自転車のタイヤがパンクしたら、あなたはどうしますか?自転車屋に持っていって修理してもらうか、あるいは自分で直してしまうかもしれません。まさか自転車ごと買い替えるなんてことはしないですよね。では、iPhoneの画面が割れたら?あれ、買い替えるかも…?
こう考えてしまうのには訳があります。私たち消費者を修理から遠ざける要因が、ハードウェアの設計やソフトウェアの制限、知的財産権、さらにはマーケティングメッセージにまで、至るところに潜んでいるのです。例えば、AirPodsのネジがない設計は、修理の第一ステップである「デバイスを開ける」ことをほぼ不可能にしています。
修理の疎遠化は企業に大きな利益をもたらす一方で、消費者には経済的負担を、地球には環境負荷を与えています。こうした状況を打破するために、「修理する権利」を求める運動が、欧米やヨーロッパを中心に世界中で広がっています。もちろんAppleも例外ではありません。
本セッションでは、次のような内容をお話しします。
修理がもたらすのは、金銭的・環境的価値だけではありません。修理は、デバイスの仕組みをより深く理解することに役立ち、自分が所有するモノを最大限に使いこなすことを可能にします。Appleプラットフォームでサービスを提供する者として、「修理する権利」について一緒に考えましょう。