せめて、ネイティブらしく - マルチプラットフォームと撤退戦略 by RyuNen344

iOSDC Japan 2025
レギュラートーク(20分)

せめて、ネイティブらしく - マルチプラットフォームと撤退戦略

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「Write once, run everywhere」 - それはアプリケーション開発において、多くの開発者が追い求めてきた夢です。
モバイルアプリ開発の世界では、Androidの公式言語であるKotlinも例外ではありません。
Compose Multiplatform for iOSがStableとなり、アプリケーションの大部分をKotlinだけで開発する選択肢が現実的な視野に入ってきました。

しかし、過去の歴史が示すように、マルチプラットフォーム技術は常に諸刃の剣です。
技術選定とは、輝かしい未来を選ぶだけの行為ではないのです。チーム体制、事業フェーズ、プロダクトの性質によって、いつかその技術から「撤退」する日が来るかもしれません。
使用されていた技術の影響により部分的撤退が叶わなかったアプリも見受けられます。
本セッションでは、この予期せぬ「撤退戦」までを考慮に入れることの重要性を提起します。

本セッションではKotlin Multiplatformを主軸に、この「撤退戦略」を深掘りします。
まず、なぜKotlin NativeがネイティブAPIを直接呼び出し、ネイティブらしい振る舞いを実現できるのか解説します。そして、この特性が撤退時にどう活きるのかを明らかにします。
最後に、プラットフォームの専門家が変化の時代で自らの強みを最大限に発揮するための技術選定の指針を考察します。

トーク内容

  • マルチプラットフォームにおける「共通化」の功罪
  • なぜ技術選定で「撤退戦」を考慮すべきなのか?
  • Compose MultiplatformとKotlin Multiplatformの現在地
  • 撤退シナリオから見る、Kotlin Nativeの真価 Kotlin+UIKitの組み合わせ
  • 変化の時代における、プラットフォーム専門家が活きる技術選択の指針