エンジニアリングマネージャ(EM)の役割は、組織の文化や価値観によって大きく異なります。
私が会社で初めてEMという役割に任命されたとき、求められたことは多岐にわたり、
まさに開発に関連する何でも屋(Everything Manager)でした。
私がEMになった2023年当初、開発部は10チームで編成されていました。
それが2024年には17チーム、現在では20チームを越えようとしています。
このような急速な成長の中で、EMの担う業務は徐々に増えていき、ついにその限界が見えてきました。
このままでは組織をスケールすることができなくなってしまう―
私達はこの課題に対して、大規模アジャイル(SAFe)の知見を借りて改善をはじめました。
まずはSAFeに定義されるフレームワーク、役割、エッセンスを現状の組織に当てはめることで、
私達の中でEMの役割を再定義することにしました。
この取り組みの中で、技術に対する責務を「システムアーキテクト」という役割として新たに切り出したことで、
EMはどういった役割を担い、どういった結果が成果として評価されるのかが明瞭になりました。
結果として、私達は無理なく組織をスケールできる組織に変わりつつあります。
本セッションでは、初代EMとして経験した試行錯誤から、SAFeの導入を経て、
組織固有の文脈に基づいたEM像を確立するまでの実践的な経験を共有します。