エンジニアとしてある程度のキャリアを積んだときに多くの方が出会うであろう、「Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計」で語られる設計手法について、Kotlin Multiplatformを使用してアプリを実装する際にどのように利用できるのかを考えていきます。
MVC、MVVMといったアプリ開発でも用いられる設計手法と比較して語られることが多くありますが、実際は方法の違いはあれど、思想に多くの共通点があります。
本セッションは実際に用いられる手法をベースに、クリーンアーキテクチャとして語られる概念がどのようなものであるのかを、KMPのコードベースでお話ししていきます。
プッシュ通知は、ユーザーとのコミュニケーションを強化し、アプリケーションの価値を高める重要な機能です。
このセッションでは、モバイルアプリとサーバーサイドの両方をKotlinで実装し、プッシュ通知についての基本的なプロセスを紹介します。
Androidでのプッシュ通知の設定方法から始め、Kotlinを用いたシンプルなサーバーサイドの通知送信の例までをステップバイステップで説明します。
またFirebase Cloud Messaging (FCM) の基本的な使用法を解説し、実際の通知の設定、テスト、デバッグ方法についても紹介します。
このセッションは、プッシュ通知をこれから学び始める方に最適です。
株式会社Voicyでは、かつてモバイルアプリの新規機能開発時にKotlin Multiplatform(KMP)を導入することに挑戦しました。
実際にAndroid版で使用するまで開発を進めましたが、最終的にiOS版では導入せず、最終的にAndroid版からもKMPのコードを取り除くに至っています。
本セッションではこの判断の経緯をお話ししながら、今導入するならどうするか?の視点でも考えつつ、お聞きの方がKMPの導入を検討する上で参考にしていただきたい項目をお伝えしていきます。
セッション内要:
・Kotlin Multiplatformの導入に至った経緯
・運用方法とその課題、iOS版への導入見送りの理由
・機能を保ちながら、Android版のKotlin Multiplatformコードを取り除く方法
・これから導入を検討するには何を考えるか?
Kotlinはドメイン知識をコードとして表現するのに優れた言語だ!
実際そう感じた事例として既存の複雑なコードをKotlinの機能を用いてDSL的に宣言的に表現することができました。
その結果、開発者にコードの意図が伝わりやすくなるだけでなく重複処理を省くことや無駄な処理を省くことによってプロダクトの機能の大幅は速度改善に寄与できました。
このセッションではKotlin DSLを用いたサーバーサイド開発の改善について実例に沿った内容でご紹介していきます。
Jetpack Compose(以下、Compose)の登場により、AndroidにおけるUIの記述はView/XMLの時代から大きく変化しました。
Composeのような宣言的UIでは、与えられた入力値を元にUIの全てが決定するため、コンポーネントが何のパラメーターをどのように持つのか、といったAPI設計が品質に大きく影響します。
また、Composeは関数をベースにした記述方法であり、Kotlinの言語機能も上手く活用したAPI設計が必要になってきます。
本セッションでは、State hoistsingやState holder class、Slot API、Relaxed APIといったComposable関数のAPI設計にまつわるベストプラクティスについて軽く触れたのち、
それを、いつ、どのように適用していくべきか、是非を含めて実例を元に実践的な議論をしていきます。
Kotlin/NativeはKotlinの文法でバイナリが吐き出せるという夢のような技術ですが、実際の実装に当たっては辛く厳しい道のりが待ち受けています。
本セッションでは、Kotlin/JVMを使用してサーバサイド開発を行っている開発者を対象に、Kotlin/Nativeのサーバサイド分野での可能性を以下のような内容から探ります。
・VMが不要になることの利点
・C言語ライブラリとの連携方法
・Kotlin/Nativeにおける制限
・SSL通信の統合
kotest は、 Kotlin ネイティブなテストフレームワークで、Kotlin で書かれたコードをテストするための強力で便利な機能が多く含まれています。
Kotlin/JVM では、テストに JUnit を使っている方が多いと思いますが、アサーションライブラリが Java しか考えていなかったり、coroutines, 非同期処理への対応が弱かったりと、もっと Kotlin の機能を最大限に活用して快適にテストを書きたいと思われる場面も多い事でしょう。
kotest は、アサーションライブラリだけを JUnit と組み合わせて使うこともできるし、テストフレームワーク全体を kotest へ置き換えることも可能です。
このセッションでは、主に今 JUnit を使ってテストを書いている方を対象に、kotest へ移行するとどんな良いことがあるのか、移行のやり方や具体的な実例を紹介します。
Linter導入していますか?
