仕事をしている時など、「ムッ」とする場面はありませんか?
そうした際に誰かを悪者にしていませんかね。
悪者って、何でしょうか?──自分の目的達成や生存に対して、阻害をもたらす存在だとします。
イラッとすることがある、上手く行かないことがある、それらを「誰かのせい」にすることで、ギクシャクしてしまったり衝突を起こしたり・・・そんな経験はないでしょうか。その多くは、望んで起きた結果ではなく、望まずして生じて避け難かった「事故」のようなものである事も。
「問題の外在化」という技法があります。
これは「(問題を起こした)誰か」や「自分」に疑問を向けるのではなく、「問題を起こさせた要因があるはずだ」と考えることで問題そのものと人とを切り分け、本質的に「問題と向き合いやすくする」というものです。
「スプリントゴールが達成できなかったのは、Aさんの実装が遅かったから(Aさんが悪い)」ではなく「チーム全体でのコミュニケーションが以前より減っていて、アラートに気づけなかったから(チームが悪い)」「コミュニケーションが減っているのは、「執務室で会話を減らせ」と伝達を出してきたから(環境が悪い)」といった形で、問題の構造を変えさせます。
このような視点も含め、「解決したい問題が発見された時に、その背景や出どころに働きかける」という考え方として「システムズ・アプローチ」と呼ばれるアプローチがあります。
「誰か」から「仕組み」に意識の向け先を変更することで、憤りや不満と言ったネガティブな感情を和らげ、それまで「問題の主体」と考えられていた人物も含めた関係者で一体となって「コトに向かう」「他責的に考えず、当事者として解決可能な課題として扱う」ようになりやすいと言われます。
プログラマー職は「問題を解決する」「仕組みでどうにかする」が得意な職種だと思うので、この思考はとても相性が良いはずです。また、自然と「システムの問題として捉える」ができると、効果的な改善施策やアクションが浮かびやすくなります(例えばレトロスペクティブの場面などを想像してみてください)。
結果、深く広い学習のループが進むようになり、強いチームを手に入れられるようになるのです。
本トークでは、そんなシステムズアプローチの世界に触れつつ、「問題をシステムで捉えること」「実践しやすくするための視点・発想法」を共有します