マネージャーが学ぶ姿勢を見せると組織は変わる:EMが主導する組織的学習のススメ by 中居 謙太郎

Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

マネージャーが学ぶ姿勢を見せると組織は変わる:EMが主導する組織的学習のススメ

chaaaro 中居 謙太郎 chaaaro
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「組織内で勉強会を開いても、実務に結びつかない」

このようなことを感じたことがある人は多いのではありませんか?
この課題に対して私はアジャイルコーチという立場でエンジニアリングマネージャー(EM)と協力し、“共に学ぶ”勉強会を実施してきました。
勉強会の回数を重ねていくうちに、成功させるポイントは3つあることに気がつきました。

1.EMが時間を割いて参加すること
 今回、一番伝えたいポイントになります。
 EMが時間を割いて一緒に学ぶ姿勢を見せること自体が、参加者にとって強いメッセージとなります。
 学ぶことの語源が「まねぶ」(真似る)であるように、マネージャーの行動や振る舞いは周囲に良い影響として伝染していくものです。

2.対面で行うこと
 参加者同士の対話と相互作用が生まれ、認識が揃いやすくなります。
 また、リモートの勉強会で集中力を維持するにはかなりのパワーが必要なため、対面の方が効果的です。

3.長い時間をかけること
 学習とは単なる知識の獲得に留まらず、参加者間の「認識の統一」を目指すものです。
 この認識の統一は一度や二度で達成されるものではなく、継続的な時間の共有を通じて初めて、共通の言語や前提が構築されます。

とはいえ、EMは日々忙しく、勉強会への参加は簡単ではないと思います。
しかし、EMが先陣を切って共に学ぶ姿勢を見せることで、参加者に「これは大事な取り組みなんだ」と理解してもらうことができ、参加者への説明や説得の時間を削減することができます。大事なのは「勉強してね」じゃなくて「一緒に勉強しようね」なのです。
結果として、システム部門と業務部門の相互理解が深まり、意思疎通の無駄が削減されることで、リリース頻度やリードタイムにも改善が生まれました。

本セッションでは、「EMが学ぶ姿勢を見せることが、なぜ組織変容の触媒になるのか」という因果と、再現可能な勉強会の設計方法をお伝えします。

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Learning Outcome
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 対象聴衆:
  · 開催の前後で変化が見られる勉強会を開催したいと思っている人
  · 組織の壁を超えて共通理解を作りたいと思っている人

 得られるもの:
  · EMがともに学ぶ姿勢が組織変容の触媒となる手段を理解する
  · 成果に結びつく勉強会の設計について学ぶ