技術選定を可視化する:Technology Radarの導入と実践 by ぺいた

iOSDC Japan 2025
ルーキーズLT(5分)

技術選定を可視化する:Technology Radarの導入と実践

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iOSは言語やフレームワークの進化が早く、技術的負債が溜まりやすい領域です。私が携わっている大規模サービスは約10年にわたり運用が続いており、その中で技術の進化に合わせて複数のアーキテクチャが共存しています。各アーキテクチャに適したライブラリやツールが導入されてきたことで、プロジェクト全体の構成が複雑化し、技術の全体像を把握するのが難しくなっていました。

こうした状況では、新しい技術の導入判断が難しく、技術選定が特定のメンバーの知見に依存してしまうことや、オンボーディング時の使用技術のキャッチアップに時間がかかるなど、複数の課題が浮き彫りになります。これらを解決するため、チームではThoughtWorksが提唱する「Technology Radar」を導入しています。

Technology Radarは、技術の採用や評価を4段階(Adopt / Trial / Assess / Hold)に分類し、意思決定を支援するフレームワークです。私たちはこのモデルをiOS開発に合わせてカスタマイズし、チームメンバー間でディスカッションを行い、現在プロジェクトに導入されている技術を網羅的に分類し可視化しています。

この取り組みにより、技術選定に一貫性が生まれ、レビューや設計の議論でも各技術の扱いが明確な前提のもとで議論できるようになりました。チーム内で“技術の地図”の共通認識があることで、意思決定のスピードと納得感が大きく向上したと感じています。

このトークでは、Technology Radarの基本的な概念から、iOS開発に合わせてカスタマイズしたフレームワーク、そしてチーム内での運用方法を紹介します。