自動ベストプラクティス追従アプリケーション基盤「Chassis」の紹介 by Yoshihiko Kato

SRE Kaigi 2025
セッション(30分)

自動ベストプラクティス追従アプリケーション基盤「Chassis」の紹介

Yoshihiko Kato discord_tech
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■ 発表カテゴリ
・Case Studies: 実際の導入事例や失敗談

■ 発表概要(400字程度)
Sansanの研究開発部では、営業DXサービス「Sansan」内で、未来の働き方を体験できるβ版機能の実験場である「Sansan Labs」を作っており、リードタイム2週間、年間100リリースを目指しています。この目標達成のため、ボトルネックだった基盤構築作業を一本化することを目的に3年前よりk8sの基盤を導入し、開発速度を大幅に向上させました。一方で、アプリケーション数の増加は、運用コストの増加という新たな問題を発生させました。特に、日々進化する開発におけるベストプラクティスへの追従はアプリケーションが古いほど加速度的にコストが増加し、開発者がメンテナンスを忌避するようになるという点で非常に大きな問題です。

そこで我々は、アプリケーション開発の基盤となるPull Request環境、自動E2Eテスト実行、マニフェスト生成からなるソフトウェア群Chassisを開発し、古いアプリケーションも自動で最新のノウハウに追従し続けることのできる仕組みを構築しました。本発表では、ヒアリングにより発覚した課題とその対策、運用してみての学びについて発表します。

■ 発表の詳細(1000字程度)
発表では下記の内容について発表します。

  • 研究開発部のプロダクトの特徴と開発面での課題
    弊社研究開発部にて開発しているプロダクトの紹介とそれらを開発する際に起きている課題について紹介します。

  • 研究開発部の開発基盤とその思想
    上記の特徴ゆえに起きる問題とそれらを解決したPlatform面からのアプローチ、その成果について紹介します。

  • 見えてきた課題
    上記の構成で3年間運用してきた中で見えてきた新たな課題とその弊害について紹介します。

  • 解決するための手段の検討
    課題の解決策として提案した手段のPros, Cons、およびその中から選ぶ際に大切にした思想とその結果選択した手段について説明します。

  • 実際に作られたものとその挙動
    実際に開発した下記の3つの機能の説明と3つを組み合わせた際の挙動について説明します。

    • Pull Request環境
    • 自動E2Eテスト実行
    • マニフェスト生成
  • 作ったことによって得られた世界と運用によって見えてきた課題
    上記のシステムを開発したことにより、全アプリケーションのアップデートが伴う変更のリードタイム90%削減が達成されました。その詳細と副次的に得られた利点、さらに見えてきた課題について説明します。
    また、今後のアプリケーション基盤のロードマップについても紹介します。

■ 対象聴衆とその人たちが得られるもの

  • 開発速度を向上させた先に起きる問題の事例
    • Platformチームから見えた景色
    • ヒアリングにより見えた景色
  • 上記事例を解決するためのに必要な要素
  • それらを実現するために検討した方法
  • 実際に実現した結果
  • 運用する上でのプラクティス

■ なぜこのトピックについて話したいのか(モチベーション)
Platformの進化に古いアプリケーションがついていけないという問題はどの開発チームでも起きていると思います。ただ、現状、このテーマについて話されている発表はあまりありません。

そこで、私達の思想、そしてアプローチをシェアすることによって、このトピックについて各企業のSREチームの出した結論やそれについてのアプローチについての議論が活発になってほしいと思い、申し込みました。
よろしくお願いします!