Long session (60 mins)

PHP スクリプトの挙動を機械語レイヤーまでぶち抜いて観察する PHP Conference Japan 2021

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普段我々が使っているコンピュータシステムというのは、階層的なシステムです。

物理法則から電気回路が作られ、ハードウェアが作られ、ハードウェアの上で動くファームウェアや OS があって、更にその上で動くアプリケーションがあって、アプリケーションの中でも C 言語で書かれた PHP 処理系、更にその上で動く PHP で書かれたスクリプト、というように、何重もの階層化がされています。
土台になるものから高く階層を積み上げていく、というイメージで、階層の上のほうにある技術を高レイヤー、下のほうにある技術を低レイヤーと呼んだりします。

PHP のスクリプトというのは比較的高レイヤーに属するプログラムなわけですが、PHP コードがコンピュータ上で実際にはどう振る舞っているのか、どういう仕組みでできているのか、というのは、当然より低レイヤーの技術で成り立っています。

今回のセッションでは、そんな PHP より低レイヤーの世界へ FFI を通じて PHP スクリプトからアクセスし、PHP 自身から階層をぶち抜いてスクリプトの動作を下の方から覗き見てみるという、少しひねくれたことをやるツール、php-profiler についてお話します。

雑に言うと、PHP スクリプトによって ELF/DWARF と procfs と ZendEngine の内部構造体をパースしつつ、FFI で外部プロセスのメモリやレジスタ内容を読み取り、gdb などのデバッガと同じようなやり方で、スクリプトの動作を処理系の内部動作レベルから盗み見るお話です。

ある瞬間に PHP プロセスが PHP コードの何行目を実行しているのか、どんな処理系内部のバイトコードを実行しているのか、そしてそのために処理系や拡張モジュールの C 言語コードのどの部分の何行目が実行されているのかを、観察対象の PHP スクリプトへ全く手を入れないままに読み取ります。