ソフトウェア工学の70年の歴史において、我々は三つの主要なパラダイムを経験してきました。命令型(How)は実行の手順を、オブジェクト指向(Who)は実行の主体を、関数型(What)は計算の内容を問いました。本講演では、第四のパラダイムとして「存在論的プログラミング(Whether)」を提唱します。それは「存在するか否か」を問う、プログラミングの本質的な変革です。
時間と存在は分割できない – 存在論的プログラミングは「時間と存在の不可分性」を基礎とします。OOPが永遠の現在に囚われ真の自律性が保てなかった一方、このパラダイムにおいてはオブジェクトは時間の中で変態(メタモルフォーシス)し、その各瞬間において完全な自立存在として現れます。
70年間、我々は「より良い命令」を追求してきました。しかし、複雑性の増大、AIとの共生という時代の要請が、新しいパラダイムを必要としています。