近年、エンジニアには事業への貢献が求められています。エンジニアリングマネージャー(EM)も、ピープルマネジメントやテクノロジーマネジメントに加えて、「事業への貢献」が組織内で期待されるケースが増えてきました。私が所属するコインチェックでは、プロダクト改善と事業収益の強化を目指し、職能別から事業部制への組織改革を実施しました。
組織改革の結果、バックエンド領域のEMであった私は、売上の90%以上を占める9つのサービスを管轄する事業部の責任者となりました。
コインチェック設立以来初の事業部制導入という状況下で、全社が手探りで進めている中、予算管理や経理、内部統制、法務、リスク管理といった分野をキャッチアップしつつ、事業部を運営する大変さは当初の想定を上回るものでした。その結果、発足から1年の間に2つの新規サービスの立ち上げ、資本業務提携、機能改善、複数通貨上場を実現しました。
結果は上々でした。が1年を振り返ってみると、事業部運営においてEMとしての経験が事業にプラスの影響をもたらした面もあれば、
課題・さらにはマイナスの側面もあったと感じています。
この発表では、事業部長としての1年間を振り返り、EMとしてのキャリアが事業貢献にどのように影響したのか、
プラスとマイナスの両面、そしてそれに対する対応策・キャッチアップに役立ったおすすめ本を共有します。
EMから事業部長に転身した経験を通じて、EMやエンジニアの視点から事業貢献を果たすことのメリット・デメリットを明らかにし、
EMの立場から事業貢献するための考えるきっかけを提供します。