Linterはコーディング規約を遵守しているかを検査したり、潜在的なバグのにおいを検知してくれたりと開発をするうえでとても頼りになる存在です。
また非常に多くのルールが標準で用意されているためこれらを利用するだけでも有用ですが、自分たちで適用するルールを選択したりカスタムルールを作成することもでき、柔軟な設定をすることができます。
一方でその柔軟さのあまり、使いこなせていないと感じたり、実は形骸化してしまっていてるといったケースもあるのではないでしょうか。
本セッションでは、ktlintやdetekt、Release1.0間近のKonsistといったKotlin向けのLinterの特徴や活用シーンなどを再履修し、「なんとなく」から「意識的に選択・活用できる」ようになることを目指したいと思います。
Kotlin Coroutinesを使えば非同期処理を比較的簡単に書けますが、それでも複数のコルーチンから共有リソースにアクセスするときには最大限の注意を払う必要があります。
例えば、あるコルーチンで変数を読み込み、その値を元になにか操作を行い、結果をもとにその変数を上書きするとします。
その間に他のコルーチンによって値が書き換わることはないでしょうか?
その結果、予期せぬ不具合を引き起こしたりしないでしょうか?
正しく共有リソースを扱うためには、MutexやStateFlowのupdate関数など、それが考慮されたAPIをうまく組み合わせる必要があります。
また、1スレッドを使い回すディスパッチャと複数スレッドを使うディスパッチャがありますが、気をつけるべき点は異なります。
このセッションではどのようなコードで注意が必要なのか、また期待通りに動作させるための方法について紹介します。
アプリケーション開発をしていて、何か素敵なアイディアが浮かんだら、ぜひそれをライブラリとして公開してみましょう。
一方で、ライブラリの運用には思ったより手間暇がかかります。
デプロイのフローやドキュメントの更新等、自動化できるものはできる限り自動化しましょう。
このセッションでは、私が実際にいくつかのライブラリを公開した経験をもとに、ライブラリを公開する方法から、それを楽に運用するためのコツについて紹介します。
K2コンパイラによりKotlinコンパイラへの注目度が増してきています。しかし、業務を始めたばかりの状態でKotlinコンパイラ全般に対する理解を深めるのは中々に大変な道のりです。
この発表では、KSPのコード生成の仕組みを追いながら、Kotlinコンパイラを理解する入り口に立つことを目標としています。
Kotlin Multiplatform (KMP)は新しいKotlin開発のトレンドとなり、日々AndroidやKotlin/JVM専用だったKotlinライブラリがKMPに移行しています。Kotlin生態系を発展させていくには、われわれがKMPに対応したライブラリを公開していく必要があります。
Kotlin 2.0に向けて、wasmJsターゲットが追加されたKotlin本体も、Gradleプラグインやプロジェクト構成も、大きく変わってきていますが、KMPの本格的なライブラリ生態系には不可欠であろうネイティブライブラリの呼び出しや、それらを踏まえたMavenパッケージのビルドや配布など、未整備の部分も多いです。
このセッションでは、2024年にKMPでライブラリを構築して公開するまで、どんな課題をどうやって乗り越える必要があるのかを、自作ライブラリの経験をもとに皆さんに共有します。
私は、株式会社フライル (以下弊社) で働いています。弊社はプロダクトマネジメントやVoC分析を効率化するSaaSです。
弊社はバックエンドを全てKotlinで実装しています。
弊社はこれまで、LLMを含む機械学習を使用した機能を10個リリースしました。
これらの機能には、単にLLMを呼び出すだけの機能もあれば、クラスタリングアルゴリズムを使用する機能もあります。
これらの機能を開発する際、技術的な論点として、「Pythonで実装するべきか」があります。
Pythonを選択するメリットとして、クラスタリングなどの機械学習処理が非常に充実している一方、
デメリットとして、PythonとKotlinの連携が必要になったり、そもそもPythonに慣れているエンジニアが少ない、などがあります。
このセッションでは、KotlinとPythonの分界点について、自社での経験を共有します。
Kotlinでよりアドバンスな抽象化を記述する際には、ジェネリックスの使い方をしっかりと把握しておく必要があります。
本セッションではジェネリクスの強力な機能を広く深く探求し、型パラメーター、変性、そしてreified genericsを含む、Kotlinの型システムを強化する要素を詳細に説明します。
Konsistは、Kotlin言語用に特化されたstructural linterです。共通のコーディング規約の順守を保証することで、コードの可読性と保守性を向上させることを目的としています。
また、Konsist APIはJUnit4、JUnit5、Kotestなどの主要なテストフレームワークともスムーズな統合ができ、KMPにも対応可能です。
このセッションでは主に
の流れでKonsistを一緒に理解していき、Konsistの魅了を紹介していきます!
