にしはら ちひろ
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① 発表概要
エンジニアとして生き残るために必要なのは、最新技術を追い続ける圧倒的な才能や、洗練されたセンスだけでしょうか?
私はこれまでのキャリアの中で、結婚、出産、育児、そして予期せぬ癌治療という、人生の大きな転換点をいくつも経験してきました。一時はコードを書く手が止まり、キャリアの断絶に怯えたこともあります。しかし、そんな「人生の割り込み処理」を経て辿り着いたのは、「何があっても、ただ淡々とエンジニアを続ける」という、執着のない、しかし強固な「ニュートラル」なスタンスでした。
本セッションでは、特別な才能に頼らず、ライフイベントの荒波をどう受け流し、プロダクトエンジニアとして歩み続けてきたかを語ります。2026年という節目に、「いまから、ここから」再び歩き出すための、等身大の継続術をお伝えします。生き残ることに必死になるのをやめた時、逆に見えてきた「エンジニアで居続けること」の本質を共有します。
② 発表の詳細
本セッションの核心は、「エンジニアという職業を、人生の長距離走としてどう運用するか」という知恵の共有です。40歳を過ぎ、多くの「ままならないこと」を経験したからこそ見えた景色を、以下の構成で解き明かします。
「生存」のハードルを極限まで下げる
「常にトップランナーでなければならない」という強迫観念を捨て、低空飛行でも「打席に立ち続ける」ことを最優先したマインドセットについて。才能やセンスという言葉に踊らされず、自分だけの歩幅を守る技術を紐解きます。
人生の割り込み処理の実録とプロダクトへの還元
結婚・育児: 物理的な時間制約を「開発における制約条件」と再定義し、限られたリソースで最大成果を出すための思考プロセス。
癌治療: 治療による「キャリアの断絶」がリアルに迫った時、あえて仕事への執着を手放す(ニュートラルになる)ことで、逆に「モノづくり」が精神的な回復の拠り所となった逆説的な体験。
「継続」を支えるプロダクト思考
技術の流行り廃りに一喜一憂せず、自分自身のキャリアを「長期運用されるプロダクト」として捉える視点。結局、最後に現場に残っているのは「一番速い人」ではなく「辞めなかった人」であるという事実を、実体験ベースで提示します。
2026年、いまから、ここから
数々の喪失と獲得を経て、40代になった今が一番「プロダクトづくりが楽しい」と言える理由。若手や同世代に伝えたい、しなやかな適応力について。
【話さないこと】
・ 特定の技術スタックの詳細解説
・ お涙頂戴な闘病記(あくまでエンジニアとしての生存戦略にフォーカスします)
③ 想定する聴衆とその人たちが得られるもの
【想定する聴衆】
・ ライフイベント(育児・介護・病気等)とキャリアの両立に不安を感じている方
・ 「技術トレンドを追いきれない」というプレッシャーに疲弊している中堅・ベテラン
・ エンジニアを一生の仕事にしたいが、自分の才能に自信が持てない方
【得られるもの】
・ 完璧主義を捨て、自分のペースでキャリアを継続するための具体的なマインドセット
・ 人生の大きな変化や制約を「前提条件」として受け入れ、エンジニアを辞めずに運用し続ける考え方
・ 「続けてさえいれば、なんとかなる」という、根拠のある自信と勇気
④ なぜあなたがこのトピックについて話すのか
私は、20年近いキャリアの中で、結婚、出産、育児、そして癌治療という、一般的に「キャリアの足枷」になり得る出来事をすべて経験しながら、今も現役のプロダクトエンジニアとして仕事を続けています。
昨年に受けたインタビュー( https://life.job-draft.jp/2025/07/31/1015/ )を通じて改めて自身の歩みを棚卸しした際、私を救ったのはスキルやセンスではなく、「どんな状況下でも、ニュートラルな状態で、ただ淡々と継続してきたこと」だったと痛感しました。
この「執着しない継続」こそが、変化の激しい現代における最強の生存戦略であると確信しています。2026年、不確実な未来を前に立ち止まりそうな仲間たちに、私の経験を「一つの動作サンプル」として提示したい。その一心で、このお話が出来たら嬉しいと考えています。