ビジネスがわかるエンジニアになろう:経営学とエンジニアリング、その共通点と活用法 by nrs / 成瀬允宣

PHPerKaigi 2026
レギュラートーク(20分)

ビジネスがわかるエンジニアになろう:経営学とエンジニアリング、その共通点と活用法

nrslib nrs / 成瀬允宣 nrslib
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本トークでは、経営学のノウハウをいくつか取り上げ、エンジニアの実務でどう活かせるか、具体的なシーンとともに紹介します。

私はCTOになったことをきっかけに、約1年前からMBA(経営学修士)プログラムで学んでいます。
現在はCTOを退任しましたが、今も続けています。
単純に「便利だ」と実感しているからです。

学んでみて気づいたのは、エンジニアリングと経営学のアプローチが似ているということでした。
問題を構造化し、制約の中で最適解を探し、仮説を立てて検証する。
フレームワークで思考を整理し、他者と共有可能にする。
違いは明確な答えがあるかないかです。
エンジニアにとって経営学は馴染みやすく、実務へ接続も難しくありません。

具体的な効果を挙げると、たとえば経営会議では、なぜ経営陣がそのような判断をするのか、その思考プロセスを理解できるようになりました。
また、メンバーとの1on1やメンバーが上程する際のフォローも理論を背景にして行えます。
よりエンジニアリングの文脈であれば、ドメイン駆動設計のサブドメイン等に対する解像度、技術的負債の返済優先度、イノベーションの進め方などのエンジニアリングの判断にもビジネス視点が自然と入るようになりました。
私個人の話でいえば、クリティカルシンキングやファシリテーション、ネゴシエーション等の知識は、レビュー、設計議論、ステークホルダーとの調整等、さまざまな場面に直結するスキルで、もっと早く知りたかったと感じています。

トークの中で紹介するノウハウは、MBAプログラムに通わずとも関連書物を紐解けば習得・活用できるものです。
エンジニアと経営学、その共通点から学びやすさを、そして活用法から相性のよさを感じていただき、皆様のキャリアを広げる新たな要素にしていただけることを目指します。