本セッションは、組織文化が曖昧な言葉になってしまっているとメンバーに思われていないか懸念しているマネージャーに向けて、組織の質を明確に制御可能にする方法を解説します。
観察や実行、評価することが困難な「文化」に介入するのではなく、観察/実行/評価が明確な行動(プラクティス)の集合を対象にすることで、ふるまいをエンジニアリングを可能にし、結果として上質な組織文化を構築します。
様々なメンバーがよりよく働ける状況を整え、顧客に優れたプロダクトを提供するために、組織文化というコンセプトがよく使われます。しかし、この組織文化は観察が難しく、よくするための方法や、評価も簡単ではありません。
下記に答えることは容易ではありません。
・何が組織文化で、何が組織文化ではないのか(観察)
・どのように質を上げるのか(文化としての実行方法)
・その質の良し悪しをどのように評価するのか(評価)
プラクティスというコンセプトがあります。望ましい状態を引き起こす繰り返される行動といえるものです。
たとえば、挨拶は、会社の出退勤や、他部署の人達とのミーティングで行われます。人が境界を通る際に行われるもので、一日当たり少なくとも2回、実施時間としては数秒ほどで行われる行為です。1on1は会社によっても実施は異なりますが、メンターとメンティーの関係にある二人が毎週30分から1時間行われる行為です。
こういった活動の集合が組織のふるまいになります。あいさつといった些細な行為も、人によって気持ちよいものもあれば、そうでないものもあるでしょう。質があるということです。質の良し悪しを理解するとうまくできるようになります。
このように、社内で行われるより良い状況を生み出すために行われる活動を、質的に制御可能なエンジニアリング対象として捉え、その行動の観察/代替策の実行/評価を通すことで、組織集団としてのふるまいを短期間で改善する方法を解説します。
・好ましい状況を引き起こす活動の観察できるようになる
・さまざまな活動を組織の全体性の観点から整理できる
・些細な行為を含めて評価できる
・行為の改善を実行できる