JSer.info・textlint・jsprimerというプロジェクトを通じて、私は「書くことは読むことである」という理解に辿り着きました。
この発表では、興味本位で始めた日々の情報収集がツール開発を経て大規模プロジェクトの設計技術へ発展するプロセス、
読む→書く→伝えるの段階的変化についてお話しします。
まず「読む技術」として、JavaScriptの情報サイトであるJSer.info(14年間で750記事)の更新を支える情報収集システムを紹介します。
次に「書く技術」として、読むだけでは物足りず「書いてみよう」と思った経験から始ったPromise本執筆時の表記揺れ問題をきっかけに作った、textlintについて紹介します。
書くことで増える読む量や、AI時代における文章品質の自動化の進化についても、textlintのMCP対応のデモも交えて紹介します。
最後に「伝える技術」として、jsprimer という JavaScript 入門書を継続開発する際の文章設計について紹介します。
Design Doc による文章の設計、Living Standard アプローチ、既知→未知の原則、書きやすさより読みやすさを優先する設計思想などを扱います。
また、オープンソースとして100人以上がコントリビューターと参加してもらった仕組みやGitHub Sponsors/Open Collectiveによる経済も触れます。