TCAから考えるSwiftのパフォーマンス改善 by dennoko

iOSDC Japan 2025
レギュラートーク(20分)

TCAから考えるSwiftのパフォーマンス改善

dennoko
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The Composable Architecture (TCA) は、SwiftUIとの親和性の高さやテストの容易さが魅力のアーキテクチャです。しかし、アプリケーションの規模が拡大し、親子関係にあるReducerが増えるにつれて、予期せぬパフォーマンスの低下に直面することがあります。

その主な原因の一つが、Actionの伝播に伴うReducerの再実行コストです。特に、状態(State)を変更する必要のない、単なるUIイベントの通知ですら、親子Reducer間を伝播することで、アプリケーション全体に無視できない負荷をかけてしまうケースが存在します。

本セッションでは、まずTCAにおけるAction呼び出しの仕組みと、それがなぜパフォーマンスボトルネックになり得るのかを、他のアーキテクチャ(Redux/Flux)との比較を交えながら解説します。

その上で、 TCAのAction呼び出し方式の変更により、パフォーマンスをどの程度改善できるかを、具体的なコードと実行時間の計測結果をもとに詳説します。

また、検証内容を元に、Swiftプログラミング全般に対して考えられるパフォーマンス改善の知見を共有します。