モバイルアプリ開発では、たとえ新しいバージョンをリリースしてもいきなり全ユーザーが最新バージョンのアプリを利用するようになるわけではありません。旧バージョンを利用し続ける人も一定数いるため、我々は新旧バージョンにおけるデータの互換性や将来想定される仕様変更に対する拡張性を意識しながら設計していく必要があります。
例えば、アプリに永続化したデータの構造を新バージョンで変更する場合やサーバーから取得するレスポンスのフィールドに新しい要素を追加する場合、さらには旧バージョンで不具合が生じたときに新バージョンへの更新を促したい場合など、新旧バージョンと向き合わなければならないケースというものは多岐に渡ります。
すべてに対して丁寧に対応していくことも可能ですが、考慮しなければならないパターンが多く、ある程度折り合いをつけながら落とし所を探っていくことも重要です。
本トークでは、この新旧バージョンと向き合って開発していく上での戦略的な設計方針から、具体的に求められる戦術的な実装パターンまでを、体系的にお話しします。