SIEMによるセキュリティログの可視化と分析を通じた信頼性向上プロセスと実践 by 川崎 雄太

SRE Kaigi 2025
セッション(30分)

SIEMによるセキュリティログの可視化と分析を通じた信頼性向上プロセスと実践

yuta_k0911 川崎 雄太 yuta_k0911
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■ 発表カテゴリ
・Case Studies: 実際の導入事例や失敗談

■ 発表概要(400字程度)
昨今、DDoS攻撃や不正アクセスなど、Webサービスが攻撃にさらされる機会は増加の一途を辿っています。
セキュリティ運用の温度感は高くなっており、SREチームが兼務している企業も少なくないのではないでしょうか。

一般的なセキュリティ対策として、問題特定や予兆検知に用いるセキュリティログ管理が重要です。
セキュリティ領域でのログやイベント管理をSIEMと呼びます。

ココナラではセキュリティチームだけでなく、SREチームもセキュリティ運用に取り組んでいます。
以前は何も動けていませんでしたが、今では日々のメトリクスモニタリングに運用を組み込み、信頼性向上に寄与しています。

セキュリティ運用整備をSREチームがやることで信頼性向上に繋げた事例や、SIEM運用のつまづき・メリット / デメリットを紹介します。
この発表でチームの垣根を超えた信頼性向上の取り組みやSIEMのノウハウを得られると幸いです。

■ 発表の詳細(1000字程度)
以下の章立てでお話をします。

  1. ココナラで抱えていたセキュリティの課題
  2. セキュリティログ分析へのアプローチ
  3. セキュリティの課題をどのように解決していったか?
  4. SIEMの導入効果
  5. 今後の取り組み

ココナラはもともとSREチームがスキマ時間でセキュリティ対応を行っており、後手後手に回っていたり、体系立てた対応ができませんでした。
そこを改善すべく、SIEM(Amazon OpenSearch Serviceを利用した分析基盤)を導入し、試行錯誤の結果、セキュリティログの可視化と分析を行える状態を作りました。

また、「セキュリティログ分析はセキュリティの仕事」になりがちですが、SREも入ることによって運用改善・効率化の結果、信頼性向上(攻撃予兆 〜 傾向分析を行い、WAFのルールやアプリケーションを改善することでSuccess Rateを99.95% → 99.998%へ向上)を実現できました。
SREやセキュリティエンジニアの協業・キャリア形成の取り組みにも触れて話をします。

DevOpsDays Tokyo 2024ではOpsの話をしたので、今回はセキュリティログ分析を起点としたSREのプラクティスやSRE・セキュリティエンジニアのキャリア形成にもつながる話をします。
■SREのプラクティス
・日々のメトリクスモニタリングへ装着し、攻撃の予兆検知 〜 遮断対応の高速化
・ログ分析による予防のアクション創出〜実践

■SRE・セキュリティエンジニアのキャリア形成
・SREから見ると
  DevSecOpsの実践
  セキュリティ運用のトイル削減、既存設定の見直しなどIaC以外の効率化・自動化
・セキュリティエンジニアから見ると
  セキュリティ × SREのプラクティスによるプロアクティブな運用改善実践
  組織としてサービスに貢献できることの楽しさによるIaCへの取り組みや監視改善

https://speakerdeck.com/coconala_engineer/siemwoyong-ite-sekiyuriteirogufen-xi-noke-shi-hua-tofen-xi-woshi-xian-si-pdcasaikuruwohui-sitemita-3c3b6400-1e46-45d1-adcc-f619843328d7

■ 対象聴衆とその人たちが得られるもの
・信頼性向上に向けたSRE × セキュリティ観点のアプローチ、キャリアパスの広がり
・特にAWS環境におけるセキュリティログ分析・モニタリングの取り組みと実践
・SIEMでできること、SIEM on Amazon Open SearchServiceのより良い使い方

■ なぜこのトピックについて話したいのか(モチベーション)
セキュリティの専門組織を持っていない会社、持っていてもプロダクトのセキュリティログ分析に工数が割けない会社が多いと思います。

SREは1つのロールなので、職種横断で取り組むべきプラクティスですし、セキュリティという切り口でSREの裾野を広げることがこのイベントの趣旨にあっていると考えたからです。

SREに対しては、
・SRE × セキュリティのプラクティスで技術もキャリアも幅が広がる
を伝えていき、セキュリティエンジニアに対しても
・実は業務の一部がSREを実践している
・セキュリティ起点でプロダクトの価値向上に大いに貢献できる
というのを伝えることで、キャリアパスの広がりや業務のシナジーを生み出していきます。