昨年のiOSDC Japanで、"Heart of Swift"と題してレギュラートークを行いました。"Heart of Swift"は、Swiftが値型を中心とした特殊な言語であること、そして、そのSwiftを使いこなすために欠かせない、言語の根幹を成す("Heart"となる)概念についてのトークです。本原稿では、ページ内のレイアウトを自由に組める特徴を活かして、見開き2ページで"Heart of Swift"の登場人物の関係性を図示し、全体を俯瞰できるようにします。
"Heart of Swift"では、WWDCでSwift Core Teamによって語られた二つの重要な概念、
を軸に、Swiftの"Heart"の全体像を示しました。
この話には多くの登場人物が存在します。1については、structとミュータブル/イミュータブルクラス、値型のコレクション、inout引数やmutating funcなど、2についてはパラメトリック/サブタイプポリモーフィズム、リバースジェネリクス、Opaque/Existential Typeなどです。それらの登場人物は互いに関係し合っており、Swiftという特徴的な言語を形作っています。
言葉による説明を聞いて、その複雑な関係を頭の中に描き出すのは容易ではありません。昨年のトークの最後にはまとめとして図を示し、理解の促進を図りました。しかし、スライドの中に事細かに説明を書き入れられるわけではありません。登場人物の関係を図示し、説明を書き入れるのに、見開き原稿は最適なメディアです。大きなスペースを使ってその関係と説明文を視覚的に示し、Swiftの"Heart"について、読者のより直観的な理解を目指します。