組織・文化・技術の壁に挫折したEMが、アーキテクトとして「構造化思考」を手に、再び保守開発組織の変革に取り組む by おだかとしゆき

Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(40分)

組織・文化・技術の壁に挫折したEMが、アーキテクトとして「構造化思考」を手に、再び保守開発組織の変革に取り組む

EM4326168385309 おだかとしゆき EM4326168385309
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■ 概要:
「システム改修に半年かかります」「影響調査に1ヶ月ください」
前職でEMだった私は、あらゆる技術的負債が受肉したような保守コストの高いスパゲティと、品質を顧みる余裕すらない組織構造の壁に直面していました。
内部品質の重要性を説き、新しい開発プロセスの試行を提案しても、日々の運用に疲弊するメンバには響かず、構造的な組織課題を前にEMとして無力感を味わいました。

「事業会社のシステム保守開発を楽にしたい」
その強い課題意識から私はあえてEM職を離れ、モダナイゼーションの現場に飛び込みました。
そこで得たのは、アーキテクトとしての実践知(システムと組織の構造的関連性や、モデリングによる共通理解の形成)と、専門職大学院での学びによって得られた経営戦略的な視座(情報社会学や管理会計 )でした。
技術的な「構造化思考」と、組織や経営を多角的に分析する「視座」。これらを武器に、私は再びEM(グループ長)として、まさに前職の課題そのものであった「基幹システムの保守開発部門」のモダナイゼーションに取り組んでいます。

本セッションでは、一度EMを挫折した私が、アーキテクトとして得た学びをいかに増幅させ、それを触媒としてレガシーな組織とシステムの変革に活かそうとしているのか。その現在進行形の実践と葛藤を共有します。

■ Learning Outcome(対象の聴衆 / 得られるもの):
対象の聴衆:

  • レガシーシステムや保守開発チームのマネジメントに課題を感じているEM
  • 組織構造の壁により、技術的改善が進まないと感じているリーダー
  • 専門職とマネジメントのキャリアパスに悩むシニアエンジニア

得られるもの:

  • 「構造化思考」をEM業務(特に組織変革)に活かす具体的なヒント
  • チームやステークホルダーとの共通理解を形成する実践的アプローチ
  • 「EM → 専門職 → EM」というキャリアの往復から得られる学びと、それを次の挑戦に繋げる視点
  • エンジニアリングの隣接領域への越境学習がEMとしての「引き出し」を増やす実例