iOSアプリケーション開発において、「拡張性」「可読性」「効率性」の三要素は、理想として繰り返し語られてきました。しかし、それを現実のプロダクト、特に複雑かつ長期運用を前提とするゲームアプリにおいて愚直に実践することは容易ではありません。
本セッションでは、筆者が2年間にわたり携わった、複雑なゲームアプリにおける機能追加・バグ修正・運営を通じて得た知見を共有します。このアプリでは、オブジェクト指向設計をはじめとする基本原則を徹底的に適用し、ソースコードの構造的な整備とCI/CDを含む開発プロセスの最適化を愚直に実施しました。
その結果、少人数の体制でも新機能の追加や安定的な運用が可能となり、一定の収益を継続的に得ることができました。本発表では、設計・実装・運用の観点から、どのようにして「基本を忠実に行うこと」が品質と成果に結びついたのか、具体的なコード例や運用体制とともにご紹介します。
複雑なアプリの開発・運用に課題を感じているエンジニアにとって、「原則を疑わず、信じて実践すること」がなぜ有効なのか、その一つの実践例として参考になれば幸いです。