■ 発表カテゴリ
募集要項(https://srekaigi.notion.site/SRE-Kaigi-2026-CfP-25a6f7392c108187a9e6e47c346396b2) にある6つの発表カテゴリからお選びください
・Architecture: SREの視点からのシステム設計
■ 発表概要(400字程度)
本セッションでは Google Cloud から AWS への移行計画の開始当初に検討した内容のうち、Google Cloud で実現している機能を AWS で実装するにあたり、それぞれのサービスの違いなどを考慮しつつ、設計した内容について発表します。
■ 発表の詳細(1000字程度)
クラウドネイティブなレセコン一体型の電子カルテの Henry は 2019年に Google Cloud 上で開発を開始しました。多くの医療機関さんでのご利用が拡大するにつれ複雑な機能を高い信頼性で提供することを求められるようになってきました。このため、今後のサービス成長を見据えてクラウドプロバイダーを Google Cloud から AWS に変更することを決断しました。
Google Cloud と AWS では代替可能なサービスは整っていますが、Google Cloud は AWS と比較してインフラ部分の抽象度が高く、Google Cloud でできていたことを AWS で実現するためにはインフラ部分から設計を見直す必要があります。
そこで本セッションでは Google Cloud で実現している機能を AWS で実現するにあたり、それぞれのサービスの違いと医療ドメイン固有の事情などを考慮しつつ、設計した内容について発表します。
■ 対象聴衆とその人たちが得られるもの
クラウド基盤の運用をしている SRE がクラウドプロバイダーの変更を伴う移設をする場合に考慮するべきポイントを持ち帰ってもらいたいです。
また、移設の予定はなくとも、移設を念頭においたクラウドプロバイダーの比較について知ることで自身が運用している基盤の特性について考え直すきっかけになってもらうと嬉しいです。
■ なぜこのトピックについて話したいのか(モチベーション)
AWS/Google Cloud でサービスを構築する、オンプレで動いていたサービスを AWS/Google Cloud に移行する、同一のクラウドプロバイダーでサービスを作り直すというテーマは割とよく見て、自分もそのアウトプットを先人の知恵として大いに参考にしてきました。しかし、クラウドプロバイダーを乗り換えるというテーマとなるとニュースリリースなどで見かけるくらいで、移行にあたっての設計の勘所などはあまり情報がないと思っています。これはクラウドプロバイダーの乗り換え自体が難易度が高く、かつ、頻繁に発生するイベントではないため、相対的に情報が少なくなっているのだと思います。
サービスの式年遷宮という言葉が数年前に流行ったように、サービスのフェーズや組織のあり方など、時間経過によって適切なクラウドプロバイダーも変わると思っています。
Google Cloud から AWS へのクラウドプロバイダーの移行という稀有な体験をしているので、そこで得られた知見をインターネットでも共有することで、将来同じようなプロジェクトに携わる人の一助になりたいと思い、今回のプロポーザルへの応募を決意しました。