レイヤードアーキテクチャをはじめとした多くのレイヤ化アーキテクチャでは、依存の逆転を用いてレイヤレベルで技術的な関心を分離しています。
なぜこれがアーキテクチャとして好ましい構造につながるのでしょうか?
このセッションでは、技術的関心を分離することが実利に結びつく理屈を変更コストや優先順位、認知負荷などの観点から全力で考察し、いわゆるインフラ層についての理解を深めることを目指します。
DevinはCognition AI社が開発した自律型AIエージェントです。
使いこなせれば便利なのは想像がつくけれども、ついつい自分で書いてしまう癖が抜けない。
このままでは全く習得できず、変化に適応できない焦りから、とあるAPI実装をDevinでやりきる意思を持って挑んでみました。
果たしてその結末やいかに。
PHPでWebアプリケーションを作る際、ほぼ全てのケースでデータ永続化の為にデータベースを利用するでしょう。
長年運用していくにつれ、テーブル数やカラム数の増加によって、認知コストやコミュニケーションコストが増加する一方です。
これらの負荷を下げる為に「DBスキーマを可視化する」ということは非常に有用であり、tblsは継続的な運用に耐えうるだけの機能を持ち合わせています。
本トークではtblsの便利な機能の紹介や、実際に運用している時に得られた知見、AIによるSQL生成などのTipsを紹介します。
2025年現在、生成AI関連のソフトウェアは次々と登場しており、PHPerとしてもこの波に乗り遅れるわけにはいきません。
業務効率化や開発生産性の向上を目指すうえで、AIの活用はもはや無視できない選択肢となっています。
とはいえ、AIまわりのトレンドは変化が激しく、2週間もあれば新しい技術やサービスが登場するような状況です。
何から手を付けていいのかわからず、情報収集に疲れてしまっている方も多いのではないでしょうか。
本登壇では、ChatGPTのような有名サービスから、話題にならないツールまで、幅広く紹介します。
実際の事例を交えながら、「PHPerが今、AIとどう向き合うべきか」を具体的にお伝えします。
Laravel開発でおなじみのコレクション操作、その裏側に潜む「yield」の力を最大限に引き出すのがLazyCollectionです。
本トークでは、PHPのyield構文の動作原理を紐解きつつ、なぜLazyCollectionが高速でメモリ効率が良いのか、Collectionとの違いについて内部の仕組みを追いながら丁寧に解説します。
また、実際に現場で使われているユースケースやテクニックについても紹介します。
近年、データベースのパスワードを定期的に更新することをセキュリティ要件として課す組織が増えています。
しかし、対象となるデータベースが多くなるほど手動での更新作業は難しくなります。
AWS Secrets Manager の自動ローテーション機能を使えば運用を自動化できますが、シークレットをキャッシュする仕組みを組み込む際、PHP アプリケーション側の実装が煩雑になりやすいという課題があります。
本セッションでは、この問題を解決するために、PHP から Secrets Manager の交代ユーザー方式を利用して安全かつ効率的にパスワードローテーションを行う実装パターンを紹介します。
副作用が絡み合うロジックを触るたび「どこで何が起きるか分からない」――そんな不安をドメインイベントで断ち切ります!
ドメインイベントは「〇〇が起きた」という事実をクラス化し、処理の流れを“出来事”をベースに組み立て直すことで、依存を一方向に整えることができます。
本トークでは実務でのリファクタリングを題材に、
の3ステップでリファクタリング前と後のコードで比較しながら順に解説します。
チームでドメインイベントをわいわい議論できるようになるきっかけを提供します!
現代のコンピュータはハードウェアから私たちプログラマが書くプログラムの動作までの間が多くのレイヤーに分けられて動作しています。
レイヤーは自分より下を抽象化し、下のレイヤーを詳しく理解しなくても多くの場合プログラマはプログラムを書けます。
一方、プログラムが期待した様に動作しない時には下のレイヤーの動作の理解が問題の解決の助けになることもあります。
このトークでは私たちが愛するPHPをスタート地点にして、「VMって何?」「 PHPやJavaとC言語の根本的な違い」など、コンピュータプログラムがどの様に動作するのかを解説します。
コンピュータのレイヤー構造を理解すると、いままでは見えていなかった角度からプログラミングを楽しめるようになります。
このトークを通じて、低レイヤーが好きになったり、いろいろなレイヤーで面白いことをしたりする方が増えることを期待しています!