この発表では、Kotlinのコードでドメイン上の意図や意味を表現するテクニックとして、DSL(のような)手法を紹介します。
ビジネスロジックをDSLとして実装することでコードの意図や構造を明確に表現でき、可読性や保守性が向上します。一方で、設計には常にトレードオフがあるため上手に設計判断を行う必要があります。
発表ではKotlinの言語機能を活用したコード例を示しながら、設計の考え方やトレードオフについて話します。
さらに株式会社ヘンリーでの事例も紹介し、DSLを活用する際の留意点を共有することで、聴講者がこのような設計を行う際の指針を得られることを目指します。
DetektはKotlinの静的解析ツールであり、コード品質を担保するためのルールを提供しています。
しかし、開発をしていると、既存のルールだけではカバーしきれない場面も出てくるのではないでしょうか?
(例えば、Modifier.Paddingの引数の順番をstart/top/end/bottomに統一するなど)
このセッションでは、Detektのカスタムルールを作成する方法に焦点を当て、具体的な手順を示します。
現状の発表の内容の構想は以下のとおりです
サービスの体験をパーソナライズし、興味のあるコンテンツを楽しんで貰うためには、
各種クリエイティブ(バナー・ポップアップ等)のターゲティング(by 年代、性別、OS、etc)が欠かせません。
最初は個別に実装する事が多いですが、露出面nとターゲティング条件mが増えた場合、O(n x m) の実装・メンテナンスコストがかかってしまい、共通化が必要となります。
今回の発表は、新規作成された共通化Platform上における課題:『マーケターを初めとする全社員が、ユーザーの条件やその AND/OR/NOT の任意の組み合わせによるターゲティングを可能とする』を、
Kotlin で実装した YAML ベースのユーザーターゲティングDSL(独自言語)とその処理系によって解決した事例の紹介となります。
安定的な拡張を行うためにKotlinの型が果たす役割についても取り上げます。
Kotlin(Java)では日時情報を簡単に扱うためのAPIが多く提供されています。
簡単に扱えるがゆえに間違った使い方をすると、思わぬ不具合を引き起こします。
本セッションでは、業務で実際に発生した日時情報に関する不具合を紹介し、
その不具合を通して弊チーム内でどのような対策をしているのか話します。
トピックは以下のとおりです。
・Kotlinの日時に関する機能を紹介
→ kotlinx-datetimeの紹介
→ Javaとの違いはある?
・業務で実際に起きた不具合の紹介
・日時情報に関するチーム内ルール
→ 日時情報の表現方法
→ 期間の扱い方
多くのプログラミング言語は、Language Specification(言語仕様)がドキュメント化されており、だれでも閲覧できます。
Kotlinも例外ではありません。
言語仕様を読むことで、その言語に対する理解が深まり、知らなかった機能を発見することもあります。
しかし、言語仕様=とっつきにくいものと感じている人も多いのではないでしょうか。
本発表では、Kotlin Language Specificationで定義されているKeyword(予約語)を取り上げます。
いっしょにKeywordを見ていく中で言語仕様を読み解く楽しさを共有できればと思います。
トピック
・Language Specification とは
・KotlinのKeyword(予約後)を見てみる
→ Keywordをいくつか取り上げて深堀り
・Keywordについて読み、言語仕様を学ぶ意義(=楽しさ)を考える