僕らのiOS x Swiftを未来の力に!現役iOSエンジニアが挑む、高専教育アップデート計画 by 瀬尾 敦生

iOSDC Japan 2025
レギュラートーク(20分)

僕らのiOS x Swiftを未来の力に!現役iOSエンジニアが挑む、高専教育アップデート計画

atsuki_seo 瀬尾 敦生 atsuki_seo
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筆者はIT企業でiOSアプリ開発をする傍ら、国立弓削商船高等専門学校(以下、弓削商船高専)の情報工学科教員としてプロダクトやシステム開発に関する講義を行なっています。

弓削商船高専のような国立高専では卒業生が身につけるべき知識や能力の到達目標として「モデルコアカリキュラム(以下、MCC)」が定められています。
特に情報系分野では、プログラミング/アルゴリズム/コンピュータの仕組みといった知識・技能に加え、それらを統合して課題解決にあたる「創造性・デザイン能力」の育成が重要視されています。

筆者はSwiftとAppleエコシステムは現代の「ものづくり」のプロセスと非常に親和性が高く、以下のような理由からMCCが目指す能力を育む上で多くの利点を持つと考えています。

  • 学生が日常的に使うiPhoneやiPadで動作するアプリケーション開発は、学習への強い動機付けとなる
  • SwiftUIとXcodeのプレビュー機能はコードの変更が即座にUIに反映されるため、手を動かしながら試行錯誤することを多く体験できる
    • MCCで求められている「エンジニアリングデザイン能力」 の育成に適している

本セッションではこのMCCの理念である「ものづくり」を通じた社会実装教育を、SwiftとAppleエコシステムを使って実現するためのアプローチを考察します。

  • 直感的なSwiftによるプログラミング基礎教育
  • SwiftUIのパフォーマンス改善といった実践的課題から学ぶアルゴリズムとデータ構造
  • LLVMを基盤とするSwiftの特性を活かしたコンパイラへの理解

本セッションを通して高専教育のカリキュラムや授業構成に関する問題点や新たな可能性を見つけ、未来のiOSアプリエンジニアを育てるためのより実践的なカリキュラムや授業の作成に繋げたいと思います。