レガシーなホームページからの脱却:SREとサーバーレスで運用を激変 by 赤倉 慎太郎

SRE Kaigi 2026
セッション(30分)

レガシーなホームページからの脱却:SREとサーバーレスで運用を激変

赤倉 慎太郎

■ 発表カテゴリ
Tech: SREを支える具体的な技術や手法

■ 発表概要(400字程度)
60に渡るホームページをレガシーなEC2環境から、AWSサーバレス環境へ移行した挑戦を、SREの視点で紐解きます。多様な事業のサイトがバラバラに運用され、古いCMSや静的サーバーによる手動更新、属人化で運用負荷が爆増。ブランド体験の統一と運用効率化を目指し、AWSを活用したリプラットフォームを実施しました。このトークでは、SREの原則を駆使して運用性を爆上げしたプロセス、失敗談、運用変革を共有します。

■ 発表の詳細(1000字程度)
以下のアジェンダでの発表を想定しております。

  1. レガシー環境の課題とAWS移行戦略
    ・ALB + EC2のレガシーシステムの課題(例:手動デプロイでトイル増大、冗長化環境におけるコンテンツ同期の問題、高トラフィック時のリソース不足など)を深掘り。
    ・CloudFront+S3サーバーレス構成を採用して、S3でコンテンツ一元化、CloudFrontでロード時間短縮、Lambda@Edgeで動的処理、TerraformでのIaCテンプレート化を実現。
    ・CloudFrontのCNAME重複環境における移行戦略を解説。

  2. 実装:ホームページ統合とSRE実践
    当社のブランド力を支えた運用性向上を具体例で示します。
    ・約60に渡る多様なサイトをCloudFront+S3でサーバレス化、Github Actionsでのコンテンツ更新を実現。
    ・ISSUE単位で自動生成されるマルチステージング環境を構築し、フロントエンドエンジニアに検証文化を浸透。
    ・最大2万RPSのLPサイトをCloudFrontへ、Apacheのリバースプロキシでページ単位の移行を実施、多量なリダイレクトをCloud Functions+KVSで処理。
    ・コンテンツ更新時間、運用コストを大幅に削減。

  3. 学びと失敗談
    これらをポストモーテムでSREチーム内での学びに変換しました。
    ・2万RPSのトラフィック環境下でLambda@Edgeの処理遅延が発生、CloudFront Functionsに移行し、レイテンシを改善。
    ・CloudFront Functionsのリダイレクトルール管理でCloudFront FunctionsのKVSを活用、ルールの更新をGithub Actionsにて自動化。
    ・SPAサイトのデプロイフローでJSファイルの更新タイミングの交錯で一時的な障害が発生、デプロイフローの工夫で解決。
    ・検証環境でCloudFront CNAMEが置き去りに、Route 53のクリーンアップで救出。

  4. 最後に
    レガシー脱却と運用性向上の成功をまとめ、オンプレミスからAWS移行で年間運用コスト削減、サーバーレス化と自動化でメンテナンスコストを削減しました。

■ 対象聴衆とその人たちが得られるもの
【対象聴衆】
・SRE、プラットフォームエンジニア、クラウド移行や複数ドメイン運用に取り組む技術者
・古いAWS EC2環境や高トラフィック対応に挑戦する技術者

【得られるもの】
・EC2からCloudFront+S3への移行戦略
・高トラフィック環境かでのCloudFront Functions+KVSの活用
・マルチステージング環境の構築方法と活用

■ なぜこのトピックについて話したいのか(モチベーション)
当社のEC2脱却と運用性向上(トイル削減、コスト削減)の挑戦を共有し、SREの自動化・標準化の価値を伝えたい。
失敗談を通じ、複雑な移行の教訓を提供。参加者のプロジェクトに実践的ヒントを与えたい。