deckはk1LoWさんが開発された、MarkdownからGoogleスライドを継続的に作成するための非常に優れたOSSであり、Goで書かれています。
筆者は、7月からこのツールを使い始めると同時に、その後の数ヶ月で多くの改善提案及びpull requestを行いました。コード行数にすると1万行以上に及びます。最終的にはコア開発者にも加えてもらいました。
deckを使いやすくするための数多くの変更をおこないましたが、中でも特筆すべきはそのパフォーマンス向上でしょう。10分以上かかっていたスライド生成が10秒以内で完了するようになったケースもあり、実に100倍以上の高速化を達成しています。
これらは、良く言われる「計測」で達成できた部分もありますが、実際にはTidy First的に仕様やコードの整理整頓をする中で自然と速くなったもの、その過程で高速化のアイデアが湧いて実現できた物も少なくありません。その過程で作者のk1LoWさんとも議論を重ねることもありました。それらの段階的な改善が、結果的に劇的なパフォーマンス向上に繋がったのです。
本トークでは、実際のdeckの高速化の旅路を具体的事例にとり、OSSやソフトウェア開発におけるパフォーマンスチューニングの秘訣についてお話します。