションの表現力も大きく向上します。

SwiftUIでは、transitionモディファイアやTransition protocolを使うことでトランジション演出やカスタムトランジションを実現できます。
Built-inのTransitionを用いたり、scaleやoffset、opacityなどを組み合わせるだけでもさまざまな演出を行えますが、
さらにリッチな表現を追求したい場合には、SwiftUIとMetalを組み合わせることで、より多彩な表現が可能となります。
SwiftUIとMetalの連携はiOS 17で登場したcolorEffect、distortionEffect、layerEffectによって実現可能で、
これにより画面が歪む・波紋が広がる・グリッチを加えるなどのダイナミックで印象的な演出を表現できます。

本トークでは、SwiftUIの基本的なトランジションの使い方からカスタムトランジションの作り方、
そしてMetalを用いた多彩なトランジション演出の実現方法まで、デモを交えながら具体的な実装のポイントを紹介します。
トランジションを使いこなしてアプリにさらなる表現をプラスしましょう。

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レギュラートーク(20分)

独自UIで実現する外部ストレージデバイスの読み書き

fromkk かっくん

iOSアプリで外部ストレージにデータをやり取りする際、UIDocumentPickerViewControllerを利用するのが一般的です。しかし、独自UIを構築したい、接続タイミングでカスタマイズしたい、といった要望に応える情報はほとんどありませんでした。

特にアプリ専用ストレージとの連携ではExternalAccessory.frameworkが候補となるものの、MFi登録が必要で敷居が高く、USB-C端末ではその必要がない場合もあります。
私自身もApple公式フォーラムで質問したり( https://forums.developer.apple.com/forums/thread/758598 )、Appleエンジニアの協力を得て、ようやくImageCaptureCore.frameworkというフレームワークを見つけることができました。

本セッションでは、AVExternalStorageDeviceDiscoverySessionやImageCaptureCore.frameworkなど、あまり知られていない公式フレームワークを活用し、「独自UIで外部ストレージを自在に扱う方法」を詳しく解説します。iOSで“思い通りのメディアファイル体験”を目指す方に、具体的な手法とTipsをお届けします。

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レギュラートーク(20分)

Skipで作るマルチプラットフォームアプリの現実

fromkk かっくん

SkipはSwiftとSwiftUIでAndroidアプリも作ることができる技術です。
普段使っている技術だけでAndroidアプリもリリースできたら夢みたいじゃないですか?

しかし、「本当にそんなに簡単にできるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。実際のところ、全てがスムーズに運ぶわけではありません。例えば、馴染みのある技術(Macroなど)が動作しない場合や、サードパーティライブラリが使用できないといった制約があります。

それでも、Skipが提供するライブラリを活用することで、ゼロからある程度動作するアプリを開発し、リリースすることができました。

このセッションでは、Skipの基本的な紹介を行い、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。また、開発中に直面した課題についても共有します。

ここではSkipの基礎的な紹介と、メリット・デメリット、開発中にハマった問題などを紹介しつつ、
それでもSwiftでAndroidアプリをリリースしてみたいと考えている方に向けて知見を共有します。

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レギュラートーク(20分)

巨大でレガシーなUIKitプロジェクトでも宣言的UIとObservationを諦めない!モダンなUIKitプロジェクトのあり方

sakiyamaK 崎山圭

皆さんのプロジェクトには、長年育ててきた巨大でレガシーなUIKitアプリはありませんか?
「新しい技術を導入したいけど、影響範囲が大きすぎる…」「新規画面だけはSwiftUIを取り入れてるけど...」と諦めていませんか?
既存のレガシーなUIKitプロジェクトを抱えながらも、モダンな開発手法を取り入れたいと願うすべてのiOSエンジニアに、既存の資産を活かしたままモダンな設計を取り入れるひとつの解法をご紹介します。

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レギュラートーク(20分)

Apple Intelligenceのパワーをアプリに吹き込む

Naoya_Maeda_ 前田 直哉

iPhoneやiPad、MacといったApple製デバイスは、年々その処理性能やインテリジェンスの面で進化を遂げています。特に近年では、機械学習や自然言語処理といった技術がOSレベルで統合され、ユーザーごとに最適化された体験を提供できるようになってきました。

