高橋直規
asagayanaoki
①発表概要
私は40代を迎え、8年ぶりに実装の現場に戻り、チーム開発の壁にぶつかりました。
かつてはスマホアプリのバックエンドを一人で担い、プロダクトに求められる複雑な要件を構築していきました。
その後、マネジメント中心のキャリアに移りながらも、プレイヤーであり続けたい葛藤を抱えていました。
そして、昨年本格的な実装に復帰しました。
そこには想定以上に何もできない自分がいました。言語や領域の違い以上に、チーム開発を知らないことに気づきました。
そこからの学びは、エンジニアとしてやり直しの機会となりました。
現在、AIが開発速度を上げる中で、意図の共有や意思決定を同期しながらチームで開発を進めることが、より難しくなっていると感じます。
そうした経験から、プロダクト価値やチーム成長のためのマネジメントの道を歩みたいと考えることができました。
実装とマネジメントの間で揺れる方が、次の一歩を選ぶ視点を提供できれば幸いです。
② 発表の詳細
私は40代を迎え、マネジメント中心の8年間を経て実装の現場へ復帰しました。
復帰前の私は「昔はバックエンドを一人で担い、複雑な要件も作り切れた」という成功体験を持っていました。
しかし、昨年プロダクト開発で本格的に実装へ戻ったとき、そこには想定以上に「何もできない自分」がいました。
言語や領域の違いだけではなく、「チームで価値を届ける開発」を意識できていなかったことに気づきました。
当時の私は、ボールを持った一人がゴールを決めるように、個人の裁量で設計・実装を進める感覚が残っていました。
一方、新しく担当したプロダクト開発は、バックエンドだけで完結しません。
フロントエンド、インフラ、運用監視、品質、リリース後の改善までを前提に、チームで分担とレビュー、合意形成を繰り返しながら価値を届けます。
バックエンドの強みだけでは通用せず、フロント・インフラの学習コストに圧倒されました。
自分が強みだと思っていた領域だけに閉じていると、チームの前進を阻害してしまうことすらありました。
ここで私は、技術のキャッチアップ以上にチーム開発を学び直す必要があると気づきました。
仕様については誰かが一人で考えて書いていくのではなく、チームで語って作り上げていくことが重要と知りました。
テストから得たフィードバックは次のプロセスに活かしていくことに気がつきました。
誰かひとりが考えるのではなく、チームでプロダクト価値を実現していくことの重要性を学びました。
さらに現在、AIが実装速度を押し上げる中で、意図の共有と意思決定の同期がこれまで以上に難しくなっていると感じています。
各自がAIと対話して速く進められるほど、前提条件や判断軸が個人の中に閉じ、レビューで初めてズレが顕在化することがあります。
何よりもチーム内での対話よりも、個々人でのAIとの会話の方が多くなっていると感じています。
そこにはプレイヤー個々人の意識以上に、より俯瞰した立ち位置での推進が重要になると感じました。
この一連の経験を通じて、私は「強い個になる」よりも、「強いチームを支える」ことに価値を見出すようになりました。
プロダクト価値とチーム成長を両立させるために、私は改めてマネジメント(EM/PM)の道を志しています。
実装とマネジメントの間で揺れる方が、自身の次の一歩を選ぶための判断軸を持ち帰れる内容としてお届けします。
③ 想定する聴衆と、その人たちが得られるもの
・想定する聴衆
・得られるもの
④ なぜこのトピックについて話したいのか
私は、バックエンド開発で成果を出していた時期を経て、管理中心の役割が長くなりました。
その結果、プレイヤー復帰をした際に「自分はチーム開発を知らなかった」という事実に直面し痛手を経験しました。
一方で、その痛手を起点に、学びと実践を基に、プロダクト/プロセス改善を内側から推進できる状態まで戻すことができました。
いまAIが開発の前提を変える中で、私が得た痛手からの学びを「チームで生きのこる」ための知見として共有したいです。