ユーザーが投稿した写真を公開情報として提供するサービスでは、映り込みによるプライバシーの問題への対処が必要となることがあります。
私が開発運営に携わるグルメサービスRettyでも、店の雰囲気を伝える手段として飲食店の店内で撮影された写真を収集していますが、店員や他のお客さんが映った写真が投稿されてしまうことが大きな課題でした。
写真を適切に加工することでこの問題は回避可能ですが、外部アプリでの加工はアプリ間の移動が煩雑であり、さらに手動で人の顔に加工を施す作業負荷も高いため、これが店内写真の投稿率を下げる要因となっていました。
そこでRettyでは、アプリ内で加工が完結できるよう新たに「顔ぼかし」機能の提供を開始しました。
これは被写体を判別し、顔の部分だけにぼかしを入れる機能で、本機能によってユーザーは気兼ねなく内観写真を投稿することができるようになりました。
本機能の実装にはVisionFrameworkを用いており、オンデバイス判定による高速かつ高精度な顔判別と加工を行っています。
Apple標準のAPIのみを使用しているため、専門知識も不要でシンプルながらも必要十分な設計で実現することができました。
本トークではRettyでの「顔ぼかし」の企画からリリースに至るまでの流れをお話しながら、技術選定、設計、対処した課題についてご紹介します。
VisionFrameworkの活用事例として、みなさんのサービス開発にも役立てていただける内容となっています。
トーク内容