こうした流れの中で、AppleはWWDC24において「Apple Intelligence」を発表しました。Apple Intelligenceは、オンデバイス処理を基盤としたプライバシー重視のAIプラットフォームです。Siriの強化やApp Intentsとの連携など、これまで以上にパーソナルで賢い体験を実現する多くの機能が備わっています。

一方で、Apple Intelligenceがユーザー体験を大きく向上させることが期待される中、それをサードパーティアプリにどう活用するかについては、まだ十分に知られていないのが現状です。たとえば、「自分のアプリにAI機能を組み込むには何から始めればよいのか」「ユーザーのプライバシーを守りつつ、どこまで賢い機能を実現できるのか」といった疑問を持つ開発者も多いのではないでしょうか。

このセッションでは、Apple Intelligenceを構成する主要な技術とその応用事例をわかりやすく紹介し、それらを活用してアプリにスマートなユーザー体験を組み込む方法を体系的に解説します。

本セッションを通じて、Apple Intelligenceの可能性を自分のアプリの中でどう活かすか、そのヒントを得ていただければ幸いです。

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レギュラートーク(20分)

共有画面を制覇せよ!Share Extensionで創るシームレスなユーザー体験

tsuzuki817 續橋 涼

今日のiOSアプリ開発において、ユーザーに選ばれ続けるには、アプリ内だけでなく、iOSシステム全体にわたるシームレスな連携が不可欠です。本セッションでは、その中でも特にユーザー接点を劇的に増やすShare Extensionに焦点を当て、「共有画面にあなたのアプリを効果的に表示させ、ユーザーの『ひと手間』を省く究極のUX」を創造する方法を探ります。

なぜShare Extensionを徹底活用すべきなのでしょうか?
それは、ユーザーが日常的に行う「共有」という行為の中に、あなたのアプリへの新たな接点と、計り知れない価値提供の機会を創出できるからです。
例えば、ウェブ記事を読んでいて「これ、あのメモアプリに保存したいな」と思った時、ユーザーはアプリを開くことなく、共有シートから直接あなたのメモアプリを選び、URLやテキストを瞬時に保存できるようになります。これは、ユーザーのアプリ間移動の手間を劇的に削減し、アプリへの自然な流入経路を増やし、結果としてユーザーエンゲージメントと継続利用率の向上に直結します。

本セッションでは、私が実際のアプリ開発で培った知見をもとに、Share Extensionの実装における基本的な枠組みから、実運用で直面しがちな技術的課題と解決策を具体的に解説します。
参加者の皆さんが自身のアプリを「ただ動く」だけでなく、「ユーザーが思わず日常的に使いたくなる」「もっといいアプリ」へと進化させるための具体的な実装アイデアと技術的ロードマップを持ち帰っていただけるでしょう。

共有体験を通じて、あなたのアプリがユーザーのデジタルライフに不可欠な存在となる、その第一歩を共に踏み出しましょう。

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レギュラートーク(20分)

あなたの知らない空間写真の世界

fromkk かっくん

WWDC23でApple Vision Proと共にSpatial Video / Photo(空間ビデオ・空間写真)が発表されました。
その後、iOS 17.2にてiPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Maxで空間ビデオの撮影が可能になりました。現在では、さらにiPhone 16 ProおよびiPhone 16 Pro Maxも対応機種に加わり、iOS 18.1以降では空間写真の撮影も可能になっています。
「自分でも撮れる!」と体験した方も多いのではないでしょうか?

しかし、2025年6月現在、空間写真の“立体感”を本当に体感できるのはApple Vision Proが必要です(WWDC25でiOS 26標準のビューワーが発表されましたね)。

本トークでは、「どうにかしてもっと多くの人に空間写真体験を届けたい!」と考え、自作で空間写真ビューワーの開発に挑戦したプロセスとその知見を紹介します。
また、非対応カメラで撮影したデータを空間写真に変換する実験についてもお話しします。

空間写真の技術と未来の可能性に触れたい方や、自分自身で体験を作りたいと考えている皆さんの参考になれば幸いです。

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