リッチなUIを実装するために多くのアプリケーションでjQueryが利用されています。JavaScriptのAPIやCSSの機能拡充によりjQueryの出番は減ってきているものの、導入の簡単さ、APIの使いやすさ、プラグインの豊富さから「MPAで画面の一部をリッチなUIにすること」においてはjQueryはまだまだ最適な技術の1つです。しかしながら、DOM操作の命令的なコードはロジックやUIが複雑になると保守性が悪くなる傾向があります。
一方で、ReactやVue.jsなどのフレームワークは、宣言的UIにより保守性が上がるものの、学習コスト・運用コストの点でtoo muchになるケースも少なくありません。実際、LaravelをAPIサーバーとして利用するようなフルSPAよりも、MPA + 小〜中規模のJavaScriptで十分に要件を満たすアプリケーションがほとんどではないかと思います。
そこで、jQueryに代わる選択肢として注目されているのがAlpine.jsです。Alpine.jsはMPAでリッチなUIを構築するのに適したJavaScriptフレームワークです。Livewireの作者が開発したOSSですのでLaravelやLivewireとの連携も簡単で、ビューファイル内に宣言的UIとして実装できるため保守性が高いことが特徴です。
本トークではLaravel MPAにおけるフロントエンドの実装手法についてお話します。Alpine.jsを使ったフロントエンド実装を中心に、宣言的UIと比べたときのjQueryの優位性、ViteによるビルドやNodeモジュールを使ったバージョン管理、JavaScriptの管理パターン、Blade連携、コンポーネント化について紹介します。このトークが、Laravel MPAにおけるフロントエンド技術選定の参考になれば幸いです。