2024年1月、「なぜキャッシュメモリは速いのか」が話題になりました。
この質問に答えるのはなかなか難しいのですが近年のコンピュータの高速化はすべてキャッシュによるものと言っても過言ではないぐらいキャッシュは重要な技術です。
このトークでは「なぜキャッシュメモリは速いのか」の説明から、なぜキャッシュが必須の存在なのか、そしてキャッシュが引き起こすCPUの脆弱性について初心者の方にもわかりやすくご説明します。
コンピュータアーキテクチャの勉強、というよりはキャッシュを取り巻くハートウォーミングストーリーを聴きに来るつもりでいらしてください。きっと「CPU脆弱性って言っても思ったより難しくないな」「おもしろいな」と思って頂けると思います。
2024年1月、「なぜキャッシュメモリは速いのか」が話題になりました。
この質問に答えるのはなかなか難しく、X(Twitter)ではいろいろな回答がされていました。この回答はさまざまな立場・理解からされていて、Xのタイムラインをご覧になっていた方はいまいちしっくりこなかったのではないでしょうか。
このトークでは「なぜキャッシュメモリは速いのか」に答えるのに必要な知識を、初心者の方にもわかりやすくご説明します。
キャッシュの使いこなしは現代コンピュータにおいて避けることはできず、キャッシュを制するもののみがコンピュータを高速に動作させられると言っても過言ではない状態です。キャッシュを理解し、キャッシュを楽しみましょう!
私はEM2年生。 2024年4月に新規プロダクトをリリースし、現在はそのプロダクトをなんとか成長させていくべく邁進しています。
新規プロダクトのリリース、そしてその後の成長にあたってはさまざまな進行上の課題がチームに襲い掛かりました。
・ スクラムを解釈した開発イベントがなぜかうまくいかない
・ 社内や社外からのフィードバックが集まらない
・ プロダクトマネージャーとタスクの温度感がすり合わない
・ プロダクトの課題が無限に積まれ、さばいてもさばいてもなくならない
......
これらの課題が発生した背景には、新規プロダクト開発においてはフェーズごとに求められる立ち回りが大きく変化するというものがありました。
本セッションではそのような状況に対応するため、繰り返し見直し、変更・改善してきた開発手法の変遷について、良かった点と反省点の両軸から振り返ります。
PHPは基本的にシングルスレッドで動作します。そのため、並列処理は得意ではありません。
外部APIを複数叩くようなWebアプリケーションを作ろうと思った場合、1つずつ外部APIのレスポンスを待っていたのでは、処理完了に時間がかかりすぎてしまいます。
PHP製のHTTPクライアントライブラリであるGuzzleでは、非同期リクエストがサポートされており、複数のHTTPリクエストを同時に投げることができます。
並列処理が苦手なはずのPHPで、なぜそんなことが可能なのでしょうか?
このセッションではGuzzleのソースコードを紐解きながら、非同期リクエストがどのように実現されているのか、Guzzleに何ができて何ができないのかを見ていきます。
コードゴルフという競技をご存知でしょうか?
与えられたお題に対して、どれだけ“短く”コードを書けるかを競うもので、今年3月のPHPerKaigi 2025では「PHPerコードバトル」として開催され、大いに盛り上がりました。
コードゴルフでは、可読性や保守性は重視されず、むしろ犠牲にしてでも短く書くことが求められます。
一見実務とは無縁に思えるかもしれませんが、実はこの競技、PHPの文法や関数についての深い知識が求められるため、楽しんでいるうちに言語仕様に詳しくなってしまうという学習効果もあるのです。
このセッションでは、コードゴルフで実際に使われるトリッキーなテクニックと、それを支えるPHPの言語仕様や関数の挙動について解説します。
例えば、PHPの文と式の違い、普段あまり使わないマイナーな関数の仕様など、ちょっとした遊びからPHPの理解が深まる世界をご紹介します!
