いままで、エンジニアリングマネージャー(EM)とチームリードの役割を行き来してきました。今年入社した職場では、新チームの立ち上げのチームリードを担うことになりました。初期は、チーム基盤やプロダクト基盤を構築し、技術方針やアーキテクチャの意思決定に従事しながら、プロダクトとチームの成長を支えました。しかし、立ち上げ段階からの継続的な「自転車操業」により、組織全体の中長期的な課題に割く時間が不足していることに気付きました。
エンジニアリングマネージャーとして、組織課題に取り組むにはチームの技術リードをメンバーに委譲し、チームが自律的に動ける体制を整えることが重要です。そのため、チーム内での期待役割の明確化と、適切な権限委譲のプロセスが不可欠です。
しかし、チーム内でワークショップを実施した際、多くのメンバーからは技術的なリーダーシップを期待されていることが判明し、自分が組織課題に注力したいという方向性とのギャップに悩みました。
このセッションでは、EM、リーダー職が組織課題に越境して関わるための権限委譲の重要性、期待役割の可視化とギャップ解消に向けて模索した具体例ををお話しします。