オブジェクト指向を用いた組織ルール、ひいては法律までを設計管理する方法論 by せやかて工藤

Object-Oriented Conference 2024
ロングセッション(40分)

オブジェクト指向を用いた組織ルール、ひいては法律までを設計管理する方法論

Dt3nfVOwgom3KJX せやかて工藤 Dt3nfVOwgom3KJX
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オブジェクト指向モデリングを行う1つの目的として、
モノ同士の関係性からその背景に隠された視えない概念である【ルール】と、
ルール同士の関係性を浮き彫りにすることだと考えています。
本来、この【ルール】とは目的を達成するために必要な統制のために存在しているはずですが、
置いている暗黙化された前提条件などによって非常に認識しづらいものであり、
加えて他のルールと複雑に絡み付き合い、
結果的に悪い意味での制約、自分たちにとっての足かせとなり我々の業務の非効率を生みやすい真因にもなりやすいです。

しかしながら、常識としてしまっているこのルール系の概念を適切に再設計し直せば、組織にとってハイリターンを生みやすいものでもあります。
これは俗にいうDXとやらにも言えることだと強く感じます。
では、なぜそれができないのか?
その理由として以下が考えられます。
・各チーム内のルールが独自に形成されており、経営方針と乖離している。
・複数のルールが複雑に絡み合っていて、複数の責務が混在した神ルール化してしまっている。
・どのようにルールを運用保守していったらいいのかの方法論が確立していない。適切に管理できていない。
・日本の風土にルールを変えてはいけないという考えが強く根付いている。(ルールを変えてはいけないというルールはないのに、、)

今後日本では、アジャイルガバナンスなどの仕組みによって、
今までは変化がゆっくりと考えられていた【法律】という外部環境制約も変化の速度が加速することが予測されます。
(というか、そうならないと日本が沈没します汗)
その時、私たちの所属している組織がその変化に取り残されてしまうようでは、組織全体の沈没は免れないでしょう。

そうならないために、オブジェクト指向設計の思想を用いて法律~組織の経営方針、チーム内のルール、個人の中にあるルール
までを一貫したモデルとして表現し、変更しやすいルールの設計をするための方法論を解説いたします。
これにより、組織全体という枠を超えて業界全体、市場全体、
さらには国全体というスケールまでボトムアップ式に法律を全体最適な形に再設計することも理論上可能になり得ます。

オブジェクト指向を使ったこのルール設計方法論で、IT業界全体、さらには国全体が潤うための第一歩になれれば本望です。
よろしくお願いいたします。