あなたのアプリ、栄養不足かも?Accessibility Nutrition Labelsで始めるアクセシビリティ健康診断 by 野瀬田 裕樹

iOSDC Japan 2025
レギュラートーク(20分)

あなたのアプリ、栄養不足かも?Accessibility Nutrition Labelsで始めるアクセシビリティ健康診断

ynoseda 野瀬田 裕樹 ynoseda
6

「このアプリ、自分に使える?」
そんな問いに応えるのが、WWDC25で発表されたAccessibility Nutrition Labelsです。
これはVoiceOverやSufficient Contrast、Captionsなどに対応しているかどうかが食品の栄養成分表示のようにラベル形式で表示されるもので、ユーザーはアプリのダウンロード前に自分に合ったアプリかどうかを判断できるようになります。

開発者はApp Store Connect上でアプリのアクセシビリティ機能対応状況について登録でき、その内容がAccessibility Nutrition Labelsとして表示されます。
今後このラベル表示は新規アプリやアップデート時に必須化される予定で、Appleは明確な評価基準や申告手順をガイドラインとして公開しています。
たとえばSufficient ContrastはWCAGの推奨コントラスト比(4.5:1以上)を満たしているかなど、項目ごとに具体的な条件が示されています。

このトークでは、Accessibility Nutrition Labelsの概要や各項目の評価基準を整理した上で、iOSアプリでこれらの基準をどのように満たすか、具体的な実装例を交えて紹介します。
VoiceOver対応のための accessibilityLabel や accessibilityHint、Dynamic TypeやReduce Motionといったシステム設定への対応などの実装方法に加え、XcodeのAccessibility Inspectorを活用した検証手法も解説します。

アクセシビリティは一部のユーザーのためだけの機能ではなく、誰もが恩恵を受けられる設計原則です。
このトークを通じて、あなたのアプリの「アクセシビリティ健康診断」を始めてみませんか?