Bazelを利用したMicro Modular Architecture by Ryo Aoyama

iOSDC Japan 2020
採択
2020/09/21 11:30〜
Track E
レギュラートーク(40分)

Bazelを利用したMicro Modular Architecture

ra1028fe5 Ryo Aoyama ra1028fe5

十分に発達した組織による開発では、本質的な機能間の疎結合化や逆コンウェイ戦略に則った組織構成への適応など、より高度な課題が様々出てきます。もちろんビルド・テスト時間の最適化といった個々の開発者の直接的な課題もその一つです。
どれだけアプリケーションアーキテクチャを洗練させ理解を進めても、これらの課題の解決は難しいでしょう。
そこでリードアーキテクトは、よりソフトウェア的なアーキテクチャを発展、また将来漸進的に進化できるように構成する必要があります。そのためには、構成要素を複数のモジュールに細分化し、組み換え容易にすることが重要です。

最近ではAndroidアプリ開発の流れか、2〜20ほどのモジュールからアプリを構築している所謂マルチモジュール化に挑戦しているチームも多くなりました。
これを更に発展させ、数百のモジュールからアプリを構築するためには通常の開発手法では無理が出てくるため、現担当プロジェクトではビルドツールにBazelを採用しています。

BazelはGoogleが開発し、iOSアプリ開発ではUberやLyft、Pinterestといったモバイルアプリに力を入れているテックカンパニーでも採用されている多言語向けのビルドツールです。
もちろんiOSアプリ開発への導入ハードルはかなり高いですが、効率的なモジュール定義や、CIマシンを含め開発者全員が同じキャッシュを共有するRemote Cacheなどの強力な機能も持っています。

このトークでは、モジュールを数百に細分化することでどのような利点があるのか、Bazelを採用することで何が可能になりどのような相乗作用があるのかをお話します。