私は2024年の2月からWebKit(実際にはその中のJavaScript処理系であるJavaScriptCore)への貢献を開始し、1年後の2025年2月にレビュワーという最も強い権限を持つメンバーの一人になりました。
そして、2025年8月にはWebKitへの貢献が評価され、それに関連する職を手にいれることができました。
私はこれまで基本的に一人でWebKitへの貢献を行ってきました。
周りに質問できる人が全くいない中、コードベースへの理解はもちろん、独自の開発文化なども身につけながら、コミュニティからの信頼を得られるように努力してきました。
その中で「大規模なOSSに一人で立ち向かう」ためのアプローチが少しずつ見えてきました。
この発表では、WebKitのような大規模かつ技術的に複雑で歴史の長いOSSプロジェクトに一人で立ち向かい、技術的な理解を身につけながらコミュニティからある程度認められるようになるための方法について、なるべく再現性のあるアプローチについてお話しします。