Google Cloud Community Tech Surge 2026 presented by Jagu'e'r
公募セッション(30分)
配信会場(東京)

「脱・属人化」NotebookLM Enterpriseで構築する完全自動ナレッジ同期基盤

福井・西田
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◻︎セッション概要(500文字以内)

本セッションでは、NotebookLM Enterprise APIを活用し、組織のナレッジ管理を効率化する「ノートブック管理の自動化」について解説します。NotebookLMは強力な調査・作成ツールですが、元ファイルが更新されてもノートブック内のソースは自動同期されず、手作業によるメンテナンスが運用上の課題です。
そこで本セッションでは、Googleドライブ上の特定フォルダとNotebookLMを同期させるアーキテクチャを紹介します。具体的には、Google Workspace Events API(デベロッパープレビュー)を利用してファイル操作イベントを検知し、Cloud Pub/SubとPythonスクリプトを介して、ノートブックの新規作成やソースの追加・更新を自動実行する仕組みです。

◻︎想定オーディエンス・得られる学び(500文字以内)

想定オーディエンス

  • 社内ドキュメントの散在やナレッジ管理のコストに課題を感じている方
  • Google Cloud でのイベント駆動アーキテクチャの実装詳細を知りたいエンジニア
  • NotebookLM を Web UI だけでなく API レベルでハックし、業務システムに組み込みたい開発者

得られる学び

  • Google Workspace Events APIとNotebookLM Enterprise APIを連携させ、Googleドライブ上のファイル操作をトリガーにノートブックを自動更新する具体的なアーキテクチャ

◻︎セッション詳細(1000文字程度)

  1. 導入
    本セッションでは、NotebookLM Enterprise APIでノートブック管理を自動化する、エンタープライズ環境での運用に耐えうるアーキテクチャについて解説します。
    またNotebookLMの運用においていは、「ソースデータの鮮度維持」が最大のボトルネックとなります。「誰がファイルをアップロードするのか?」「元ファイルが更新された後、ソース更新を誰が行うか?」この問いに対する我々の回答は、徹底的な「自動化」です。
     
  2. アーキテクチャ解説
    API で NotebookLM を「システム」にする Google Drive 上のドキュメント変更をリアルタイムに検知し、NotebookLM に反映させるイベント駆動パイプラインの全貌を公開します。
    • イベント検知:Google Workspace Events API を利用し、特定のフォルダやファイルの変更(追加・更新・削除)を低遅延でフックします 。
    • 流量制御とバッファリング:ドキュメント更新の都度イベントが発生するため、イベントごとにNotebookLMのソース更新を行うことは非効率であるため、Pub/Subを挟んで処理をキューイング・平準化する設計パターンを紹介します 。
    • 実行基盤:Cloud Run 上で動作する Controller が、API を通じてソースの Re-sync を実行します。
       
  3. 技術的な深掘りポイント「理論上動く」だけでなく、エンタープライズ環境での運用に耐えうる構成にフォーカス
    • エラーハンドリングの実際: 同期処理が失敗した場合のリトライ戦略と、それでも処理できなかったイベントを Dead Letter Queue (DLQ) に退避させ、検知・復旧させる運用の仕組み 。
       
  4. まとめ
    ドキュメントが「生き返る」未来。利用者はただドキュメントを書くだけ。裏側で API が走り、NotebookLM が賢くなる。「ドキュメント管理」という枯れた課題に対し、最新の Google Cloud 技術を組み合わせることで、どのように組織の生産性を変えられるか。その可能性と「Google Cloud への愛」を語ります。