Swiftがオープンソースになって以来、長年議論され続けてきたTyped throwsの提案がついに承認されました。これは、throws節にエラー型を指定できる新しい言語機能であり、Swift 6から導入されます。
Swiftにおけるエラーハンドリングの考え方は、Swift 2でthrows/tryが導入される際にまとめられた"Error Handling Rationale and Proposal"というドキュメントに基づいています。その後、Swift 5でResultが導入され、Swift 5.5でSwift Concurrencyが追加されました。これにより、それらの機能とエラーハンドリングを併せて考える必要が生じました。そして、Swift 6でTyped throwsが導入されます。
しかし、それらの変化は、Swiftにおけるエラーハンドリングの基本的な考え方を変えるものではありません。"Error Handling Rationale and Proposal"の理念は今も生き続けています。
本セッションでは、まずTyped throwsについて説明し、次に"Error Handling Rationale and Proposal"の内容を復習します。最後に、それらを踏まえた上でSwift 6でどのようにエラーハンドリングを行うべきか、その全体像を示します。