モジュラーモノリスは近年、マイクロサービスの代替として注目を集めています。このトークでは前半で設計の話を、後半で開発の話をします。
私が所属するBASE社では10年以上モノリシックなサービスでの開発が続いていましたが、デプロイ時間の増加や依存関係の複雑さにより機能提供のスピードに課題が出てきました。その課題を解決するためにモジュラーモノリスの新システムへの移行が始まって丸4年が経過しました。
本トークでは、モジュラーモノリスの基本的な設計概念から、その実現する方法論、また実践例について解説します。モジュールはコアドメインとサブドメインの考え方に基づいて区切られており、各モジュールの中ではアプリケーション層とドメイン層が分かれており、UnitOfWork での永続化管理やドメインイベントを用いた実装が可能になっています。
また、モジュラーモノリスを選択した際の利点とトレードオフについても議論します。具体的には、テストのしやすさ、デプロイの単純化、チーム間のコミュニケーションの向上など、エンジニアリング全体に与える影響を掘り下げます。メリットは多くありますが、それでも生じる課題についても触れていきます。
このトークを通じて、モジュラーモノリスというアーキテクチャの現実的な価値を理解し、チームやプロジェクトの規模に適したアプローチを選ぶための指針を得られれば幸いです。