エンジニアがこの先生きのこるためのカンファレンス2026
通常セッション(20分)

エンジニアとしてコードより組織を書くという仕事へ ~生成AI時代にVPoEというキャリア選択~

橋本 将吾
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①発表概要
生成AI活用時代において、人間だからこそできる仕事こそが「この先生きのこる」鍵になると信じています。
多くの現場で、開発組織の課題、事業進捗の壁、評価の悩みなどが尽きません。しかし、そこに本気で立ち向かう人は圧倒的に少ないのが現実です。
だからこそ、エンジニアからVPoEになり約7年、泥臭い課題に向き合ってきた私自身のキャリアを元に、「攻めの選択肢としてのマネジメント」についてお話しします。 「コードを書くのも良いけど、マネジメントも案外ありだな!」と、新たなキャリアの可能性を感じていただけるノウハウや考え方をお伝えします。

②発表の詳細
この発表では3つのセクションでお伝えしたいと考えています。
自身のキャリア形成や価値観を中心にお伝えさせていただき、生成AIでは担えない領域として組織や文化づくりのポイントやノウハウをお話させていただきます。

1,自身キャリアとターニングポイント
・新卒SESエンジニア
 ・顧客の顔が見えないもどかしさと、クライアント要求と自分のアイデアとのギャップ
・メガベンチャーで圧倒的成長
 自身の価値観、キャリアのベースへ
 ・売上、利益、コスト、QCD調整…ビジネス視点を持つエンジニアへの脱皮
 ・サービスの拡張、顧客獲得、流通拡大への意識変革
・4期目ベンチャーでの洗礼
 ・「組織づくりはコードより難しい」という現実
 ・4サービスを作り、3サービスを閉じる(組織解散)経験
 ・メンバーの不満から学んだ「自分を変えねば」という痛切な教訓
・VPoEとしての初キャリア
 ・組織崩壊を前提とした「ゼロから作る」覚悟
 ・「強いエンジニアを集めれば勝てる」わけではないチームの力学
 ・自分がJOINした目的と、組織づくりのゴール設定

2、現在のITエンジニアに求められる「生存能力」の変化
「Webサービスを作って営業すれば売れる」という時代は終わりを迎えつつあります。
巨大プラットフォーム化、専門領域DX、BPO領域への深化など、業界構造は変化しています。

  • 開発組織の役割転換
    • 「動くものを作る」から「事業戦略を理解し、売れるものを作る」へ
  • 期待値の変化
    • コードの品質だけでなく、事業インパクトそのものがエンジニアの生存要素に
  • 業界共通の課題
    • この変化は自社サービスだけでなく、SIer業界にも通じる普遍的な課題

3,VPoEへの実践と心構え
「マネジメント」や「組織づくり」は、転職しなくても今の会社で始められます。
私が実践してきた具体的なアクションと、マインドセットの変え方をお伝えします。
・自分を変える勇気:自分の軸と関わり方の変化
・視座の転換:顧客に向き合う文化を作り、「課題解決者」という役割を担う
・評価と文化:アウトプット(作った量)からアウトカム(出した成果)へ評価軸を変える
・チームの融合:事業企画と開発組織を「縦割り」にせず、1つのチームにする仕掛け
・組織戦略:採用の戦略、そして必ず起きるハレーション
・ゴールの設定:自分たちは何のために組織を作るのか?
など

③想定される聴衆・得られるもの
【想定聴衆】
・マネジメントに行くべきなのか悩んでいる人
・組織の中でミドル層以上になりEMなどマネジメントの役割をやり始めた人
・プロダクト方針、開発組織課題や評価などにモヤモヤしている人
【得られるもの】
・マネジメントで行うべき行動とスタンス
・社内外から評価されるためには何を意識すべき視点
・事業づくり、組織づくりというエンジニアリングからの視点

④なぜ私が話すのか
事業成長やプロダクト拡張に応じてエンジニア組織の大きさと比例して課題が大きくなり
そこに対していつの間にか幅広く課題解決者として猛進していると、30代からは開発責任者としてキャリアを積んでいくに連れ、
他社から「開発組織の課題」の相談を受け始め、周りからも「そんな大変なことよくやるよね」と言われるような評価になりました。
現在では生成AIでは置き換えが難しいVPoEという役割が多くの企業で求められていると思い、だからこそ価値があると確信しています。