ガオリュウ
DiscoveryCoach
1.発表概要
会社は、思っている以上に変わります。
事務所の閉鎖、親会社への吸収、給料未払い、事業譲渡、100人規模の希望退職。IT業界で働く中で、私が体験してきた組織の大きな変化です。
組織の方針は個人ではコントロールできません。その変化の中で、社外コミュニティでエンジニア同士が話し合う場づくりに出会います。そこで「うちの会社で教える側になってよ」と誘われました。自分では仕事とは別の活動として続けていた実践が、誰かの目には仕事の価値として映っていた。そのとき、自分の軸に気づかされました。
軸は意識してつくるものというより、実践の中で形づくられていくものなのかもしれません。組織が揺らぐ時代に、私がどのように在り方を選び続けてきたのかをお話しします。
2.発表の詳細
会社は、思っている以上に変わります。
事務所の閉鎖、親会社への吸収、給料未払い、事業譲渡、100人規模の希望退職。IT業界で働く中で、私は何度も組織の大きな変化に立ち会ってきました。
振り返ると、原体験はもっと前にあります。小学5年生のとき、東京から奈良へ転校しました。子どもにとっては地殻変動のような出来事で、自分ではどうにもならない環境の変化でした。言葉や文化の違いの中で、ただ必死にきのこるしかなかった。その経験は、今もどこかに残っています。
だからか、転校生には自然と目が向きます。転職してきた人のオンボーディングを丁寧に行うのも、同じ感覚からだと思います。
組織の方針は個人ではコントロールできません。十分な準備もないまま新人が現場に送り出されることもあります。知見のない状態で大きな変化にさらされれば、本人にはどうにも抗えない状況が生まれる。その姿を見るたびに、不条理さややるせなさを感じてきました。
私なりの「きのこる術」は、向き合う相手やチームの“望み”を見つけることです。そしてそれを、研修や学び、ワークショップという形にして渡すこと。変化の波の中でも、自分で考え、選び、支え合える力を育てる場をつくる。それが、私が選んできた在り方です。
社外コミュニティでエンジニア同士が話し合う場づくりに関わる中で、「うちの会社で教える側になってよ」と声をかけられました。自分では仕事とは別の活動として続けていた実践が、誰かの目には仕事の価値として映っていた。そのとき、自分の軸に気づかされました。
軸は、意識してつくるものというより、実践の中で形づくられていくものなのかもしれません。そしてその軸は、自分を守るためだけでなく、誰かを支える中で育っていくのだと思います。
「きのこる」とは、自分が生きのこることだけでしょうか。私の今は、これまでに受け取ってきた恩送りの積み重ねでできています。その恩送りは、特定の誰かに返すものではなく、次の誰かへと渡されていくものだと思っています。
それは、同僚でもいい。部下でもいい。今日この会場で偶然隣に座っているその人でもいい。
組織が揺れ続ける時代だからこそ、あなたのそばにいる誰かを支える側に立つ。その選択が、やがてまた別の誰かを支える力になっていく。私は、そう信じています。
3.想定する聴衆とその人たちが得られるもの
想定する聴衆
・組織の変動や方針転換に揺れているエンジニア
・部下や後輩を持つ立場にいる中堅〜ベテラン層
・自分の軸をどう育てればよいか模索している人
得られるもの
・「きのこる」の意味を自分なりに再定義する視点
・軸は意図してつくるのではなく、実践の中で形づくられるという実感
・自分が生きのこるだけでなく、誰かを支える側に立つという選択肢
4.なぜこのトピックについて話したいのか
私はこれまで、組織の大きな変動に何度も直面してきました。その中で、自分自身がどう生きのこるか以上に、準備の整っていない後輩や仲間が理不尽にさらされる状況にやるせなさを感じてきました。
その経験と、転校という原体験が重なり、支える側に立つことを選びました。私の今は、多くの人から受け取ってきた恩送りでできています。だからこそ、その恩送りを次に渡していきたい。
きのこる時代だからこそ、誰かのそばに立つ。その在り方について、話したいと思いました。