Liberty InstantOnとは,Checkpoint/restore機能を追加したOpenJ9 VMと組み合わせることにより,Java EE/Jakarta EE Fullplatformに対応したアプリケーションサーバーOpen Liberty/WebSphere Libertyを超高速で起動することができる技術です。1〜数秒で起動していたLibertyの起動時間を1/10程度まで短縮することができます。現在βを提供しており,2023年の正式提供を予定しています。
GraalVMの力を借り数十ミリ秒で起動するQuarkusが人気を集めていますが,これはコンテナ技術を利用したクラウドネイティブの世界では実行環境の起動時間が本質的に重要だからです。しかしGraalVMで実行できるJavaアプリケーションには様々な制限があり,従来のJava EEアプリケーションをそのまま実行することはできません。Liberty InstantOnは,GraalVMとは別のアプローチで実行環境の起動を高速化する機能です。実行するアプリケーションの制限も少なく,Java EEのアプリケーションも実行することができます。
このセッションでは,Liberty InstantOnの詳細と,それが実現するであろうあたらしいJava EE/Jakarta EEの用途についてご紹介します。