※ 以前にタガヤスという技術勉強会でお話した内容の改訂版です。
普段我々が使っているコンピュータシステムというのは、階層的なシステムです。
物理法則から電気回路が作られ、ハードウェアが作られ、ハードウェアの上で動くファームウェアや OS があって、更にその上で動くアプリケーションがあって、アプリケーションの中でも C 言語で書かれた PHP 処理系、更にその上で動く PHP で書かれたスクリプト、というように、何重もの階層化がされています。
土台になるものから高く階層を積み上げていく、というイメージで、階層の上のほうにある技術を高レイヤー、下のほうにある技術を低レイヤーと呼んだりします。
PHP のスクリプトというのは比較的高レイヤーに属するプログラムなわけですが、PHP コードがコンピュータ上で実際にはどう振る舞っているのか、どういう仕組みでできているのか、というのは、当然より低レイヤーの技術で成り立っています。
今回のセッションでは、そんな PHP より低レイヤーの世界へ FFI を通じて PHP スクリプトからアクセスし、PHP 自身から階層をぶち抜いてスクリプトの動作を下の方から覗き見てみるという、少しひねくれたことをやる自作のツール、php-profiler についてお話します。
雑に言うと PHP で ELF と procfs と ZendEngine の内部構造体をパースしつつ FFI で外部プロセスのメモリを読み取り、スクリプトの動作を盗み見るお話です。