PHPStanがどのように解析を行っているのか、型を決定しているのかを普段意識することはほとんど無いと思います。
しかし、仕組みを理解することで活用の幅がもっと広がり、そしてかっこよくなれます!
そこで本トークでは、PHPStanへのコントリビュートを通して、更にPHPStanに詳しくなった経験についてお話します。
話す内容
PHP8へのメジャーアップデートに挑戦した際、PHPUnitのメジャーアップデート対応など、久しぶりにPHPを触るにしては越えるべきハードルが複数ありました。
ハードルを越えるためにCursor / Claudeを活用して調査や試行錯誤を試みた際の経験を紹介します。
私が担当しているメール共有サービスのメールディーラーは2001年にローンチしましたが、
プログラム構造の陳腐化がリリースを行うごとに進み、いわゆる「スパゲッティコード」が散在し、
それらがサービスの品質にまで影響するようになりました。
具体的には、ある共通関数が別の共通関数を呼び出し、
それが繰り返されることでプログラムが複雑にネスト化しています。
その結果、コード全体の把握が難しくなり、思ってもみない機能に不具合が混入し、
新機能のリリース直後に改修していないはずの機能が動作しなくなる致命的な障害が発生しました。
これらの対策としてE2Eテストを導入しそれを自動化しました。
E2Eテストを導入したことで、致命的な障害が防げたか?など得られた効果や
テストコードの実装やテストケースの作成における工夫ポイントなど、可能な限り具体的に説明いたします。
私が担当しているメール共有サービスのメールディーラーは2024年10月に「AIクレーム検知オプション」をリリースいたしました。
開発に当たり、メールディーラーで初めてβ版をコンテナで構築し、
お客様にご協力をいただき、ChatGPTで判定しているクレーム検知の精度向上を行いました。
そしてコスト削減や負荷分散を狙い、製品版をAWSで構築することで、
クレーム検知の精度を実用レベルまで向上させ、約65%のコスト削減に成功しました。
AWSやコンテナは新しい技術ではありませんが、メールディーラーは全機能が一つのサーバに実装されており、
WebサーバとDBがひとつのサーバに集約されているため、導入には苦労しました。
AWSの導入にあたって、どのように目的を整理し、利害関係者を説得したのか?どのようにして目標を達成したのか?
可能な限り事例を交えて説明いたします。
新卒から6年間所属した部署から大異動で全く別のチームに配属された先では、PHPを使ったアプリケーションを開発、運用していました。
ただ、チームの状況を見てみると鳴り響くアラートの対応に疲弊していました。
異動先のチームには、以下のような問題を抱えていました。
これらに対して、一つ一つ向き合って出してきた答えについてお話します。
聞いて欲しい方
私たちの会計システムには、取り扱いを誤ると大きな問題につながる金額などのセンシティブな値が存在します。
これらのコードのリファクタリングは安易に手を加えるには不安があり、例えテストがあってもなかなか手をつけられません。
本セッションでは、私が実際に行った"安全な"リファクタリングの手順とその方法についてお話します。
WordPressはPHPで動作するOSSの1つで、多くのウェブサイトにて現在も利活用されています。しかし多様化するウェブサイトの要件に対応するため、プラグインやfunctions.phpへのコード追加による複雑なカスタマイズが施され、保守性が悪化しているケースも少なくありません。
「コンテンツを快適に発信できる場所」というCMS本来の力を活かしつつ、アップデートの手間やアプリケーションの複雑化による負荷増加などを回避するための方法として、「クラウドサービスへのオフロード」を提案します。
セッションでは、AWSやCloudflareなどのサービスが持つフルマネージドな機能を活用し、大規模なウェブサイトの構成をシンプルかつアップデートしやすい形にする方法を、「サイト内検索」「検索エンジン最適化」「アクセス集中対策のトレードオフ」の3点から紹介します。