PHPカンファレンス福岡2023
レギュラートーク(15分)

レガシー環境から少し新しいレガシー環境への脱出

koyhoge 小山哲志 koyhoge
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応募者の業務中に最近起きた話を共有します。フリーランスである応募者は PHP-5.5、FuelPHP-1.8、AWS RDS MySQL 5.6 というレガシー環境で社内システム向け Web アプリを開発していました。
AWS は2022年2月に RDS での MySQL 5.6 のサポートを終了し、2022年3月以降に MySQL 5.7 への自動アップグレードを開始しました。いざ MySQL 5.7 にアップデートを行うと、アプリケーションの特性が要因となって、ORマッパーが生成する SQL に対して、いくつかの問題が発生しました。JOIN を多用する SQL に対して、内部的に生成するテンポラリテーブルの、カラム数やバイト数が限界に達したのです。この問題に対してシンプルな回避策は見つからず、DB 管理者は MySQL 8 へのアップグレードすることでの解決を模索します。実際に MySQL 8 との組み合わせを検証すると、今度は PHP の古さが原因となった問題点が発生しました。MySQL 8 から標準文字セットとなった utf8mb4 を PHP-5.5 の mysqlnd は理解できず、接続時にエラーとなってしまうのです。utf8mb4 がサポートされた mysqlnd は PHP-7.0.19 からです。PHP-7 に一気に上げると、おそらく他の部分にも様々な修正が必要となってくるでしょう。この八方塞がりな状況をいかに解決したかというお話をさせていただきます。

オチを少しだけバラすと、このシステムは PHP-5.6 と MySQL 8 の組み合わせで現在動作しています。