半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう by Ryuta Kibe

iOSDC Japan 2025
レギュラートーク(20分)

半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう

beryu Ryuta Kibe beryu
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アプリの品質保証において、既存の機能が意図せず壊れていないかを確認するリグレッションテストは不可欠ですが、その多くが手作業で行われ、リリース前のiOSエンジニアにとって大きな負担となりがちです。
多くのチームがE2Eテストの「完全自動化」という理想を追い求めますが、サービス仕様上スムーズに認証を通す事が難しかったり、特定のUI要素の操作が困難だったりして、現実的な課題に直面し、導入を断念してしまうケースも少なくありません。

本トークでは、「完璧な自動化を目指さない」という発想の転換から生まれた「半自動E2Eテスト」のアプローチを紹介します。
既存の全手動運用をベースに、課題となる箇所を段階的に自動化していくことで、最小限のコストで最大限の効果を得る方法を実践例と共に解説します。
具体的には、SMS認証やカメラ操作、OS標準アラートといった自動化が困難なシナリオに対し、RubyのOCRライブラリ活用や座標指定、手動介入のタイミングを知らせる音声ガイドなどの工夫を通じて、どのように「手っ取り早く」運用可能な状態を構築したかをお話しします。

実際に導入から5ヶ月間、継続的に利用され、リグレッションテストの効率化に貢献している本システムの具体的な運用実績と、そこから得られた「壊れやすさを気にしすぎない」「最低限のメリットから始める」という、挑戦を後押しする考え方と安心感について共有します。
このセッションを通じて、リグレッションテストの負担軽減を模索している方、E2Eテスト導入の壁にぶつかっている方々が、新しいアプローチを見つけるきっかけとなれば幸いです。